330 ムール貝 投稿日時: 2014年2月18日 投稿者: nizaemon ホタテガイを養殖する浮玉に付着したムラサキイガイ。噴火湾のホタテ養殖の副産物だが誰も手を出さない。出汁もよく出るし身の美味しさも格段なのだが。ヨーロッパの海岸地方では人気者だ。市場原理では収穫量と手ごろな大きさと手間の安直さ、あと押しをする食の文化が必要だ。ムール貝の流通量はまだ低い。この種が日本にやって来たのは7、80年前だという。在来種ムラサキインコを駆逐しながら増えている。
329 旬のニシンで 投稿日時: 2014年2月17日 投稿者: nizaemon 新鮮この上無いニシンを12尾買ってきた。開いて塩をまぶし重石をかって締めたのをローレル、ブラックペパーと会津本郷窯のニシン鉢に漬ける。天日塩をたっぷり振り水を足して過飽和の食塩水に浸しこむ。ひと月もしないで完成。牛乳に漬けて塩抜きし、生でも酢でもお好み次第。一年も漬けるとアンチョビーと同じくとろりと口に溶ける逸品となる。パスタのベース、茹でたジャガイモのトッピングにしても口福の極み。
327 ゆめちから 投稿日時: 2014年2月17日 投稿者: nizaemon 北海道産超強力粉の「ゆめちからブレンド」を生産地十勝から頂戴した。安定した生産性を持つ秋播小麦としていま注目の品種である。蛋白量11.5%の粉だ。早速、山型食パンを作る。粉1kg、乾燥酵母(Saf)12g、バター50g、砂糖10g、天日塩20g、水620g。1次発酵60分、パンチ後30分、2次発酵40℃80分、焼成200℃35分。型は13×26×13 cmで丁度生地2本分。よく膨らみ美味しいパンとなったが、やや暗い色ともっちりしすぎもまた生地の特徴である。
326 関東降雪型 投稿日時: 2014年2月16日 投稿者: nizaemon 14日から15日にかけて、東海関東の南岸を通過した低気圧の影響で、関東では記録的な大雪となってしまった。甲府で114cm、河口湖で143cmと言う。8日にも大雪だったので、関東など雪かきの道具のない暖かい地方では大変だったろう。この低気圧は昨日から今朝にかけて東北、北海道にも雪を降らせ、突風も伴った。温暖化が進むというが、全体が均一に暖かくなるわけではなく、水も大気も流動力学での撹乱の中にある。その中でのバラツキや変動幅が大きくなって私たちの前に現象としてあらわれる。(気象庁天気図)
325 暗い海 投稿日時: 2014年2月3日 投稿者: nizaemon 暗い海の向こうに渡島駒ケ岳が寒風に霞んで見える。ここからは富士山型の砂原岳(1112m)が見えるが左肩に剣ヶ峰(1131m)も淡く見えている。1640年この山は5000年の眠りを解いて山体崩壊を伴う噴火をし発生した津波は20分後には対岸(ここ胆振沿岸)を襲い700人以上の死者が出たという。直線30kmの距離だ。鉄路敷設の前には連絡船が運航していた。この時期行き交う船も渡る鳥の姿も見えない。
323 北のアジサイ 投稿日時: 2014年1月31日 投稿者: nizaemon 紫陽花。梅雨のある南国では6月から7月にかけて咲く。北国北海道では8月から咲き始め、霜を受けてもまだ咲く。散りそびれて名残りの花は色を失いながらも、ドライフラワーとなって地吹雪の中を立ちつくす。けなげとも頑健ともとれる。日本原産というがここではぎりぎり分布を分ける。生きものというものはこうやって今を生きる。ヒトも厳しい自然の中でこうやって生きて来たのだが。
321 色とりどり 投稿日時: 2014年1月22日 投稿者: nizaemon 小学校の校庭、1クラス。お手玉30個位ぶちまけたような賑やかさ。というと、これはおかあさんの感覚の集大成ということになる。先生の色彩との対比が面白い。それぞれの個体が別個な独立した色調で、このような集団は動物学的にはあり得ない。チラチラと動き回るこの彩色された子供たちは、羽のある妖精のように見えた。シシリー・メアリー・バーカーの[花の妖精]みたいな。
320 バターロール50個 投稿日時: 2014年1月22日 投稿者: nizaemon 隣町伊達産の小麦「きたもえ」(江別製粉)でパンを作った。バターたっぷりのを50個。当然のことだが、焼いて1~2時間後が香りも良くとても美味しかった。翌日でも、冷凍保存後でも結構いけた。私は北海道産の粉特有のもっちり食感は嫌いなので、この粉のすっきりした食味は「当たり」だ。地産地消、結構な話だ。小麦粉1200g、酵母(サフ)24g、バター140g、砂糖120g、塩20g、全卵120g、水640g。45gで50個に分割。焼成180℃13分。
319 蒼い夜に 投稿日時: 2014年1月19日 投稿者: nizaemon 近くの田んぼの雪の中にキタキツネの足跡が続いている。早朝、6時には雪が降っていた。その時は-15℃であった。市街地からまっすぐに畑に入り、畦道に上がって向うの林に帰っていったのだろう。 茂吉の句に「けだものは食うもの恋いて啼きいたり何というやさしさぞこれは」とある。月齢17.7日のレモンの形の冷たい月の下、今朝のキツネは啼かず考えず背を照らされて、弛まず歩みを続けたことだろう。 昨日も今日も腹が満たされたとは思えない。これはいつものことだが、音のせぬ間の蒼い世界のおはなしだ。
318 使わぬ手はない 投稿日時: 2014年1月17日 投稿者: nizaemon ガガイモの綿毛が寒空に飛び立って行く。ケサランパサラン。造形の妙にため息をつく。ウィキには蘿藦、鏡芋、芄蘭の文字がある。Metaplexis 属は東アジアに数種あるという。漢方薬のほかに局所止血材、印池、針挿しなどの「草パンヤ」として使われたというがまだまだありそうだ。束ね結わえて髪飾りにもなったであろうに。紐に布、燈心、火口、糊剤で固めると形は自由だし、墨壺や香油、薬液の壺の中綿にもよい。