716 氷頭なます

氷頭なます飯鮨(ブログ 711)を漬けたシャケの氷頭でなますを作った。古来からの食べ方で、なますは「鱠」で魚、「膾」は鳥や獣の肉に由来する。旧石器、縄文の時代からの北に住む人々の最も重要な動物食であったシャケは、いまだに捨てるところがない。頭の軟骨の氷頭は、コリコリ感が身上だ。酢と味醂と天日塩と薬味。生臭ものが好きな私には、右手の箸が喜ぶとっておきの一品。

715 終わり良ければ

有珠山夕焼け町に流れる夕刻4時のチャイムに合わせるように有珠山の空が赤く映えた。このところ荒天続きで、千歳空港ホールでは6000人が配られた毛布で夜を明かしたという。押し詰まってのこの赤さは5分と持たなかったが締めくくりの夕映えなのだろう。今年も数えきれない枚数のシャッターを切ったが、噴火もなく無事に過ぎてゆく有珠山のこの瞬間に感謝し、次の一年間の安泰を願った。

714 北海道小麦粉

北海道小麦我家の朝食パン2種。左は道産小麦粉「ゆめちから」「とかち野酵母」仕様の純北海道産。右、日清製粉「パン専用小麦粉」酵母はサフインスタント。粉800g、砂糖30g、バター30g、天日塩15gで24個ずつできる。道産は焼きあがりまで4時間で香りが良いがしんねりむっつりで歯切れが悪い。日清粉は3時間でこんなに膨らみさっくりアッサリ感。どちらが好いか思案の分かれ目。

713 我が町壮瞥

壮瞥町滝之町明け方はよく冷え込んで空気は透明だ。尾根の向こうの羊蹄山は純白に眩しい。壮瞥は盆地で、内陸の冷えた空気が谷に沿って降りてくるが、雪は少ない。気候の穏やかな果樹の町壮瞥が見える。ベージュの庁舎、その向こうは神社の森と園芸高校。切れ込んだ尾根の向こうは洞爺湖湖畔。手前に広がるトマトのハウスと秋蒔きの小麦畑。どうです、湖畔の風景を説明せずとも素敵な町でしょう。一年を締めくくる冬景色。

712 北の砂糖

甜菜糖工場大地は薄雪、薄氷で覆われ、雪雲も製糖工場の吐きだす蒸気も強い北西の風で吹き流されている。白い蒸気はビート(甜菜)から砂糖を蒸留する冬にだけ働く工場。毎年の冬景色だ。前身は紋鼈製糖所で現在日本一の生産量だという。白い人参のような根は1個600〜1200gに肥大し、14〜20%程度のショ糖を蓄えるから150g、コーヒー茶碗山盛りいっぱいの蔗糖が採れる計算となる。

711 飯鮨(いずし)の材料

飯鮨の材料飯鮨は古来からの熟鮨(なれずし)文化で、北前船、開拓者、やん衆と繋がる。杉樽二つに漬けこむ材料を揃えた。シャケはオホーツクの雄武産3本。飯1升分に米麹2㎏。野菜はキャベツ4個、大根4本、ニンジン4本を十分な量の天日塩で揉み、薬味はショウガ。竹の皮で蓋い、交互に漬けこんで2か月間0~4℃の地下室で眠らせる。化学調味料で味をつけた市販品には負けません。

710 長流川下流

長流川下流冬景色となった長流川下流の河原。伊達市側の左岸にはこの川に浸食された10万年前の洞爺火砕の黄土色の露頭がみえる。右岸の緑はクマイザサ。ここは北の湘南橋近くで、産卵後流れ下るシャケの死骸を目当ての4羽のオジロワシを見つけた。オオワシの姿は見えなかった。この辺りの厳寒期にはカラス、カモメ類にキタキツネも混じって、野生の素敵な観察場所となる。

709 日本ジオパーク再認定

洞爺湖有珠山ジオパーク洞爺湖有珠山ジオパークの日本ジオパークネットワーク加盟再認定が決まった。洞爺湖有珠山ジオパークを支える人々の、事業、行事、サイトの保全や防災意識高揚などに対する積極的な努力が評価されたのだろう。歴史・文化系サイトとの連携の強化も認められた。来年夏のユネスコ世界ジオパーク再認定に向けて、山積する課題を乗り越えねばならない。(冊子は JP01・胆振特集)

708 飛沫氷(しぶきごおり)

飛沫氷今朝は-10℃近くまで下がって日中も氷点下。北西の風が吹いて洞爺湖の壮瞥側の湖畔には飛沫氷がついた。大陸の強い高気圧がやってくるたびに気温はどんどん下がる。四日周期くらいだ。去年はあまり飛沫氷が見られなかったが、今年の冬はどのような姿を見せてくれるのだろうか。

707 チカ

チカチカのシーズンがやってきた。チカは淡水生のワカサギに近い種だが、海水魚だ。白銀色の20㎝もある上等なのが店頭に並ぶ。16匹一盛りで280円。二枚に下し、塩水に漬けて半日干した。素焼もいいし、唐揚げにしてもよい。白身で淡泊、しかも香りがいい。三枚にすると丁度天ぷら種の大きさ。キスには負けない馥郁、芳醇な海の幸。海近くに住むことと季節に感謝する。