789 ニシンのサンショウ漬け

ニシンのサンショウ漬けサンショウの若葉をたっぷり使って、会津地方の伝統的保存食サンショウ漬けが出来上がった。醤油、酢、味醂、酒が漬け汁。漬け込んだ容器は15年前に買った会津本郷窯のニシン鉢。身欠きニシン専用の重厚な陶器で、ニシンが40枚が入る。細工は流々仕上がり上々。美味しいのが出来上がった。二回目の漬けこみは枝先の新芽とサンショウの青く若い実。あと10日間待てばよい。

788 ヘーゼルナッツ・ハシバミ

ヘーゼルナッツヘーゼルナッツに若い実がついていた。4月5月、雄花が咲き、小さな赤い糸状の雌花も咲いて、その後の確認を忘れていた。時は刻まれ季節が過ぎて、自然の仕組みはきちんと動き、気が付くと豊饒の時へと移ろっている。植えて育てているのは確かに私だが、システムとして代謝を行い着実に成長し続けているのは植物自身。自然の中での人の存在は、おこぼれ頂戴のようなものだ。

787 旧「とうやこ幼稚園」

旧とうやこ幼稚園7月19日、旧「とうやこ幼稚園」の草刈があった。2000年の有珠山噴火で被災した後、洞爺湖町が買い取り噴火遺構として残された。卒園式と入園式の合間の3月3月31日午後1時過ぎに噴火が起きた。火口との距離は700m。3月29日に避難指示があり住民は事前に避難をしていた。園舎の壁や屋上には噴石の衝突の跡がまだ生々しい。西山山麓火口群遊歩道の入り口にあり多くの人が訪れる。

786 カントリーガーデン

オオウバユリ裏庭のオオウバユリの花が咲いた。オリーブ色がかった白い花だ。悠々迫らぬ姿はその名に違わず落ち着いた気品があり、ボーダーの名わき役で庭のイメージつくりに最適だ。山地の落葉広葉樹林の林縁部に多い。近くの山から採ってシダ、フキなどと植えたらやはり地のものは強く、ガーデニングの良いアイテムとなった。アイヌ名トレップ。球根から澱粉が採れ保存食とされていた。

785 イワガラミ

イワガラミ有珠山山頂駅へのロープウエィから下を見ると、深い落葉樹林の樹冠を覗ける。幾度もの噴火と降灰を経て現在に辿りついた森だ。樹高はいずれも15mを超えている。100年位とも見えるドロノキ大王も寿命に達し、大風を受けて大往生した。ホウノキ、ハリギリなどの大木の樹冠を真上から見るのは愉快痛快この上もない。大木をよじ登り、わずかな陽光を得ようとする純白のイワガラミの、一途で強かな矜持を垣間見た。

784 カシグルミ

カシグルミマイスター仲間から「これ何ですか」とスマホを見せられ、場所を聞いてやっと気が付いた。「カシグルミ」、そう菓子胡桃。セイヨウグルミとも、簡単に手で打って食べられるので手打ちクルミともいう。長和から壮瞥町への道道453線から昭和新山へと分岐する交差点付近に数本のカシグルミがある。秋、路上に落ちた実は誰も拾わず、カラスが空中から落として味わっている。

783 次の世代へ

昭和新山洞爺湖町虻田小学校の5年生が宿泊学習会で火山の勉強に来てくれた。火山マイスターネットワークに要請があり、マイスター4名が付添い、立ち入り許可を得ての昭和新山、ロープウエイで登り有珠山洞爺湖展望台、火口展望台で解説をした。最近は札幌の小学校や、関東、関西地方など道外からの中高生も来てくれる。有珠山という火山を通して、その自然、観光、防災について理解してもらえれば言うことなしだ。

昭和新山を背に、三松ダイアグラムでこの山を世に問うた三松正夫の銅像近くで記念撮影。国際協力機構(JICA)研修で、日本とおなじ火山国のインドネシアから、火山学、防災教育を学びに来ていたガジャマダ大学の若い研究員たちも加わって、にぎやかな記念撮影となった。

782 満ち足りて

水孔私の大好きなブドウ、ポートランドのつるが戸口まで延びてきた。つるの先端、小さな葉の縁に水滴が並んでいる。夜の間に吸い上げた土中の水分の余剰分なのだろう。栄養塩類を含んだ水分は根毛からつるの先端まで運ばれ、鋸歯の先端の水孔から排出される。植物体にみなぎる液体。この循環ポンプは優れものだ。生命=エネルギー。

781 クサグモの幼体

クサグモの幼体セイヨウツゲの生け垣の棚蜘蛛の巣が光っている。良く晴れた朝で露が下りた。光る水滴を跨ぎながらせっせと巣を増改築中。この時期はまだ体が飴色の幼体だ。成体は毛深く縞がある。子どもの頃には細かく小さなものまで良く見えたので、毎日のように観察したし、アリを巣に落として戦いをさせ遊んだ。アリはいつも負けてロートのような巣の奥に引きずり込まれた。

780 ドロノキの綿毛

ドロノキの綿毛7月初旬、有珠山の木立に綿毛が飛んでいる。ネコヤナギが終わり、ドロノキの柳絮(りゅうじょ)が風に乗る。 この春の大風で倒れたドロノキの雌株に小さな花がついていて、季節に違わず綿毛を付けた。強いいのちを感じられる。緑から黒に色を変えた蒴果が弾け、閉じ込められていた綿毛が陽に光る。綿毛に包まれた種子はゴマ粒より小さい。荒地に先駆けるパイオニアツリ-だ。