370  いのちを繋ぐ

s-DSC_5407カワガラスが気になって(ブログ368)再度足を運んだ。3年ほど前から継続して観察中のポイントだ。親の給餌の回数がぐっと減ったのは独り立ちの時を迎えたからだろう。いつものフキの根元でもう当てにできない親を待ちながら、無数に飛び回る蚊や流れてくる虫をついばんでいる。年老いたハシブトガラスがこのヒナを狙っている。老獪なやつだ。一気に飛び込んで引っさらうつもりだ。でも、雛には水中へ潜る手がある。

369  開拓地の火山

羊蹄山倶知安町からの羊蹄山はこう見えた。セイヨウタンポポと古びた小屋と斜めの樹。穏やかで間延びした風景が北海道だ。古羊蹄山が10万年から5万年前にでき、一度山体崩壊して1万年ほど前までの山頂や山麓での噴火で現在の新羊蹄山ができたという。この数千年間は活動を休止してはいる。火山としてはまだ壮年期の山だろうから今後も噴火を繰り返すだろう。噴火が起こったらこの風景はどう変わるのだろうか。

368  カワガラス

カワガラスこの辺りでは丁度育雛期で親鳥は餌さがしに余念がない。清流に潜り流れの底を探しては石の上で息を整えている。クロカワムシを口もとに下げて飛び込んできたが、足元の繁みには巣立ったばかりの雛が隠れていた。フキの葉の下のまるっこく小さな食いしん坊な泣き虫。ツグミのような色の羽毛、短い尾をミソサザイのように立て、好奇心に満ちた眼だった。覗きこんだ私の視線とぶつかって時間が止まった。

367  リンゴの花が咲いて

リンゴの花「若葉香る五月の庭 リンゴの花咲き・・・」懐かしい歌だ。仲間たちとよく歌ったし、合唱曲として聞くのも好きだ。今日一日、風香る五月の末にしてはいささか冷たい風で、寒暖計の赤いアルコールは7℃。写真はわが家の早生のリンゴ「つがる」で毎年花付きがいい。「ふじ」の仕立て方は下手で、ジャムにしショソンを作る大切な樹なのだが。来年は良くなるだろう(と思っている)。

366  地の錆び

地の錆び長流川上流大滝町の清流に左岸から流れ込む錆色の流れがある。水は透明なのだが含まれる鉄分が岩肌に沈着したのであろう。本流が深い青色だけに鉄錆色が際立つ。地図上では錆色の源流をたどれずGoogle Earth で徳舜瞥山の登山口にたどり着いた。そこには以前日鉄鉱山があった。今でも浸み出す地下からの悪水。これも大地が見せる諸相の一つだ。

365  目覚めのサラダ

サッポロマイマイ暗く湿った落ち葉の下で半年の冬を越し、やっと目覚たサッポロマイマイ。だがここ数日の北風に身をすくめてしまったか。春の気候は気紛れだ。オオウバユリの軟らかなサラダ模様に身を預け、あとひと眠りしたいのか。角出せ槍出せ、目覚めよ、春だ。

364  タンポポの五月

エゾタンポポ足元から遥か遠くに見える町役場の向こうまでタンポポに埋め尽くされて、景色が黄金色に染まる。セイヨウタンポポ、昔、牧草とともに渡って来たが、いまではこの季節を彩る土地の花。スカートもズボンの裾も金色の粉でよごしながらこの花を集め、太陽の光をお酒にする。タンポポのお酒だ。五月のエキス。何という贅沢。レイ・ブラッドベリーに乾杯。

363  昭和新山、噴火前の集落を探る

消えた集落1943年12月に前兆地震、翌1月から麦畑、道路、鉄道が隆起しはじめ、4月からはフカバ集落が50mほど隆起した。人々はこの地域を離れざるを得なかった。鉄道は幾度も敷設しなおされた。その後、フカバ集落は棚山の形成、屋根山斜面の崩落、浸食により、元の形を失った。現在いくつかの遺構や遺物の場所を繋ぎ合わせ、集落の古地図と照らし合わせる作業をしている。

362  マイヅルソウ

マイヅルソウてりのあるハート型の可愛い葉。この葉を見ると春の到来をしみじみと感じる。まだ硬く小さな花穂も見える。やがてこの下闇にちららちらとすずらんのような白い花をつけ、ルビー色の実は秋の終わり、初雪にも映える。緑の葉の中からツタウルシの三枚葉の赤い葉芽を見つけた。いまが一番毒性の強い時期。アア、春だ

361  おかしいぞこの標識

北米のシカ北海道で出会う道路標識。よく見ると角の向きが逆だ。調べたら北米・中米に分布するオジロジカ(Whitetailed deer)の角が特異的にこの形だ。シートンの動物記に自筆の彩色画が載っている。日本のシカではないよ。基準となる国土交通省の道路標識一覧(214の2)がこの図柄だ。誰かがはなから間違った。種類ごとに角の形はちがうよ。飛び出して轢かれたシカの角をよく見てごらんなさい。シカがかわいそうだ。