「三月から四月、雪が硬くなったらスキーを背にオロフレまで登って、あとは徳瞬瞥山 へ向かって尾根筋を詰めてみたいね。」と言ったら「私も一緒に」と言った人がいた。今となっては足腰が全く覚束ないし、賛同してくれた人が誰だったかも覚えていない。湖の向こうに光を受けて輝くオロフレを見た瞬間、そのことを思い出した。
月別アーカイブ: 2015年2月
476 揺蕩う春
眠い所を起こされたのか自ら覚めたのか、根雪が解けたら我が家の庭にもフクジュソウ。去年は3月28日だった。異常だという人もいるが、自然界に変異はつきもの、入学式に大雪のことだってある。気象学では過去30年間の平均値に対して、標準偏差の2倍以上の数値が出たら異常気象と言うのだそうだ。そんなめんどくさいこと、早くやってきた春にはいらない。嬉しいことが先だ。山の斜面で休眠中の虫や花の芽も、アレマァ、と驚いているだろう。
農家の人に聞いたら「生産の場では最も基本的な安全策を取ります、経験で培った平均値で、ことに当たります。早く温かくなるのはありがたいけれど」と言う。発表される長期予報もあまり当てにはできないとも。さも有りなん、ブレがあるのは読み込み済みだ。
475 汚れた嘴
474 天と地が連なって
二月とは思えない柔らかな冷気の中に昭和新山と有珠山のシルエットが浮かぶ。三日月と宵の明星がすっきりと並んでくれた。慌ててカメラを取り、ISO-6400、1/40秒、f=4,5で写した。こんなシーンはめったにないことだと思い、月齢だけでも正確にと調べていて驚いた。今日と明日は金星に接近して火星が見えるはずだという。
PC上で拡大したら金星の右上に火星が確かに写っておりました。写真でお見せできないのは残念。三日月と火星と金星と、地球の代表、有珠山、昭和新山。ちなみに今日の月のデータ。月の出 / 月の入(室蘭) 07:30 / 20:08、月齢(2.1) 新月→上弦。金星は(-4.0等星)で火星(1.3等星)。
473 春への眼差し
冷たい風を避けて南斜面を歩き、葉を落とした樹々を訪ねる。陽だまりにはすでに光の春がやって来ている。芽が動くにはもう少し時間が必要だが、やがて来る春を探すにはよい時期だ。ヒツジの顔で知られるオニグルミ、針で武装したハリギリ、タラはまだ芽がかたい。トチは樹液を滲ませて展開を待つ。ニワウルシはサフォーク種のヒツジに見える。クズはナマケモノの顔にもお下げの童女にも見えるのだが、、。
472 男前だぜ
471 天晴れ羊蹄
470 卵だけ
469 樹林に暮らす
468 変わらぬ風景
室蘭半島は先端の地名から絵鞆半島と呼ばれた。エトモとはエンルム(enrumu=岬)によるという。半島の南面は500~300万年前の海底火山の噴出物が堆積した室蘭層と、それを突き抜けた岩脈で構成された100m程の断崖となっている。小さな岬で仕切られた砂浜や入り江が数多くあり、アイヌ地名と逸話が残されていたが岬は削られ砂浜は埋められて古の姿は残り少ない。写真の右の岩はローソク岩でアイヌ名は残っていない。左は岩脈が海に取り残された岩で白く見えるのは雪ではなくカモメの糞。マスイチ(マスイ・チセ=カモメ・家)の語源となった岩であり岩の近くには海蝕洞がある。この浜には降りて行くことができ、人の手の入っていない時代の絵鞆半島に出会える。
手前の断崖の先にも大きな洞窟が口を開けているが、西側の別な浜から岩伝いに行くしか方法がない。この洞窟こそ、白鳥湾(=室蘭港)側のトキカルモイあたりに有ったという「アフンルパロ」からつながり、太平洋側にもあるといわれた伝説の「アフンルパロ」ではないかと私は思っている。