599 洞爺湖ミント

薄荷水際の大石にへばりついていたこのミント。香りが強いので見守り続けてきたが、去年の嵐で洗い流され、全滅の憂き目に遭った。小さい株を数本確保しておいたので裏庭に移植し、鉢にも根を植え窓際に置いた。ひと月もたたないのにこの通り十数本、シソ科の繁殖力には感心する。ケーキや肉料理の付け合わせ、サラダに加えてもよい。でも、私としてはやはりモヒートか。

598 山眠る・里眠る

リンゴ園リンゴは有珠山の賜物。この町壮瞥の北の大滝では寒冷と深い雪でリンゴは無理。有珠山の向こうの海側は海霧と浜風が吹く。この地域は盆地となっていて、天候に恵まれた町だ。ここ数日、明け方の気温は-7℃くらいで、遠くに有珠山、昭和新山を望みながら静かな朝を迎えた。リンゴ園の樹々は辛抱強く春を待つ。

597 塒(ねぐら)へ

ハクチョウ暗い雪雲から寒風と一緒に雪が吹き付けている。陽矢が黒い海に映るのを撮っていたら、突然、五羽のハクチョウが画面に飛び込んできた。

きょう一日、厳しかったのか充実があったのか、ひたすらに塒に向う。鳴き交わす声もなく低く飛んでいる。行く先は長流川の河口か有珠の入江。

 

596 徳舜瞥山・ホロホロ山

徳舜瞥山・ホロホロ山晴れあがった日には見事に輝いて、思わず見とれてしまう双耳峰。溜息が出るくらい眩いのだ。夏、裾野の原生林は深く、徳瞬瞥山(1309m)からは圧倒的な眺望、そして右のホロホロ山(1322m)へと延びる稜線に心と足が誘われる。地質図幅説明書(1954)にはホロホロ側に山頂を持つほぼ円錐形の火山で、大きな火口がいくつも開きその後浸食が進んで現在の山容となったとある。

595 手の跡か

初列風切鳥の翼は人の手と起源を同じくし、爬虫類の前脚につながる。珍しく5cmほど積もった新雪を歩いてきたハシボソガラスが、そこから飛び上がった軌跡が残っていた。 羽毛は爬虫類の鱗に由来するが、翅の先端の風切羽は機能から見るとコウモリ類の指先にも相当する。脚で弾みをつけ、一羽搏きで飛び上がったようだ。飛ぶことに特化し、空を手にした鳥たちには脱帽だ。

594 この山

昭和新山私の好きな画角の火山、雪原に浮かぶ孤独な火山がこれ。アラスカか南極の火山と見たてても不思議ない。これは誕生して70年ちょっとの昭和新山。私より数年若い。赤い天然煉瓦のドームからはいまだに噴気が上がっていて、まだまだ体の芯には熱いものを持ち続けている。

593 春を待つ顔

クズの葉痕吹きさらしの斜面でこんな顔を見つけた。お下げ髪にも角髪(みずら)にも見える。今様にはニットのウオッチャーキャップかも。これはクズの葉痕。秋、葉を落とした痕は種によって異なるが、いくつかの種では水分や養分を運んだ維管束の跡が目にも鼻にも見えて、目にするとどこか心が緩む。顔の上の春を待つ芽はまだ硬い。下の横木はオニグルミ。ヒツジの顔が見えますか。

592 救荒食・エネルギーの循環

救荒食暮れに長流川に遡上して産卵後、息絶えたホッチャレ鮭。浅瀬に流れ寄った骸は厳しい冬を過ごすカモメやカラスたちの貴重な食料だ。この川で孵化したサケは海へ下り、5~6年で成熟し、また海から川へと遡る。エネルギーはこうやって移動し、陸上の生き物たちによって消費され、大地へと還元される。昨日この川でオジロワシ、オオワシを13羽数えた。キタキツネも姿を見せる。

591 偉丈夫、昭和新山

昭和新山2016年1月の昭和新山南面。この方向からの溶岩ドームもなかなかの迫力。右側に落ち込んだあたりがグレン谷で山巓までの比高は100mほどだ。左上に延びる稜線の先は有珠山外輪。この山も見る方角によって姿が変わるし、それぞれに味がある。

590 ホザキヤドリギ

ホザキヤドリギ幾度かブログで取り上げたが(ブログ465、507、561、566)、今年も見事な金色の房を下げている。この植物と出会って一年たちました。この地方の情報は入ってこない。下北、恵山、室蘭など渡り鳥のルートと関連ある情報でも入手できないかと都合の良いことを考えたりしている。右下に見える常緑のアカミノヤドリギもまだ実を付けている。雪が少ない冬で野鳥の動きが違うのか。