開基は826年というから、北海道では珍しい古刹である。文化元年(1804年)、様似の等澍院(天台宗)、厚岸の国泰寺(禅宗)とともに建立された蝦夷三官寺のひとつでもある。1882年の有珠山噴火では辛うじて難を逃れた建物である。7500年前の岩屑なだれでできた流山地形に囲まれ、有珠山溶岩の配置があたかも石庭のような趣を見せる。
月別アーカイブ: 2015年5月
503 浅い眠り
502 シコタンタンポポ?
室蘭の自然が残っている砂浜でタンポポの在来種を見つけた。シコタンタンポポらしい。エゾタンポポは平地、丘陵地や里山などに見つかるが、海岸線にはない。苫小牧市美術博物館「タンポポ調査2014」に苫小牧海岸のセイヨウ、エゾ、シコタンタンポポの報告がある。
伊達市から苫小牧までの十か所ほど、砂浜に続く草地を調べてみた。室蘭市のほか、昔からの風景が残る登別市の海岸では群落も見つかった。件の苫小牧の現地からも確かに在来種系を見つけだしたのだが、私にはシコタンタンポポと同定する的確な資料の持ち合わせがない。
梅沢俊さんの「新北海道の花」では *北(胆振~根室地方の太平洋側)となっていて、分布域は当てはまるけど、詳細は載せていない。日本の野生植物(平凡社)の図版と解説には納得するも疑念が残り、フィールドでは個体差に惑わされ、ますます混乱してくる。近年になって分布域が広がったのか、身近すぎて確認が遅れてしまったのか。
T. shikotanense 色丹島。千島、根室からどこが南限なのか。渡島半島まで歩かねばならないか。ひょっとすると下北は、などと要らぬ推測まで頭を持ち上げる。考えるだけでもワクワクだ。