778 オロフレ峠

オロフレ峠いまは峠の下をトンネルで通り抜けるので、このガレ場の上にあるオロフレ峠と展望台(930m)へは枝道を2.5㎞進むことになる。この道は冬季には閉鎖されるが、見事な樹氷で覆われ、「洞爺湖有珠山ジオパーク友の会」が毎年樹氷探訪会を行っている。黄白色に見える崖地は崩落し続けていて旧道の通行は不能になった。約150万年前、熱水変質作用で粘土化岩したものだという。

777 野の菜・アカザ

アカザインド、中国、日本と渡来したともいう。古くから野の菜、つまり野菜であった。ホウレンソウ、スイスチャードもアカザの仲間で、味わってみて頷ける。少しほろ苦い程度で嫌味はない。栽培法や品種改良を重ねると、アスパラガスや空芯菜のように、フレンチや中華の調理法の中から食材として返り咲くかもしれない。その由来はどうあれ、和風にこだわる必要はない。

776 流れクジラ

流れクジラポンアヨロ海岸の灯台の下にクジラが打ち上げられていた。10日前には無かった。今は大潮なので満ち潮で運ばれたのだろう。7~8mの髭クジラ。種名は分からない。ここはよく人の集まる景勝地。近くにはホテルもある。大潮のうちに引きずり出さねば、腐敗が始まるとこの夏、大変なことになる。自然にはよくある、ごく当たり前の置き土産。

775 ハマヒルガオ

ハマヒルガオ伊達市西浜、砂浜の奥にハマヒルガオの群落を見つけた。肉厚で照り葉なのは海浜植物の特性だ。吹きつける塩分を含んだ飛沫や風、強い日射から体内環境を維持するための防御策。縁どりのある濃いグリーンに放射柄の明るいピンク。これは不安定な砂地でいのちを繋ぐための自己主張でもある。目を引く夏柄のワンピース。過酷な環境に生きる者の強かでビビットな世界。

774 豊浦黒曜石

豊浦黒曜石豊浦町の黒曜石を探りに出かけた。豊浦町豊泉で得られたものが、縄文石器の素材として使用されたと聞いていた。豊泉川は大岸のオプケシ岬(槍端岬・山田秀三による)に流れ込む大岸川の支流だ。丁寧に探し続けたら、砂利の中かに埋もれている黒曜石を見つけた。ここの黒曜石は露頭由来ではないという。しかし角が取れて丸くはなってはいないので、地質図にある留寿都層中のものが洗いだされたのかもしれない。

773 ポンアヨロ海岸

ポンアヨロ白老町のアヨロ鼻灯台。アイヌの伝承の地「神々が遊ぶ庭」に接し、縄文時代から継続している遺跡がある。 今は干潮時で潮下帯のコンブ、スガモ、潮間帯のアオサ類、ウミトラノオや飛沫帯のカサガイなどが種類を異にし、色を変えてすみ分けている。 砂利浜の上の岩盤はクッタラ火山から溶結凝灰岩で、押しつぶされた軽石が見られる。褐色のバンドは地質図のポンアヨロ浮石層に相当するようだ。

772 アサクラサンショウ雄花

アサクラサンショウの雄花この地はサンショウの北限に近い。なんとか山椒の実を庭先で手に入れようと思い野生の実生を含め10数本植えてやっと2本の雌株を得たが、昨年実を収穫したのは市販のアサクラサンショウ、ルーペで花序を観察して驚いた。なんと雌雄同株だ。アサクラサンショウ、ブドウサンショウは雌雄同株の品種なのだ。あと1株は棘のある在来種。写真は昨年実を得た株の今年の雄花。

771 リンゴの始まり

リンゴ・つがる薄紅色のリンゴの花は、2週間もすると花梗は伸び子房もこんなに膨らむ。産毛が生えているけれど、いっぱしリンゴ気取りで、ほのかにリンゴ色もにじみ出ている。一つの房に1個だけ、真ん中のを残してあとは取り去る。落花狼藉が可愛そうなのでこの時期になって間引くことになる。この樹は早生の品種「ツガル」。9月末には見事に色づいて、リンゴの季節到来を告げてくれる。

770 緑なす

新山噴気昭和新山ドームの噴気が光る。厚く暗い雲を背に、切れ間から一瞬光が漏れて緑が輝いた。1945年に噴火が収まって72年。手前の森は屋根山のドロノキの群落。寿命は100年位だから壮年~老年期の森。遷移が進み樹種が交代して次にはどのような森に至るのか。隣り合う若いヤマナラシの林はどんな経過をたどるのか。50年先のこの山の緑を想像して見るが予測がつかない。私もいない。

769 六月の魚

六月の魚早朝、知人が魚を持ってきた。漁師さんを手伝っているという。身の細やかなで上等なババガレイと腹卵の美味しい大振りなアサバガレイはもう鍋の中で煮付。ここで気が付いて残りの撮影。マガレイとソウハチで15枚。ヤマメの親のサクラマスと手ごろな大きさのエイ(カスベという)。魚があると米がいらない私にとってこんな幸せが。庭の脇の特設流し台。ここも私のお気に入り。