831 グリーンタフ

グリーンタフ長流川上流の徳舜瞥川との合流点から見た下流方向。右岸に久保内発電所への用水の取り入れ口がある。その裏手、写真中央から右手の崖は薄緑がかっていて、地質図に照合すると北湯沢地域を含め、2㎞上流までグリ-ンタフとなっている。中新世(2300万~500万年前)の海底火山の噴出物だ。地質図には、接して黒色頁岩層も表記されている。ぜひ手に取って確認して見たいものだ。

830 時の形

洞爺湖洞爺湖ととなった巨大カルデラは10万年前の出来事。中島は5万年前の噴火の姿であり、向うの有珠山は2万年前に誕生し現在はこの形。ここは洞爺湖美術館。何ともいい形に刈り込まれた樹がある。ビャクシンだろうか。湖の周囲には有珠山の2000年噴火復興を祈念した58基の彫刻が置かれているが、負けないくらいの造形だ。美術館では洞爺湖ビエンナーレの作品展が開催されていた。

829 ヘーゼルナッツ収穫

ヘーゼルナッツ今年のヘーゼルナッツ(セイヨウハシバミ)の収穫が終わった。苗木を植えて10年位経ったか。収穫は2年目。左は大粒のフィルバート種で右は小粒のコモンヘーゼル。日本在来のツノハシバミ、ハシバミなどがあり、先史時代から食べられてきた。生食できるのが強みだ。180℃、10分ローストするとなお香ばしい。ドングリ類とは異なりカバノキ科。来春の雄花がもう垂れさがっている。

828 いつもの冬

有珠山の雪有珠山に雪が来た。夏には緑に包まれる。こうやってこの山は2万年を過ごしてきた。3万年ほど前にシベリアからやってきた後期旧石器時代のホモ・サピエンスたちは、遠く近くにこの山を見ていただろう。1万数千年以前は氷河時代で、その後縄文時代を経て、その末裔の私自身はあと何回緑の季節に出会えるか。この山は火山としてはまだ若い山だ。噴火しながらこの山はまだ続く。

827 時代の風景

カムイチャシ豊浦町礼文華の岬にあるカムイチャシ。アイヌの人々の祀りの場であった。1万数千年年前の氷河期には噴火湾全域は陸地だった。向うに見える有珠山は若い火山だったろう。氷河期が終わり、縄文海進期(6,500年前-6,000年前)の温暖な時代の海水面は5mほど上昇していたという。この海にハマグリが生息していた時代、今の東北地方の植生がここにあった頃の風景を想像してみる。

826 雪リンゴ・フジ

雪リンゴ・フジ我家で一番の古木、といっても30年くらいなのだが、品種はフジ。その実は硬く日持ちし、美味しさも上々。晩生で少しくらいの霜や雪にもまったく平気で、試練の中で充実し、いわゆる「蜜リンゴ」となる。今日、11月16日、気温は2℃。ゆっくりとボタン雪が降り積もり、リンゴはさらに赤く色づいた。いよいよ収穫の時期だ。この冬、大鍋でジャムを作り、残りは春まで食い繋ぐ。

825 山椒は小粒でも

山椒北限のサンショウ(ブログ823)、採って1週間干したら、爆ぜてこの通り。赤い皮一片を口に含むと、ヒリリと心地よいシビレが来た。日本の五味の中にはこの味の表現は含まれない。中華では「麻」となり「辛」と分けて考える。中華料理の「麻辣」は、辛さの伝統のあまりない日本では何と表現すればよいのか。日本のワサビが苦手な外国人も多いが、文化とはそういうものだ。

824 ハクチョウが帰ってきた

ハクチョウ11月11日。伊達市上長和町、道央自動車道の長い橋梁の下の刈田にハクチョウを見つけた。遠目でオオハクチョウが見えた。コハクチョウは?灰色の亜成鳥も含め50羽。シベリアから帰ってきたこのグループ、何処に落ちくのやら。例年の通り、長流川の河口を塒にするのだろうか。今年はどんな冬鳥に出会えるのか。オジロワシ、オオワシはどのくらいか。マガンの群れに出会えるか。

 

823 実山椒

山椒11月6日ともなればいつもの年なら初雪もあるのだが、日本の東にある大きな高気圧のおかげで暖かい日が続いている。寒くなる前の庭じまいのチャンスだ。山椒の実が夕日を浴びて赤い。道南はサンショウの北限。初夏の青い実は冷凍にして、赤くなった実は乾して黒い種子を取り除いて使う。北海道だから身欠きニシンや干鱈とコンブの佃煮をたっぷり作る。もちろん四川麻婆豆腐も。

822 噴気と落日

噴気t落日晩秋、噴気の昭和新山の溶岩ドームの岩壁を滑り落ちる落暉。2017年11月3日の太陽は忙しかった。朝の青空はやがて驟雨となり、午後には青空が蘇り穏やかな時間が続いた。16時、一日の気力を使いはたして溶岩ドームの向こうに陽が落ちてゆく。ドームの東斜面は今でも噴気が盛んだ。雨の後は特に際立つ。この溶岩がせり上がったのは72年前。72年分の1日が終わる。