736 徳瞬瞥山(1309m)

徳瞬瞥山 我家からこの山の頂を見た。輝く山頂に誘われて大滝までやってきた。撮影場所を探して辿りついたのが大滝小学校。頂上まで7㎞。見事な山容にしばし見とれた。麓は牧草地、山麓は樹氷と霧氷におおわれている。この小学校の生徒達は毎日この山を仰ぎ見、抱かれるように育つのだろう。生涯この風景を思い出せるなんてなんとも羨ましいことだ。気高くもたおやかな、純白の女神。

735 暖冬のしぶき氷

しぶき氷春が近づくとしぶき氷が伸びてくる。陽光が当たり少しだけ溶ける。夜また凍る。明け方は-6℃位。厳冬の時期、冷たい北西の風が吹き募った氷点下の日が続くと凍り付いた飛沫は千変万化、こんなに整った華麗さはない。間もなく3月。湖岸を望む壮瞥公園の梅林にはウソが来て花芽を啄んでいる。このまま暖かくなるとは決して思わないが、この氷はどう形を変えるのか。

734 有珠山ドーム

有珠山伊達漁港からの有珠山。なだらかな外輪の上、最も左が有珠新山(669m)、次がオガリ山(872m)、右が有珠山頂上(733m)で右端少し下がった三角錐が崩壊してしまった旧「どびんの口」。いずれも溶岩ドームと潜在円頂丘。永い眠りから覚めての1663年の大噴火。その後数十年ごとの噴火でこの山容となった。港から9㎞の距離。次の噴火がいつ、何処からかは分からない。

733 薪ストーブの威力

薪ストーブ薪ストーブに火を入れた。薪は昨年伐ったサクランボの太枝。牛肉と玉ネギ、キノコと白菜、トマトの水煮一缶、鉢物の月桂樹とローズマリー、唐辛子を放り込み、ブイヨンキューブと塩で味付け。薪ストーブモードというか、ゆっくり時間が漂う。一時間もすればコトコト煮えて、まったり風味の一品完成。身体と心、部屋も時間も温まる。薪ストーブの底力。かまど猫も健在だ。

732 昭和新山のドームの色

昭和新山ドーム雪が少ない冬だが、2月24日の明け方に湿った雪が降った。地熱のある部分は解けた雪が浸み込んで赤い。デイサイトの溶岩本体に焼かれながら隆起した天然煉瓦の色だ。下の林からドロノキ、ヤマナラシ、ニセアカシア、アキグミがそれぞれのニッチを探して登攀中だ。あと三月もすると若葉の中にそそり立つ赤い溶岩ドームが楽しめる。       (三松正夫記念館付近から撮影)

731 流紋岩の尖頭器

流紋岩の尖頭器近くの採石場跡で陶石に似た岩石を見つけた。手持ちの有田の泉山陶石、天草の陶石と比較しようと思った。流紋岩なのだろうか。地質図では中新世前期〜中期の長流川層に属し、形成年代は900万年前より古いという。古代の石器つくりの要領でたたいてみてが、とても硬いのに驚いた。硬質の磁器割るような音を感じながら尖頭器を作ってみた。

730 雪がない冬

壮瞥公園この山一帯は壮瞥公園として町民に親しまれている。5月、この斜面は新緑の中にエゾヤマザクラが満開となる。向こうの斜面は梅園となっていて、洞爺湖、中島、有珠山、羊蹄山をとり込んだ風景は実に雄大なジオパークの大パノラマとなる。しかしこの2月、雪で覆われているはずの斜面には雪がない。このような冬もあるのだ。今年の梅と桜はわれわれをどう楽しませてくれるのやら。

729 フカバ集落

s-プレゼンテーション1昭和新山に近づくと頂上ドームは見えない。撮影は当時の胆振線の軌道の上。斜面の線で囲まれた岩塊からは、オロフレ、徳瞬瞥の山なみや壮瞥の市街が見渡せる。この岩をフカバ集落説明の目印にしている。トドマツの濃い緑の林や樹冠が点々と見えるが、この範囲が旧フカバ集落と推定される。70年以上たち、コンクリートの旧胆振線の橋脚が残り、民家の礎石が埋もれているだけだ。

728 壮瞥の天文台

壮瞥の天文台壮瞥町を見下ろすこの町の森と木の里センターに天文台がある。管理しているトッシーさんに案内してもらった。吹溜りの雪の駐車場の向こうに有珠山と昭和新山のドームが見える。ぐるりと洞爺湖、中島、そして羊蹄山、遠く駒ケ岳が遠望され、春、梅の花で名を馳せる壮瞥公園もあって、夏の洞爺湖温泉の毎夜の花火が見渡せる。星も月も風景も楽しめる身近で心の和む公園だ。

727 尖頭器を作った

尖頭器を作った尖頭器(矢じり、槍の穂先)を作っている(ブログ724)。ヒトとモノとの究極の接点、いのちを繋ぐ原点だ。ホモ・サピエンスのグレートジャーニー最後の3万年前、我々の祖先はこの石刃技法を持って北海道へと移動してきた。今金町のピリカ遺跡、遠軽町の白滝遺跡を見て驚嘆した。簡素な道具で石刃を瞬時に作り、必要な道具を形成する技術だ。器用に動かぬ指先は傷だらけだ。