883 1049m峰 投稿日時: 2018年3月30日 投稿者: nizaemon 名前の通った山で、頂上はなだらかな林の中という山もあるが、この山は違う。古く開拓に入っていた人が、「そばやま」と教えてくれた。傍山なのか蕎麦山なのか。稜線の無名のコブ山をよく標高で言うが、ならば1049m峰だ。オロフレ山からホロホロ山への稜線近くにあり、我家の前から15km北にあるこの小さな無名峰、私の冬景色のなかでは、いつも主役で気になる山だ。
882 芽生える 投稿日時: 2018年3月27日 投稿者: nizaemon 雪が溶けると水仙の芽がここまで育っていた。一個ずつ独立した球根なのに、誰かに声かけられて一斉に眼が覚めたみたいに。季節を感じるシステム、休眠から成長へと切り替える機構は何なのか。個々を連携するフェロモンなどが存在するとは思えないし。蒔いた種子が一斉に解発されて芽を出すのも同じことなのだろう。私は季節の生き物に従い、季節に引きずられて生きている。
881 噴火に備える 投稿日時: 2018年3月27日 投稿者: nizaemon 3月24日、洞爺湖文化センターで岡田弘北海道大学名誉教授を中心に、有珠山噴火に備えての防災講演会があった。有珠山は律儀な火山で噴火に先立つ予兆の地震が起こる。前兆現象を科学者がキャッチしたら、自治体、住民はそれを共有し、被害を軽減する行動をとるべきだ。しかし自然現象は予知可能ばかりではない。自然との共生とは、我々の対応可能な部分と、かつ結果を受容するという両面を伴う。自然が主役だ。
880 変貌した山頂 投稿日時: 2018年3月21日 投稿者: nizaemon この時期、見上げる有珠山山頂部から、前々回の噴火の跡が見てとれる。中央の椀を伏せたような黒い部分が昔から見慣れた大有珠のドームで、ずいぶん崩れている。その右に少し盛り上がっているのが「どびんの口」といわれた尖塔、「立岩」の痕跡。左下から右中ほどへ外輪が続き、高まった場所が噴火口展望台。左奥が有珠新山の隆起につられて大きく動いた現在の有珠山頂だ。
879 やがて北へ 投稿日時: 2018年3月21日 投稿者: nizaemon 遠山には雪が残るが、オオハクチョウの心はすでに春なのだろう、何処か落ち着かない。あとひと月もすると、体に湧きあがる本能に突き動かされ、30羽、50羽と隊列を組んで北へ向かう。一羽が飛んで来て仲間に加わった。大きな鳥だ。「グイッ、グイッ」と、漕ぎだすボートのオールのような、力のこもった羽音だった。繁殖地はシベリア。3000kmもの北帰行が待っている。
878 Spring ephemeral 投稿日時: 2018年3月21日 投稿者: nizaemon 根雪が溶けかかった時にはもう咲く準備完了のフクジュソウ。庭のリンゴの樹の根本で毎年咲いてくれる。春になったから咲くのではない。季節を先取りしての御目見えだ。厳冬期に目覚め、花芽も茎も硬い氷のなかから夜明けを窺がっていた。明日は黄金色に輝く花冠を満開にして、熱と匂いで虫を誘い、花粉を運ばせる。春の妖精というが、死んだ雪女の忘れ形見なのかも知れない。
877 誘われてカミキリ 投稿日時: 2018年3月17日 投稿者: nizaemon 数日前、陽の当たる工房の天井を何かが飛んだ。次の日に食卓の上の梁で見つけ、愛用の図鑑「札幌の昆虫」でイタヤカミキリと同定した。どうやらストーブの横に積み上げた薪から目覚めたらしい。雪のある裏庭の薪置き場にはまだ戻せない。急遽、腰高シャーレにビオト-プを拵え、砂糖水で濾紙を湿らせて置いたら、うまそうに口を付けた。あと一月、付き合ってみよう。
876 早春の頂 投稿日時: 2018年3月16日 投稿者: nizaemon 青空の下、有珠山山頂(733m)を背景に昭和新山のドーム(368m)がひときわ赤い。土壌を焼きあげ、天然煉瓦を纏いながら成長し、まだ地熱を蓄える岩体はいつもこのように春を迎える。樹々の芽吹きはまだだが、枝先の色はもう十分に柔らかだ。今年はどのようにこの山とつき合って行けるのか。植物、岩石、調べたい場所、写真に残したいことがらが沢山ある。
875 次の自然災害 投稿日時: 2018年3月16日 投稿者: nizaemon 東日本大震災、三陸津波、それに伴う福島第一原子力発電所事故。あれから7年たったが、残された課題は解決されただろうか。あの日の出来事はそのまま過去のこととなり、人々は問題を抱えこみながら生きている。必ずやって来る大災害にどう対応するべきなのか。豊かな自然を享受できる日本は、苛烈な自然現象をも受け止めねばならないが、原発の存在だけは同意できない。
874 氷上のクモ 投稿日時: 2018年3月11日 投稿者: nizaemon 長流川の河原、融けかけたザラメ雪の上をうろつくクモを見た。小振りだが、胴の色や形、脚の運びからアシダカグモを思い浮かべた。でも、ここは北国、それも雪の上だ。この写真を基に調べたらアオグロハシリグモの名が出てきた。北海道にも分布し、水辺にも生活するとなっているが、同定しきれず不明種。クモ類の分類は苦手だ。3月4日は啓蟄だったという。寒さは緩んでいる。