475  汚れた嘴

ソメあやまって窓ガラスにぶつかり脳震盪を起こしたシメを庭木にそっと止まらせ、プロフィールを撮った。しばらくしてシメは飛び去って行ったけれど、どうなったのか。群れに留まれなかったもの、飛び方が不自然なものはタカやカラスの栄養となる。

カバ色の頬に黒い縁取りのグラスとあご髭がキャラクター。極端に大きく頑丈な嘴は使い込まれ、かつ汚れている。したたかに生きてきた証しであり、生への執着の現れだ。生きなければいけない。眼はかたっている。