473  春への眼差し

冷たい風を避けて南斜面を歩き、葉を落とした樹々を訪ねる。陽だまりにはすでに光の春がやって来ている。芽が動くにはもう少し時間が必要だが、やがて来る春を探すにはよい時期だ。ヒツジの顔で知られるオニグルミ、針で武装したハリギリ、タラはまだ芽がかたい。トチは樹液を滲ませて展開を待つ。ニワウルシはサフォーク種のヒツジに見える。クズはナマケモノの顔にもお下げの童女にも見えるのだが、、。