533  ナミドクガ

ナミドクガ当地、北海道南部ではこの春、ドクガ(ナミドクガ)の発生が伝えられていて、自治体などが注意を呼び掛けている。特に毒針(鱗粉)を持っているのが2齢幼虫~終齢幼虫で、この針は繭や成体にも付着するという。当然、チャドクガのように乾燥した脱皮殻にも毒針があるだろう。雨を避けたのか窓ガラスに止まったので写した。下面からの複眼の大きな風貌はなかなかの強面である。

532 天然煉瓦ドーム

新山ドーム幾日ぶりの青空。無いはずの北海道の梅雨もさすがに終わったのか。窓を開けると、たっぷりと長雨を吸い込んだ新山のドームがいつもより赤い。夏の濃い緑に煉瓦の赤い色が良く似合う。 1944-45年の激しい噴火で押し上げられた溶岩ドームは上部の土壌を煉瓦に焼き上げた。800℃前後でこの色になるというから、生長中のドームの溶岩本体の温度はさらに高温だったのだろう。

531  浮かぶ砦

昭和新山三松正夫の「昭和新山生成日記」昭和20年(1945年)9月20日に、「屋根山、溶岩塔を測定器にて観測したところ変化なく、常時あった崖崩れも地震も感じない」「長流川への押し出しもピタリと止まって、拠って活動は停止状態になったと判断」とある。新山誕生70周年。正夫が夢見た「自然のままを後世に伝える」思いはジオパークとなり、雨雲の上のドーム頂上は正夫の砦に見える。

530  サクランボ狂想曲

サクランボパイサクランボの花が一輪咲いたのが5月の初め。7月にはたわわに熟したその実が長雨ですべてヤラレて、家族も仲間もみな落胆した。傷んだのを雨の中で収穫し、種子を取りコンポートにしておいた。クレームダマンドを作りパイを焼く。サクランボの軽い酸味と薄い表皮の食感が生きていて、アーモンドの香りと相性がいい。パイを頬張りながら、色々あったこの三ヶ月を振り返る。

529  つわものたち

オンタデ?有珠山の山頂近く、1977-78噴火の銀沼火口へ降りた。時折水も溜まるが、今は乾季でこの通り。地面のひび割れの中から伸びるのはオンタデか。近隣にはイタドリ(オオイタドリではなく)、スギナ、ヨシなど。こんなところに好き好んで、とはいうものの、いずれここを草原や林地に作りかえてゆく強かな開拓者たちなのだ。この夏、日照りが続くとすべて枯れてしまう覚束なさもはねのけて、今は生きることに精を出す。

528  装飾花を装飾につかう

イワガラミイワガラミの花が咲いている。ほぼ同じころに咲いて、遠目にはツルアジサイと同じに見えるが、中心部の細かな花序の両性花を取囲む白い装飾花の数が一枚ずつで清楚な感じがする。ツルアジサイは別の属でアジサイの仲間。両種ともつる性で、岩や木に取り付いて這い上がる。アジサイもガーデニングによく使われるが、石造りの建造物の多いヨーロッパでは外壁の装飾用にこの両種が使われることがある。

527  オニノヤガラ

オニノヤガラ遠景にニセコアンヌプリを望む倶知安町の尻別川、富士見橋北詰の土手にオニノヤガラを同行のジオパーク友の会の仲間が見つけた。クロロフィルも葉も持たず従って光合成をおこなわず、ナラタケ菌と共生する。派手な花弁や色を持たないがラン科。花はデンドロビウム・ファレノプシスつまりデンファレの蕾に似ている。同様な生活をするツチアケビにもたまにお目にかかる。ともに漢方で有名な植物だという。

526  目を丸くして

アオダイショウ小どもたちの目の前、イボタの生け垣から顔を出したアオダイショウの子。小学校二年生の女の子が見つけて、もっと小さな子供たちが集まった。双方とも初見参でどちらも丸い眼でにらめっこ。かわいい野生といい出会いができて良かったね。初夏の庭は賑やかだ。

525  何の合図か

マタタビの葉

花が持つ色、香り、形、反射能などはすべて昆虫や動物たちへの問いかけだ。でもこのマタタビの葉の色はどうなのか。遥か遠くからでも良くわかる白く輝く葉のサインの意味は何なんだろう。葉も参加しての昆虫誘因作戦か。木の下闇を背景にヒラヒラと風でよく動く。山奥のミヤママタタビの葉はさらにピンク色がかっている。

 

524  金星と木星

金星と木星7月3日、午後8時。洞爺湖の残照の空に二つの惑星を見つけた。宵の明星とすぐ右の木星。7月1日に大接近と聞いていたが、うっかりしていて今日の確認となった。地球より内側の軌道で反射能の大きな金星と太陽系最大の木星のイベントだ。3日の金星は-4.4等、木星は-1.8等だという。わが地球からの見かけだけの接近なのだが、今日もひときわ目につく。知っていても眼を向けなければ存在しないものってありますね。