593 春を待つ顔 投稿日時: 2016年1月12日 投稿者: nizaemon 吹きさらしの斜面でこんな顔を見つけた。お下げ髪にも角髪(みずら)にも見える。今様にはニットのウオッチャーキャップかも。これはクズの葉痕。秋、葉を落とした痕は種によって異なるが、いくつかの種では水分や養分を運んだ維管束の跡が目にも鼻にも見えて、目にするとどこか心が緩む。顔の上の春を待つ芽はまだ硬い。下の横木はオニグルミ。ヒツジの顔が見えますか。
592 救荒食・エネルギーの循環 投稿日時: 2016年1月10日 投稿者: nizaemon 暮れに長流川に遡上して産卵後、息絶えたホッチャレ鮭。浅瀬に流れ寄った骸は厳しい冬を過ごすカモメやカラスたちの貴重な食料だ。この川で孵化したサケは海へ下り、5~6年で成熟し、また海から川へと遡る。エネルギーはこうやって移動し、陸上の生き物たちによって消費され、大地へと還元される。昨日この川でオジロワシ、オオワシを13羽数えた。キタキツネも姿を見せる。
591 偉丈夫、昭和新山 投稿日時: 2016年1月10日 投稿者: nizaemon 2016年1月の昭和新山南面。この方向からの溶岩ドームもなかなかの迫力。右側に落ち込んだあたりがグレン谷で山巓までの比高は100mほどだ。左上に延びる稜線の先は有珠山外輪。この山も見る方角によって姿が変わるし、それぞれに味がある。
590 ホザキヤドリギ 投稿日時: 2016年1月8日 投稿者: nizaemon 幾度かブログで取り上げたが(ブログ465、507、561、566)、今年も見事な金色の房を下げている。この植物と出会って一年たちました。この地方の情報は入ってこない。下北、恵山、室蘭など渡り鳥のルートと関連ある情報でも入手できないかと都合の良いことを考えたりしている。右下に見える常緑のアカミノヤドリギもまだ実を付けている。雪が少ない冬で野鳥の動きが違うのか。
589 水の正体 投稿日時: 2015年12月31日 投稿者: nizaemon 長流川(おさるがわ)も凍り付いていて、流水の川面が凍り、融けて滴がまた凍り、こんな形に相成った。液体が固体に、翌日少し融け、溶解しきらぬうちにまた氷結。寒風に曝されて昇華し結露し、一夜が明けると、いよいよ硬く磨かれて、屈折と反射でこんな色。水を素材に時間と低温が仕上げた到達点はこの形
588 氷雨の世界 投稿日時: 2015年12月28日 投稿者: nizaemon 冷たい風が小雨を運んで来て、切り忘れたバラの枝に水滴を作る。魚眼レンズの水滴は一つずつ逆さまの世界を閉じ込める。葉を落としたサクランボとリンゴが映っている。 蘇芳色のバラの枝には血の色をした固い蕾が。やがて雨は雪となり、半年後の緑の季節を待つ。
587 山の端の月 投稿日時: 2015年12月27日 投稿者: nizaemon 尾根筋の林はすでに葉を落としていて、そこに満月が落ちてゆく。闇に留まっているようにも見えるが、林の中にするりと落ち込む。時が過ぎるのは早いのか月が遅いのか。 2015年12月26日午前6時25分。もう朝の時間なのに、まだ夜は明けない。
586 洒落者・カササギ 投稿日時: 2015年12月14日 投稿者: nizaemon 満州北部、老爺嶺・ハンダオヘーズ(横道河子)付近の豊かな自然描写で知られる作家バイコフ(1872-1958)に「こそ泥のココ」というカササギの話がある。「何ともすばらしい才能を持った鳥でココのことを詳しく書いたら一冊の本になるだろう」とある。道南にも繁殖の情報も有り、いつかはと思っていたが室蘭祝津の市街地でやっと出会えた。
585 昭和新山プロミネンス 投稿日時: 2015年12月12日 投稿者: nizaemon 史上最強のエルニーニョの影響で南風が強く、南からやってきた低気圧は温暖前線を引き連れてきた。12月12日、16時、気温は10℃。寒暖計を見ていたら、向こうの昭和新山の水蒸気が一瞬、夕映えで紅く染まった。怒髪、天を衝く、まではいかないが、いかにも元気なドームを演出してくれた。なんとあたたかな冬隣り。しばし見とれていたが、色は数分で褪せてゆく。
584 マツの実 投稿日時: 2015年12月8日 投稿者: nizaemon この時期に足を運ぶのは一本のチョウセンゴヨウ。前の冬、ひと月遅れで手にした芝生の上の松毬はぼろぼろに千切られ、実はなくなっていた。今年のを手に取り鱗片を開いてみると、種子が目玉のように二つずつ並んで見える。固い殻を割り小さなナッツを口にする。隠れた楽しみ、季節の贅沢というものだ。それにしても前のシーズン、私が見つける前に食べたのは誰?