833  賑やかな朝

ハシボソガラス昨夜、カツオ節の出汁殻を一つまみ撒いておいた。陽が高くなって窓の下、ここを縄張りにしているハシボソガラスが遊んだ跡がある。つがいになって10年位の雄雌と、この春生まれて雄親より大きくなった息子の3羽だ。甘えん坊の末っ子は父親から叱られながらも、朝だけやって来て何とか居続けている。これで、ここをうろついているぶちの猫が加わればもっと面白いのだが。

832 野生のいのち

マダニワナ猟で捕獲したエゾシカの解体をする人から、朝捕りの3歳のシカのまだ温かい前脚1本を頂いてきた。黒曜石や珪質頁岩が刃物としてどのように役立つかを確かめるためだ。仲間と協力して皮を剥ぎ、皮から肉や脂肪を取り去った。石器は非常に有効だった。仕事が進んだ時、毛皮からマダニが出てきた。気が付くと大小数十匹、いやもっといたかも知れない。野生とはこういうものだ。

831 グリーンタフ

グリーンタフ長流川上流の徳舜瞥川との合流点から見た下流方向。右岸に久保内発電所への用水の取り入れ口がある。その裏手、写真中央から右手の崖は薄緑がかっていて、地質図に照合すると北湯沢地域を含め、2㎞上流までグリ-ンタフとなっている。中新世(2300万~500万年前)の海底火山の噴出物だ。地質図には、接して黒色頁岩層も表記されている。ぜひ手に取って確認して見たいものだ。

830 時の形

洞爺湖洞爺湖ととなった巨大カルデラは10万年前の出来事。中島は5万年前の噴火の姿であり、向うの有珠山は2万年前に誕生し現在はこの形。ここは洞爺湖美術館。何ともいい形に刈り込まれた樹がある。ビャクシンだろうか。湖の周囲には有珠山の2000年噴火復興を祈念した58基の彫刻が置かれているが、負けないくらいの造形だ。美術館では洞爺湖ビエンナーレの作品展が開催されていた。

829 ヘーゼルナッツ収穫

ヘーゼルナッツ今年のヘーゼルナッツ(セイヨウハシバミ)の収穫が終わった。苗木を植えて10年位経ったか。収穫は2年目。左は大粒のフィルバート種で右は小粒のコモンヘーゼル。日本在来のツノハシバミ、ハシバミなどがあり、先史時代から食べられてきた。生食できるのが強みだ。180℃、10分ローストするとなお香ばしい。ドングリ類とは異なりカバノキ科。来春の雄花がもう垂れさがっている。

828 いつもの冬

有珠山の雪有珠山に雪が来た。夏には緑に包まれる。こうやってこの山は2万年を過ごしてきた。3万年ほど前にシベリアからやってきた後期旧石器時代のホモ・サピエンスたちは、遠く近くにこの山を見ていただろう。1万数千年以前は氷河時代で、その後縄文時代を経て、その末裔の私自身はあと何回緑の季節に出会えるか。この山は火山としてはまだ若い山だ。噴火しながらこの山はまだ続く。

827 時代の風景

カムイチャシ豊浦町礼文華の岬にあるカムイチャシ。アイヌの人々の祀りの場であった。1万数千年年前の氷河期には噴火湾全域は陸地だった。向うに見える有珠山は若い火山だったろう。氷河期が終わり、縄文海進期(6,500年前-6,000年前)の温暖な時代の海水面は5mほど上昇していたという。この海にハマグリが生息していた時代、今の東北地方の植生がここにあった頃の風景を想像してみる。

826 雪リンゴ・フジ

雪リンゴ・フジ我家で一番の古木、といっても30年くらいなのだが、品種はフジ。その実は硬く日持ちし、美味しさも上々。晩生で少しくらいの霜や雪にもまったく平気で、試練の中で充実し、いわゆる「蜜リンゴ」となる。今日、11月16日、気温は2℃。ゆっくりとボタン雪が降り積もり、リンゴはさらに赤く色づいた。いよいよ収穫の時期だ。この冬、大鍋でジャムを作り、残りは春まで食い繋ぐ。

825 山椒は小粒でも

山椒北限のサンショウ(ブログ823)、採って1週間干したら、爆ぜてこの通り。赤い皮一片を口に含むと、ヒリリと心地よいシビレが来た。日本の五味の中にはこの味の表現は含まれない。中華では「麻」となり「辛」と分けて考える。中華料理の「麻辣」は、辛さの伝統のあまりない日本では何と表現すればよいのか。日本のワサビが苦手な外国人も多いが、文化とはそういうものだ。

824 ハクチョウが帰ってきた

ハクチョウ11月11日。伊達市上長和町、道央自動車道の長い橋梁の下の刈田にハクチョウを見つけた。遠目でオオハクチョウが見えた。コハクチョウは?灰色の亜成鳥も含め50羽。シベリアから帰ってきたこのグループ、何処に落ちくのやら。例年の通り、長流川の河口を塒にするのだろうか。今年はどんな冬鳥に出会えるのか。オジロワシ、オオワシはどのくらいか。マガンの群れに出会えるか。