982 新雪有珠山

新雪有珠山新雪を得て午後の陽に映え、上長和の集落の上に鎮座する有珠山山頂。1977年、2000年噴火を経て山の形、住む人の世代は変わったが、当たり前にまた噴火するだろう。今年も余すところあと3日。この冬は、また来年はどうなのだろうか。平穏なこれからであってほしいが、山は答えてくれない。夏の緑に覆われた有珠山は優しく魅力的だが、新雪に輝くこの頂は崇高にさえ見える。

981 光るいのち

ニシンのうろこはるかむこうの銀河の光芒だろうか。これはニシンの鱗。すべての色を吸収しかつ反射し、私の指先で陽を照り返えす。近くの港に揚がり、俎板に残った直径10mm、数十枚の生臭い鱗だ。燦然と輝くミクロの虹の色。地の闇に輝くオパールにも似るがこれは命。人知れず、自らに発するいのちの輝き。無辺の海の暗闇にさんざめく燐光。美の神は細部に宿りたまひぬ。

980 ハナマメのマリネ

マナマメのマリネ我が町壮瞥では果ものの外に、美味しい豆類も作られる。代表はシロハナマメ。薄く甘くしてゆっくりと煮上げると3㎝以上に膨らむ。豆一粒で一口大。たっぷりとしたふくよかな大地の恵み。パプリカ、エリンギ、セロリ、インゲンとともに、穀物酢、白ワイン、砂糖、塩、スパイスにハーブ類を一煮立ちさせて冷やしたマリネ液に漬け込む。サラダの友、肉の付け合わせにぴったりだ。

979 ニシンの酢漬け

ニシンの酢漬けいいニシンを見つけ躊躇せず買った。一尾0,5kg、体長40㎝の立派な男振り。輝く鱗が残っている。機会を逃さず塩で締め、酢、塩、砂糖、玉ねぎ、人参、スパイス、ハーブで酢漬けにした。参考の北欧レシピでは young herring だが、この際たっぷりと戴こうではないか。白子は濃い味の醤油煮とし酒の肴に。写真の2匹はフィレにしてしっかり冷凍、二日後には刺身となる。旨いぞ。

978 地球岬灯台

地球岬灯台灯台を見下ろす展望台に立った。雪雲の合間から陽がもれたが氷点下の気温。黒く沈む海面はいかにも冬の色だ。アイヌ語のチケウは断崖のこと。岩壁は水冷破砕溶岩で、灯台を見下ろす平たん部は海底火山の山頂部との解説を聞いたことがあり納得した。ガラス越しに背丈ほどもあるフレネルレンズが見える。灯火高は海面から131m、毎30秒に2閃光、光の到達距離は52kmという。

977 東からの大風

風倒木「ここ四、五十年、こんな事は無かった。だからこの林があった」と壮瞥の古老は言う。三年前に手前がやられ、翌年も東からの強風が吹き、今年もそうだった。見事だったスギとトドマツの混交林は残念ながら見るかげない。林縁にはそで群落もマント群落もあった。いずれも渡島半島を通過した台風や低気圧のなせる業なのだが、気候のシステムそのものが変わってきたのだろうか。

976 冬のヒマワリ

冬のヒマワリ10月30日のブログ959、野鳥の餌台のペットボトルに芽を吹いたヒマワリ。小さな芽を室内の鉢に移し換えて置いたら50㎝程に成長し、気が付いたら花も咲いている。発芽の頃はまだリンゴの葉も芝生も緑だった。今は雪に覆われこの一週間は氷点下。キク科ヘリアンサス属の耐寒性宿根草らしい。ここまで育てた以上、春には花壇に植えねばなるまい。小さな命を預かってしまった。

975 狐岬(北風岬)

狐岬(北風岬)壮瞥滝落ち口から北東に1km、小さな入り江の先にある岬を北風岬と呼んでいた。洞爺湖を渡る冬の北西風がぶつかり、凍てついた「しぶき氷」が見られるからだ。先端は断崖で、溶結凝灰岩の節理が見られる。十数年前、ここにあったキャンプ場の管理をしていた方に「狐岬」と教わり、手持ちの地形図に記入しておいたのを見つけた。この狐岬を回る道が湖畔周回道路だったという。

974 カルデラ壁の岩盤

カルデラ壁の岩盤冬になると例年通り洞爺湖の水位が下がる。壮瞥滝へ導水路から東湖畔方向、広くなった砂利を踏んで先へ進むと、水際だった岸辺のヨシの先、沈んでいた畳一枚、厚さ50㎝もの岩盤が露出していた。洞爺湖カルデラ以前の地層、つまり11万年以前にどこか近い所にあった火山からの火砕流堆積物が溶結したものだという。この岩盤から先は水深50m辺りまで急に深く落ち込んでいる。

973 昭和新山北面

昭和新山北面最近のブログ967で西面、971東面、972南面と続いたので、973では北側からの画像を載せる。平明に言えば豚肉の角切りが乗った中華饅頭のような形だが、見る場所によってその頂の風貌は異なる。さほど大きくはない山だが懐は深く、火山として、また70数年を経っての植生の回復や防災教育などで地域の人々にはなじみ深い。年数回の学習登山会以外は公開されてない。