632 緑の縄文

多摩市縄文中期竪穴住居ここは多摩市、東京都立埋蔵文化調査センター。多摩ニュータウン建設時の遺跡群を調査した拠点だ。3000haに1000個所の遺跡が点在しているという。都市の間に残された照葉樹のシラカシ、落葉樹のコナラなどの混交林に縄文中期の再現竪穴住居がある。中に敷石があるのが特徴だ。なんと緑の濃いことよ。一週間ほど前、まだ緑には早い北海道南部の北黄金で同時代の竪穴住居を見たばかりだ。考えさせられる。

631 頂きに立つ人

昭和新山学習登山会天然煉瓦の昭和新山ドームの頂上に人影が見える。二十名位か。画面中央の亀岩の蒸気のあたりに数名、頂上へのルートにも二十名ほど。春の雨を吸ってドームはまさしく煉瓦色。下の屋根山の林の緑ももう少しだろう。恒例の春の学習登山会だが、私は皆のペースについてはゆけず、とうとう自宅の窓越しに写真を撮る側に回ってしまった。300mmの望遠レンズを使って撮影した。

630 雪の下の緑

秋播き小麦秋蒔きの小麦が半年近く雪の下で過ごしてこんな若緑に。樹の芽はまだ硬く、昭和新山の屋根山を覆うドロノキの白い枝もまだまだの感じだ。それなのにこの緑。ただ眠っていたわけではない。寒風には晒されはしないが、カビやバクテリヤと戦い、根を広げ葉を伸ばし、頑張り抜いての緑だ。この地方の言い伝えでは、向こうの山有珠山の雪がなくなると何を蒔いてもよいという。

629 熊本地震

熊本地震14日の熊本県益城町でのⅯ6.5が本震と思われたが、16日深夜のⅯ7,3が本震と発表され、震源域は知られていた活断層にそって北東と南西に震源域を広げている。余震は今後も続くという。たくさんの人たちが被災され、避難所での生活を余儀なくされている。ニュースが新しくなるたび被害が広がっている。噴火のある有珠山の近くにいるので避難所暮らしはよそ事ではなく、身につまされる。

628 昭和新山学習登山会

昭和新山学習登山会前日までの悪天は夜明けと共に収まり、4月16日、恒例の学習登山会が行われた。スケジュールに従ってまずは身体のストレッチ。九州熊本での地震被害に心を繋げながら、大地のエネルギーを考える。阿蘇山はジオパーク仲間として南北に離れてはいるが身近な存在だ。南阿蘇村は阿蘇山外輪の内側にある。熊本、阿蘇、大分、収まらない強い地震と被災された人たちが心配だ。

627 地球岬・ポロチケウ

地球岬ポロチケウ(poro-cikep 大きい断崖)の上の展望台から150m下の海岸を見る。春に海はのたりと穏やかで、青く明るい空が映っている。岩礁には濃褐色の海藻が繁茂している。コンブ、ワカメ、マツボ、フノリ、美味しい海の幸だ。海の植物にとっては冬が成長期。海水温、気温が上昇して海藻が流れ藻になるあたり、入れ替わって断崖に纏わる樹々や草の芽が若葉となる。

625 長流川

長流川やっと根雪も解けて、向こうに有珠山。芽吹きももう少し、静寂極まりない。河床は洞爺湖火砕流のずっと以前の火山噴出物だ。溶結していない軽石堆積物なので水流に抉られ澪となる。出水などの強い流れが転石を移動させ、深くえぐるのはたやすいことだ。水面上の平坦部分も滲みこんだ水が凍てついて解され、一冬に3㎝の深さの砂地となる。単純計算では10年で30㎝だ

623 キウス周堤墓群

キウス周堤墓群植生が繁茂する前、雪が底部に残っているのを見込んで千歳市のキウス遺跡へ出かけた。見事な現存の周堤墓で存在感がある。アイヌ時代のチャシと考えられていたが樽前山の約2500年前のテフラ(Ta‐c)に覆われているので縄文後期の集団墓群と位置付けられた。写真は1号周堤墓で径75m、中央部に盛り上がりがあり、隣接して7個が存在している。

622 お手を拝借

クマよけの拍手室蘭キノコの会主催の「クマと安全に付き合う」勉強会が開かれた。山菜シーズンを前に予想以上に多くの参加者があった。講師はヒグマの研究歴が長い前田菜穂子さん。ヒグマの生息域内で突然、近距離で出会わないように、音を出して人の入山を察知させるのも一つの方法と教わった。呼子もよい、鈴もよい。しかし手を叩くなら道具も必要ない。互いに距離を保つ良い方法だ。手軽に「パン!パン!も一つパン!」。

621 ハリギリの短枝

ハリギリの短枝昭和新山のゲートから少し登ったところでハリギリのあずき色の芽を見つけた。芽は10層くらいの数を読める典型的な短枝の先端についている。面白いのは短枝の基部から水平両方向に延びる根状の10㎝位の隆起線。まるで幹に巻き付いているようだ。同行の植物に詳しい仲間も初めてだという。幹の下部から上までおよそすべての短枝がこうだ。短枝の基部が10年分位の幹の肥大に伴って延展していったのだろうか。