大地は薄雪、薄氷で覆われ、雪雲も製糖工場の吐きだす蒸気も強い北西の風で吹き流されている。白い蒸気はビート(甜菜)から砂糖を蒸留する冬にだけ働く工場。毎年の冬景色だ。前身は紋鼈製糖所で現在日本一の生産量だという。白い人参のような根は1個600〜1200gに肥大し、14〜20%程度のショ糖を蓄えるから150g、コーヒー茶碗山盛りいっぱいの蔗糖が採れる計算となる。
「植物」カテゴリーアーカイブ
711 飯鮨(いずし)の材料
710 長流川下流
706 家主は誰
705 1663年Us-bテフラ
703 麻辣(マーラー)の麻
702 黄金の晩秋
700 海の嵐
699 いつもの風景だが
室蘭市母恋から地球岬へのいつもの道、当たり前の赤い石垣の風景だと思いながら鮮やかな色につられてカメラを向けた。私はこの金茶色の植物を菌類か地衣類と考え、図鑑類を当たってみたが納得できず、ネットで検索をした。苦労しながら辿り着いたのが、なんと母恋の石垣の写真と解説が載ったページだった。石材の吸湿性と母恋の微環境が作りだした特異的な風景だ。(161027撮影)
さっそく研究者の鈴木氏に連絡を取り許可をいただき、引用させてもらうことにした。詳細な解説と見事な群落の写真が載っている。この植物は藻類のスミレモ属の一種 Trentepohlia sp. で、鈴木氏はチャラツナイの浜にあった北大の旧海藻研究所への道すがら、この辺りのオレンジ色に染め上げる風景が見事で興味を持って観察していたという。
引用 http://natural-history.main.jp/Tree_of_life/Eukaryote/Plantae/Ulvophyceae/Trentepohlia_sp/Trentepohlia_sp.html