849 ロードキル

ロードキル市街地から山への道筋、血液の流れた跡があって引き返した。ここは伊達市西関内町。エゾシカが車と衝突したようだ。引きずられた血液と角の跡が生々しい。可愛そうに、シカは助からなかっただろう。運転者にとっても危険なことだ。シカが増えて市街地までやって来ることが多くなった。野生と人社会との関係が変化してきた。運転者にも農家にも、もちろんシカにも困ったことだ。

847 北の燻製

北国の燻製北海道産の食材(ウインナー以外)をスモーキング。電熱ヒータの助けをかり、サクラ材チップで2時間半燻製。気温は4℃。庫内の温度は60℃位が適温だが72℃まで上がり、プロセスチーズは少し垂れたが、格別の美味。魚は一夜干しをオーブンで110℃30分予備加熱。ナメタガレイは一級品の味。ソウハチガレイも美味しい。乾したスケトウダラは塩味が薄いうえスカスカの食味。

846 シカ皮をシカ革へ

エゾシカ皮ブログ832の皮を洗浄脱脂し、塩漬けにしたのを水で戻して続きの作業。皮についた結合組織を割りっぱなしの黒曜石ナイフで切り取る。この時点での掻器=スクレイパー(右手前2個)の出番はなかった。シカ皮提供のK氏、石器大好き人のG氏の4本の手はそのまま縄文・旧石器人の手となった。この後、ミョウバン・食塩液に10日ほど漬けこみ、蛋白質を変性させ腐敗しにくくする。

841 エゾシカの燻製

エゾシカ燻製ワナ猟で捕獲されたシカ肉を、玉葱、唐辛子、天日塩、黒砂糖、スパイスで作ったソミュール液に漬けこみ、塩抜きをして風乾した。野生動物の肉は衛生上加熱しなければならないが、時は冬、熱燻は面倒なのでオーブンで110℃1時間加熱し、その後65℃で2時間半、サクラのチップで温燻。良い色に仕上がった。旨いぞ、純地元のジビエ。大地の味、吹く風の匂いがする。ジンが進む。

 

837 末っ子のプロフィール

ハシボソガラス10年来、我が家をテリトリーとしているつがいのハシボソガラスに今年3匹子ができて、そのばっちっこ(末っ子)がこの子。遅れて孵化し、上の子が巣立っても親に餌をせがんでいたが、秋になってひょっこりやってきた。父親は追いだそうとするが母親は甘い。本人は三人家族だと思っている。父親より一回り大きい雄となった。まどろんで白い瞬膜が下りた瞬間。名前はまだない。

835 ホザキヤドリギ

ホザキヤドリギ

数年前から観察しているニレの大木のホザキヤドリギとアカミノヤドリギ。今年もそれぞれが10株くらい寄生していて、黄色と赤色の実を付けた。ヤドリギは赤か黄色の実を付け常緑なのだが、ホザキヤドリギは良く目立つ房状の黄色い実を付け、落葉性だ。この種の北海道での分布はここ以外あまり聞かないが、本州ではよく知られている。

樹にはヒヨドリが来ていたが、冬鳥の「渡り」のコースに関連しているのかもしれない。糞中の未消化の粘性を持つ種子が枝にまとわりついて発芽する。(ブログ561、465、507、566、590、718)

ヤドリギは万葉の時代から「寄生・ほよ」の名で知られ、 大伴家持の歌が残っている。 -あしひきの 山の木末(こぬれ)の 寄生( ほよ)取りて 挿頭(かざ)しつら  くは 千年(ちとせ) 寿(ほ)くとぞ-

834 厚着の冬子

シロヒトリこのところ氷点下の朝が続いている芝生の端に、ゆっくりと動く毛虫を見つけた。シロヒトリの終令幼虫らしい。落ち葉の下で冬眠し、寒さをじっとこらえて翌年羽化し、真っ白なドレスを纏い、ふくよかな腹に黒と紅色の斑紋を持ったガに変身する。脂粉に蛾眉のろうたけた厚化粧は、そのまま生命の力強さだ。灯りだけではなく、焚火にも飛び込んで身を焼く。その名も「白火取蛾」。

833  賑やかな朝

ハシボソガラス昨夜、カツオ節の出汁殻を一つまみ撒いておいた。陽が高くなって窓の下、ここを縄張りにしているハシボソガラスが遊んだ跡がある。つがいになって10年位の雄雌と、この春生まれて雄親より大きくなった息子の3羽だ。甘えん坊の末っ子は父親から叱られながらも、朝だけやって来て何とか居続けている。これで、ここをうろついているぶちの猫が加わればもっと面白いのだが。

832 野生のいのち

マダニワナ猟で捕獲したエゾシカの解体をする人から、朝捕りの3歳のシカのまだ温かい前脚1本を頂いてきた。黒曜石や珪質頁岩が刃物としてどのように役立つかを確かめるためだ。仲間と協力して皮を剥ぎ、皮から肉や脂肪を取り去った。石器は非常に有効だった。仕事が進んだ時、毛皮からマダニが出てきた。気が付くと大小数十匹、いやもっといたかも知れない。野生とはこういうものだ。

828 いつもの冬

有珠山の雪有珠山に雪が来た。夏には緑に包まれる。こうやってこの山は2万年を過ごしてきた。3万年ほど前にシベリアからやってきた後期旧石器時代のホモ・サピエンスたちは、遠く近くにこの山を見ていただろう。1万数千年以前は氷河時代で、その後縄文時代を経て、その末裔の私自身はあと何回緑の季節に出会えるか。この山は火山としてはまだ若い山だ。噴火しながらこの山はまだ続く。