353 旨いもの 投稿日時: 2014年4月14日 投稿者: nizaemon 金沢に来ている。金沢漁港の「いきいき魚市」でシロガイとホタテを見つけた。ひときわなつかしく美味そうだった。市民の台所といわれる近江町市場でも毛ガニとともに名脇役だ。藩政時代から300年近く続くこの日本有数の市場で、ここの鮮魚や金沢野菜、名物総菜と肩を並べて、引けを取らぬ北海の味だ。すべてバターにあう、ガーリックにもオリーブオイルにも。パスタにいいぞ。
346 復活の日 投稿日時: 2014年3月24日 投稿者: nizaemon この冬は大荒れの日は無かったものの-23℃を経験した。春の日が一段と強く感じられる今日、庭の敷石の溶け残った氷の上にオツネントンボを見つけた。暮れの木枯らしが吹く前にここでたくさん見かけたがその片割れなのか、翅もいたまずゆっくりと身体を動かしている。自然はあるときは膨大な数の命を一瞬に奪うが、小さな命の堅守もする。この確固たる復活を見よ。今年もまた無数のいのちがここから再生する。
345 いつものキレンジャク 投稿日時: 2014年3月23日 投稿者: nizaemon 毎年この時期、伊達の街にキレンジャクの群れを見る。私の住む山間の盆地とは異なり、ここは開けた平坦な市街地だ。写真の群れは30羽くらい。シメより大きくムクドリともまた違う。はじめてこの一群を見た時、インコかと思った。ヒレンジャクもやって来るが「黄」が圧倒的に多い。連尺(連雀)とは背負子のことで、そのような商人の群れ、言うなれば「群れなす渡り鳥」と繋がった名称らしい。三鷹市下連雀に知人がいる。
344 至高のニシン、もう少し 投稿日時: 2014年3月19日 投稿者: nizaemon 会津のニシン鉢で漬け込んで一ヶ月、取り出して成形し貯蔵瓶に漬けこみなおした(ブログ329)。ホールのブラックペパー、ベイリーフ、高濃度の天日塩水を満たした。あと数カ月もすれば練れた味になるか。半身分取り出して薄皮をむきとり、そぎ切りにしてミルクの中で強い塩気を抜く。4時間程して試食した。塩味はちょうどだが旨味が少ない。いまいちとろける旨みのカタクチイワシ(アンチョビー)には及ばないようだ。円熟には「時」が必要だ。
339 冬のロボット 投稿日時: 2014年3月7日 投稿者: nizaemon 洞爺湖畔の雪を被った舟形ロボット。冬は観光客も少なく、観光船も巡視船も職漁船も陸上で待機中だ。有珠湾から一つ尾根を越えてくる通いのセグロカモメは元気に活動中だが、生きものの姿はそれくらいだ。日も長くなり春近しと気を緩めた途端に積雪を見る。日本海からの雪雲は洞爺湖界隈まで雪を降らせ、この二日で40cmは積もった。
337 海の白鳥 投稿日時: 2014年2月26日 投稿者: nizaemon 伊達の明るい海でオオハクチョウの群れを見つけた。まだ翅の色が茶色い幼鳥も混じったこの鳥たちは有珠湾に集まって暮らしている。伊達市の観光情報のHPには有珠湾(有、スワン)とあった。あとふた月もするとシベリヤへの北帰行が始まる。私はその頃リンゴの木の剪定の脚立の上から白鳥を見送る。広い海に浮かぶ白鳥からは生活者の感じを受ける。向うに見えるパステル画の様な岬は室蘭エトモ岬。
330 ムール貝 投稿日時: 2014年2月18日 投稿者: nizaemon ホタテガイを養殖する浮玉に付着したムラサキイガイ。噴火湾のホタテ養殖の副産物だが誰も手を出さない。出汁もよく出るし身の美味しさも格段なのだが。ヨーロッパの海岸地方では人気者だ。市場原理では収穫量と手ごろな大きさと手間の安直さ、あと押しをする食の文化が必要だ。ムール貝の流通量はまだ低い。この種が日本にやって来たのは7、80年前だという。在来種ムラサキインコを駆逐しながら増えている。
329 旬のニシンで 投稿日時: 2014年2月17日 投稿者: nizaemon 新鮮この上無いニシンを12尾買ってきた。開いて塩をまぶし重石をかって締めたのをローレル、ブラックペパーと会津本郷窯のニシン鉢に漬ける。天日塩をたっぷり振り水を足して過飽和の食塩水に浸しこむ。ひと月もしないで完成。牛乳に漬けて塩抜きし、生でも酢でもお好み次第。一年も漬けるとアンチョビーと同じくとろりと口に溶ける逸品となる。パスタのベース、茹でたジャガイモのトッピングにしても口福の極み。
321 色とりどり 投稿日時: 2014年1月22日 投稿者: nizaemon 小学校の校庭、1クラス。お手玉30個位ぶちまけたような賑やかさ。というと、これはおかあさんの感覚の集大成ということになる。先生の色彩との対比が面白い。それぞれの個体が別個な独立した色調で、このような集団は動物学的にはあり得ない。チラチラと動き回るこの彩色された子供たちは、羽のある妖精のように見えた。シシリー・メアリー・バーカーの[花の妖精]みたいな。
319 蒼い夜に 投稿日時: 2014年1月19日 投稿者: nizaemon 近くの田んぼの雪の中にキタキツネの足跡が続いている。早朝、6時には雪が降っていた。その時は-15℃であった。市街地からまっすぐに畑に入り、畦道に上がって向うの林に帰っていったのだろう。 茂吉の句に「けだものは食うもの恋いて啼きいたり何というやさしさぞこれは」とある。月齢17.7日のレモンの形の冷たい月の下、今朝のキツネは啼かず考えず背を照らされて、弛まず歩みを続けたことだろう。 昨日も今日も腹が満たされたとは思えない。これはいつものことだが、音のせぬ間の蒼い世界のおはなしだ。