市販の塩タラコは実に不味い。魚卵の味がしないどころか、濃い漬け汁の味と舌の奥にいつまでも残る化学調味料の奇妙な味。“調味液”でなく「塩」のみで味付けしたタラコを函館で見つけ食べたが、これは旨かった。見習って、二腹200円で新鮮なタラコを買い、たっぷりの天日塩で締める。1.5㎏の重石、途中2度ペーパータオルを換え、冷蔵庫で約1週間。実に旨い塩タラコが誕生した。素材の持ち味を貶めてはいけない。
「動物」カテゴリーアーカイブ
582 牧場のカモメ
580 鈍色の風景
572 カケスの季節
568 小幌洞窟、海鳴りの祠
11月1日、ジオパーク友の会では小幌駅存続応援企画として26名参加の小幌洞窟探索会を行った。洞窟は標高50mの小幌駅から800m小道をたどった海岸にある。駅直下の文太郎浜へも足を延ばし、帰路の列車を待つ間の大発生の雪虫の中、小幌駅の由来も学び、晩秋の軟らかな日和の中、たっぷりと時間をかけて小幌の自然と歴史を楽しんだ。礼文駅11:27→小幌駅11:35(230円)、小幌駅15:40→礼文駅15:46。
海底火山の堆積物(ハイアロクラスタイト)にできたこの海蝕洞は静狩駅と礼文駅間、約10㎞続く断崖の海岸線の中間にある。古い時代から人々が立ち寄り、住んだ形跡が縄文晩期2500年前にさかのぼるという。1663年の有珠山噴火の直後にこの地にやってきた円空が彫った円空仏も、今はレプリカだがこの岩屋に残されていた。1791年には菅江真澄も立ち寄り紀行文が残っている。近年になっても近隣の漁師たちの船魂参りが行われていて、数千年、潮騒の中で人々の生き様を見守ってきた岩屋である。
564 またやってきたね
551 手にするマントル
薄い卵殻が地殻とすると白身はマントル、と説明を受けた。数千℃のマグマの固まった本体が橄欖岩。大陸プレートの衝突で押し上げられて、数十キロ下で凝固した橄欖岩をここでは手にすることができる。それが様似町のアポイ橄欖岩なのだ。正確には世界的に知られた「幌満かんらん岩(Horoman-peridotite)」。比重は3.0~3.3だという。花崗岩よりもずっと重い。腊葉標本の重石には絶好だ。幌満の「ジオラボ アポイ岳」の新井田先生に切っていただいた河原の石はペーパーウェイトだ。嬉しいね。
アポイジオパークが世界ジオパーク新規認定となった。我が家からは直線で170km。少し遠いがそれでもぐっと近づいた。橄欖岩を通して岩石の勉強ができる。これぞ「七十の手習い」だ。長い海岸線の潮間帯の生き物にも興味がある。長靴を履いて出かけなくっては。