740 チャラツナイの浜

チャラツナイ久し振りに室蘭のこの磯に立った。北大の海藻研究所は今はなく、敷地は波で崩れかかっている。風景にも海の中の様子にも思い出が沢山ある。50年前、ここでよく泳ぎよく潜った。向うの尖った岩礁はムカリソで小舟が通れる洞窟があり、夕日が壮大だ。浜の名の由来の滝もまだ残っている。足元の干上がった潮間帯には、優占種のムラサキインコの群落が広がり、今が実りの季節だ。

737 クマゲラの食痕?

クマゲラの食痕伊達市大滝の沢筋を数百m登りキツツキの食痕を見つけた。大きさからみてクマゲラだろう。径30㎝のカラマツに二つの食痕。よく見ると芯材が腐植している。外見から中身は分からない。叩き音から判断するというが、それは鳥に聞くしかない。以前、我家の窓にぶつかって死んだヤマゲラの舌は驚くほど長かった。強靭な嘴と長い舌。樹の中の虫たちにとっては最強の天敵だろう。

727 尖頭器を作った

尖頭器を作った尖頭器(矢じり、槍の穂先)を作っている(ブログ724)。ヒトとモノとの究極の接点、いのちを繋ぐ原点だ。ホモ・サピエンスのグレートジャーニー最後の3万年前、我々の祖先はこの石刃技法を持って北海道へと移動してきた。今金町のピリカ遺跡、遠軽町の白滝遺跡を見て驚嘆した。簡素な道具で石刃を瞬時に作り、必要な道具を形成する技術だ。器用に動かぬ指先は傷だらけだ。

726 ジビエ・エゾシカのパイ

シカ肉パイ新鮮なシカ肉をいただいた。冷凍生地のパイ皮を使い、ワインとハーブで一晩ねかしたシカ肉をホワイトソースに閉じ込めてショソン風に焼き上げた。美味しいと言ってくる仲間もいるけど、ハーブが効きすぎているし、ホワイトソースはもっとシンプルなのが良い。シカ肉はいろいろなところから声がかかるほど潤沢だ。末代まで伝えられる香り高いシカ肉レシピを考える時代だ。

725 コクマルガラスがやってきた

コクマルガラス伊達市西関内町、ここの牛舎付近でコクマルガラスとミヤマガラスに気が付き300mmを向けた。コンラート・ローレンツの「ソロモンの指輪」を思い出し読み返した。1964年の日付がある。ティンベルヘンやフリッシュなどの動物行動学の訳本を読み漁っていた頃だ。50ぺージにわたるローレンツとコクマルガラスとの友情と、彼の動物に対する深い愛情に半世紀もたって再度感激した。

720 雪猫

ユキネコ陽が射しているが氷点下。どこかの飼い猫なのだろう。去年から我が家の周辺でたまに見かける。この数年雪の上のキタギツネの足跡がめっきり減った。その代わり‐10℃位の朝でも数匹分の猫の足跡が見つかる。夜中も出歩いているようだ。 野伏せりのような面構え。私に対話を求めている表情なのだが、「だからどうしたというのだ」と返ってきそうで、何も言えない。

718 ホザキヤドリギ

ホザキヤドリギホザキヤドリギの実が黄金色に輝いて見事だ。北海道ではこの樹以外の情報はない。葉を落とさないアカミノヤドリギも写っている。両種とも鳥の体内を通過して分布拡大と考えられる。摂餌中のヒヨドリは見た。吹雪いてこの山の藪が埋もれたら、カメラを据えてやってくる野鳥を撮ってみたいのだが、寒さを考えると気が重い。キレンジャクの群れでもやって来るとうれしいのだが。

716 氷頭なます

氷頭なます飯鮨(ブログ 711)を漬けたシャケの氷頭でなますを作った。古来からの食べ方で、なますは「鱠」で魚、「膾」は鳥や獣の肉に由来する。旧石器、縄文の時代からの北に住む人々の最も重要な動物食であったシャケは、いまだに捨てるところがない。頭の軟骨の氷頭は、コリコリ感が身上だ。酢と味醂と天日塩と薬味。生臭ものが好きな私には、右手の箸が喜ぶとっておきの一品。

711 飯鮨(いずし)の材料

飯鮨の材料飯鮨は古来からの熟鮨(なれずし)文化で、北前船、開拓者、やん衆と繋がる。杉樽二つに漬けこむ材料を揃えた。シャケはオホーツクの雄武産3本。飯1升分に米麹2㎏。野菜はキャベツ4個、大根4本、ニンジン4本を十分な量の天日塩で揉み、薬味はショウガ。竹の皮で蓋い、交互に漬けこんで2か月間0~4℃の地下室で眠らせる。化学調味料で味をつけた市販品には負けません。

710 長流川下流

長流川下流冬景色となった長流川下流の河原。伊達市側の左岸にはこの川に浸食された10万年前の洞爺火砕の黄土色の露頭がみえる。右岸の緑はクマイザサ。ここは北の湘南橋近くで、産卵後流れ下るシャケの死骸を目当ての4羽のオジロワシを見つけた。オオワシの姿は見えなかった。この辺りの厳寒期にはカラス、カモメ類にキタキツネも混じって、野生の素敵な観察場所となる。