1003 4匹の子ギツネ

子ギツネたち2匹のキタキツネの子が、と思っていたら、なんと4匹だった。それもハシボソガラスガラスの巣のすぐそば。巡ってきた季節は新しい出会いをこんな形で提示してくれた。減少する一方の野生だが、私の杞憂をどこ吹く風と、その強さ、したたかさを見せつける。子ギツネたちには過酷な世界が待っている。これからが野生の本領発揮だ。カラスは庭から、キツネは二階から撮影した。

1002 新しい家族

ハシボソガラスここをテリトリーとするハシボソガラスに子供ができた。それも4羽。9年も前から続いたつがいの雄が去年いなくなって(死んだと思う)、新しいオスとの間にできた子だ。嬉しいね。家の前の大きなクリの木に4羽の姿。子ガラスは騒ぎ立て、しゃがれ声で餌をねだる。二羽の親はせっせと餌を運ぶ。このひと月はさぞかし賑やかなことだろう。ご近所さんも大目に見てやってほしい。

1001 ハスカップ

ハスカップスイセンの花と同じ頃、まだ冷たい風に揺れながらハスカップの花が咲き始めた。茂った大株に数百の優しげな花。北海道人なら誰しもが知っている、甘く芳醇な酸味と赤紫色の豊かな果汁。そのまま頬張ると口中に広がる春の味。まさしく北の原野の香りだ。アイスクリーム、ヨウグルトと絶妙な相性。もちろん絶品のジャムができる。和名はクロミノウグイスカグラ(黒実鶯神楽)。

1000 昭和新山の植生

昭和新山2019年3月13日、昭和新山誕生74年目を迎え、動く大地の植生を勉強すべく、10人の火山マイスターが集まった。頂上ドームのサンゴ岩はまだ熱を持ち、噴気を上げている。地熱のある地表はエゾシカのたまり場になっていた。まったく無生物の世界だった場所が林へと遷移し、多様な植生と生き物たちの世界が作られている。5月からは研修に来る高校生らに、この魅力に満ちた、生きている自然をどう伝えようか。

2011年10月26日にブログ 1「温泉の化石」を up して以来、1000回目となりました。火山マイスターとして洞爺湖有珠山周辺の多様な自然のありようを皆様に発信しようと思い、現在に至りました。「仁左衛門の不思議な世界」にお立ち寄りくださった方、ブログをお読みいただいた方々に心より感謝致します。更新のペースは落ちると思いますが、ブログはこれからも続けようと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。

999 旨いぞ、ボタンエビ

ボタンエビしけの影響で延びていたエビかご漁が解禁、室蘭産がスーパーで入手できた。ボタンエビ、和名はトヤマエビ。北海道では噴火湾産がメインだ。身が締まって生きがいい。食わない手はない。刺身は甘く鉄砲串を打った塩焼きは香ばしく、丸ごと食べる。刺身はワサビよりは裏庭のホースラディッシュか、焼き物にはタイムか、などと考えた。1匹100円見当。旬を食べると長生きする。

998 有珠山・火口展望台

有珠山・火口展望台1977年の噴火前、画面左上は大有珠の大ドームであった。「土瓶の口」といわれた聳え立つ立岩は、崩壊して中央のピラミッド型の岩塊の堆積となった。40年経って植生は回復し、夏は緑に覆われる。湖を見下ろすロープウェイ山頂駅に続く洞爺湖展望台、火口展望台からは、有珠山本体と周囲に広がる火山地形の全容が見渡せ、一年を通してこの山の自然を楽しむことができる。

997 春の光

洞爺湖・春の光二月。冬の最中なのに、もう光りだけは充分に強くなっていて、北西の風が和らぐとふと春めいた感じがする。プラス8℃。嬉しさの芽が膨らんでくる。これから先、この湖で何をしようか。この湖の素晴らしさをどう伝えようか。水は静かに冷え、この上なく澄みきっている。このままでいい、何も伝えなくてよい。湖畔の静かなひと時。私だけの満ち足りた世界。

996 凍るアルトリ岬

アルトリ岬明け方は-15℃前後。海は凍らなかったが、岩の飛沫は氷柱となった。-5℃の向こうにアルトリ岬。岬もこの岩も有珠山の山体崩壊の名残り。崩壊が起こった年代が、もし仮に1万2000年を遡り、最終氷期と重なる時代ならば、海岸線は彼方の沖合だ。有珠山の崩壊もさぞ壮大なものだったろう。アルトリ岬は大きな流れ山の頂上部分かなどと、すべてが凍てついた風景の中で考えた。

995 カシワとミズナラ

カシワとミズナラ次世代の新葉まで枯葉を残すカシワ(右)と、何とか葉を残しているミズナラ(左)を探し比較した。カシワは落葉に必要な葉柄の付け根の離層が、維管束の頑張りで落葉しないのだという。この2種、遠目には似るが、葉の形、小枝や堅果の形態が異なる。カシワのドングリはミズナラと違い、まん丸でまつ毛があり、「どんぐりまなこ」の語源とされるクヌギのドングリに似ている。

994 微睡むカシラダカ

カシラダカ地吹雪の正午前、気温は-11℃。窓越しの壁際にちいさな鳥がふっとやってきて、ツタの枝に止まり目を閉じた。風をよけて身を隠し、一瞬のまどろみだった。カメラに収めたあと、もう仲間の声に同化して飛び去った。小鳥の心拍数は毎分数百回以上だという。一日食べないと餓死する。瞬時に眠りに落ち、次の瞬間目覚めて群れとともに風の中に消える。時の中を駆け抜けるいのちだ。