風のない早朝、芝生の上に柔らかく軽い何かが落ちてきた。目をやると、電線の上でハシボソガラスが毛づくろいをしている。翼を精一杯伸ばし、付け根の辺りのお手入れ中だった。そしてもう一枚が。十数年観察しているつがいのカラスといつも一緒の若いカラスだ。この夫婦、今年は巣作りに失敗したはずなのだが、去年の子だろうか。
だれしも、カラスは黒いというが、体を覆っている体羽の生え際に近い辺りは、おとなのカラスでも白っぽい。羽毛のない裸になった皮膚は全体が肌色で、二回りも小ぶりな、店先で見るニワトリのようなのです。