1143 あやしき光あり

あやしき光一日の終わりに近く、まもなく冬至の16時少し過ぎ、ふと目をやったらこんな風景。昭和新山のドーム脇、屋根山の向こうから後光が。なりゆきの一日の終わり、噴火湾のはるか向こう、渡島半島越しに日本海に落ちる夕日が近くの雲の下辺に引っかかって光芒が漏れただけ。数分も持たず光は消えたが心が和んだ。寒い一日のこの一瞬の今日の締めくくり。上出来のワインの最後の一滴。

1142 リンゴのジャム

リンゴジャム裏庭のリンゴの収穫も終わり、保存しない規格外(傷、虫食い)などはジャムにして、次のシーズンまで一年間楽しむ。皮をむき芯を取りながら砂糖をかける。ジャム用の鍋いっぱいになるころには底にシロップが溜まり、これで煮る。締めのレモン汁でコンポート風のジャム完成。鍋一つで6㎏。現在10㎏が冷凍庫で冬眠中。食卓用とアップルパイ(ショソン)や煮込み料理に大活躍。

1141 晩秋の新山

晩秋の新山大陸の高気圧がやっと太平洋に押し出し、寒冷前線がたっぷりと雨を降らして東へ通り抜けた。一夜にして風景は晩秋。昭和新山の天然レンガのドームは雨をたらふく吸い込んで、いやがうえにも赤錆色。しみ込んだ雨水は新山の芯に触れて水蒸気になり、暗さの残る曇り空に際立つ。屋根山のドロノキはすっかり葉を落とし、カラマツの裾模様が滲み出た。私の家の窓からの風景。

1140 有珠山初冠雪

有珠山初冠雪今朝の雨はひときわ寒いと思ったら有珠山にうっすらと雪。きのうは冷たい北西風と短時間のみぞれがあった。山の紅葉はこれから。この山は洞爺湖有珠山ジオパークのランドマークだ。昨日は有珠山を知るためのモニターツアーがあった。1910年(明治43年)噴火で誕生した四十三(よそみ)山の火口ルート往復の山頂登山だという。山の新しい魅力を探り次の代へと伝える試みである。

1139 今年のウメ仕事

ウメの天日干し7月19日に25㎏の実を収穫、1晩水に浸し翌日15%の天日塩水で漬け込んで約80日。本来ならば1か月なのだが。今年は私が夏の暑さにやられてダウンした。有珠山、昭和新山を間近に望んでの秋日和の下でウメ仕事の詰の天日干しだ。梅酢も日にあててうまさを醸成。実の表も裏もカバ色に変わり、旨味を増して漬け頃になるのは数日後。漬けて1年すると本物の味となるが、私は2年待つ。

1138 カラスの体羽

カラスのy体羽

風のない早朝、芝生の上に柔らかく軽い何かが落ちてきた。目をやると、電線の上でハシボソガラスが毛づくろいをしている。翼を精一杯伸ばし、付け根の辺りのお手入れ中だった。そしてもう一枚が。十数年観察しているつがいのカラスといつも一緒の若いカラスだ。この夫婦、今年は巣作りに失敗したはずなのだが、去年の子だろうか。

だれしも、カラスは黒いというが、体を覆っている体羽の生え際に近い辺りは、おとなのカラスでも白っぽい。羽毛のない裸になった皮膚は全体が肌色で、二回りも小ぶりな、店先で見るニワトリのようなのです。

1137 昭和新山山頂の崩落

山頂の崩落9月26日午後4時ころ、山頂部の有珠山側の一部が崩れた。駐車場に面しているが、崩落は山腹で止まった。調査に登った二人の洞爺湖有珠火山マイスターの足元から、画面下部のサンゴ岩の上部を右下へと崩れ落ちている。左が山頂で1945年新山誕生直後は海抜406.7mで尖っていたという。現在地形図では398mとなっている。山体の収縮や岩石、土砂崩落などで常に山容は変化する。

1136 スズバチ

スズバチ家の外壁を覆っていたツタを取り払ったら、スズバチの巣があった。暑さの続くなか、ギボウシの葉にたまった水滴を口に含んでは、むき出しになった巣を濡らしている。中の産室には数匹の幼虫がいるはずだ。巣を守り、餌を運ぶ。私の頭上を飛び越した瞬間、スズメの羽音がして二つの影が交差した。まさか。スズメに殺られたか。生き物の世界には妥協がない。みな必死に生きている。

1135 オオウバユリ

オオウバユリ花茎がどんどん伸びて1134から16日後、20個の花をつけ私の背丈と同じくらい。1つの根茎から瞬く間に成長し、開花する生命力は驚異的だ。左となりに叢生する西洋種のギボウシと比べても見劣りしない。派手さはないが凛とした花冠は北の落葉樹林の樹下ではまさしく女王の風格。ササ類がまだ進出していない昭和新山の森陰で数百本も群生する様子を想像してみてください。

1134 オオウバユリ

オオウバユリブログ1132から40日経った。花茎が立ち上がり若葉色だった葉も厚さを増し盛大な一株となった。10年前、山道で採取した数株が庭のあちこちに出現。たくさんの種子が落ちるが、発芽の条件や機序はわからない。庭での絶好の位置を得たこの一株。思慮深い老庭師ヘルマン・ヘッセ曰く「庭から希望と安息が得られる。自分の庭と植物には責任を持たねばならない」 見守ってゆこう。