確か1970年代、冬の札幌はスモッグに覆われた街でした。一年の半分は石炭を焚いていたのです。三笠ジオパークでは奔別(ほんべつ)、幾春別(いくしゅんべつ)、幌内の炭鉱跡がジオサイトになっている。三笠市立博物館裏手のサイクリングロードで見つけた露頭はコークスの原料に最も適した瀝青炭だと説明板にあった。炭化した植物の化石でもある露頭をみられるなんてすごい!
682 切れ味
681 破片の情報
680 たたらの人
679 第二明治新山
678 トドマツの球果
677 砕屑岩脈
676 今度は台風
675 台風一過
674 破壊と再生
2000年の有珠山噴火で被害を受け放棄された公共住宅。屋根には噴石で多くの孔が開き、1階は火口から噴出した熱泥流で埋もれている。2階には50m上流から泥流で流されてきた国道の木の実橋が激突した損傷が残っている。泥流は橋げたをさらに100mも押し流し、前年に完成したばかりの町営浴場・やすらぎの家の真ん中を突っ切って厚さ1mの泥流堆積物を残した。
アパートの屋上の孔からの雨水は床を腐らせ、割れた窓から飛び込んだ綿毛を持ったヤナギ類の種子が発芽して、今ではこの通りの繁茂ぶり。5年ほど前の屋内探査ではこの樹々の根は和室の畳やカーペットの下いっぱいに広がり、隣室はシダが繁茂し、神棚にはシジュウカラの雛が育っていた。自然災害の現場で、破壊と再生を見た。