753 大有珠ドームの赤レンガ 投稿日時: 2017年4月18日 投稿者: nizaemon 有珠山火口展望台からドームを見上げると赤土がへばり付いているように見える。これは1853年の噴火でせりあがった高温の溶岩上で粘土や土壌が焼かれ昭和新山のように煉瓦化したという。地質図幅説明書によると、この噴火で一面に赤くひかる大有珠溶岩円頂丘(アシリヌプリ・新山の意)が現れたとある。二年後に描かれた大有珠の噴気が描かれた長沢盛至のスケッチも載っている。
752 グリーンタフ 投稿日時: 2017年4月17日 投稿者: nizaemon 道央西部は樽前、登別、有珠 、羊蹄、ニセコと火成岩地帯だが、その西南部には新第三紀中新世~鮮新世の火山噴出物の堆積がある。緑色を帯びた緑色凝灰岩( green tuff )は東北・中部地方の日本海側に広がって分布している。旧石器時代に道南で使われた珪質頁岩を探して国縫川を遡ったら、転石の中から冬の凍結で剥離した標本を得た。この川岸では随所で露頭の観察でき、正面奥の崖面もグリーンタフだ。
751 尻別岳 投稿日時: 2017年4月17日 投稿者: nizaemon 春四月、洞爺湖中島の丸い尾根の先にすっくと立ちあがる残雪の尻別岳(1107m)。大きく抉れた山体だが、まさしく火山。喜茂別町鈴川あたりから見ると羊蹄山とこの山は二つ並んで、同形の秀麗な山容が楽しめる。西側は真狩村で裾野の美原地区には国立ジャガイモ種苗センターや村営牧場が広がり、3㎞離れた軍人山(561m)は尻別岳の山体崩壊の名残りだという。
750 アカゲラの春 投稿日時: 2017年4月5日 投稿者: nizaemon 雪が少なかった分地中深くまで凍てついていて、土に埋もれていたサクランボの古い薪を掘り起こすのに苦労した。上に積み上げて置いたら、目敏く見つけたのが雄のアカゲラ。この冬は一度もやってこなかったのに、何を目印にここに辿り着いたのか。腹が空いていればこその、しかしあたり前の鋭い感性で、長いくちばしで朽ちた材を弾き飛ばしている。春の光のなかの眩しい命。
749 イタンキの春 投稿日時: 2017年4月3日 投稿者: nizaemon 月齢5,0日。中潮とはいうものの潮位は充分下がった。春めいた鳴り砂のイタンキ浜。日曜の昼下がり、潮の引いた浜辺を楽しむ人を撮っていたら、背後、中空から楽しむ人もやって来て驚いた。この浜だけは昔日の面影を残していて、ここを歩ける人は幸いだ。明るい大気に潮の香と春の海の海藻の臭いが混じっている。なんという芳醇な世界。潤沢極まりない時間が流れる。
748 3,31有珠山噴火勉強会 投稿日時: 2017年4月1日 投稿者: nizaemon 17年前の2000年3月31日13時06分、有珠山が噴火した。住民は避難を余儀なくされた。地域が立ち直る中で、噴火を学び、語り伝えるシステム、火山マイスター制度が作られ、現在では9期43名の火山マイスターが誕生している。この日、伊達市、壮瞥町、洞爺湖町で持ち回りの勉強会が行われる。今年は壮瞥町がホスト役で、噴火時の動画、写真史料を見ながら進められ、噴火の経緯、避難時の留意点などが話題となった。
747 山の端の月 投稿日時: 2017年3月31日 投稿者: nizaemon 季節が移り「新しい月に抱かれた古い月 」が1月1日の月(ブログ717)より30度近くも北に落ちた。ドンコロ山のまだ冬枯れの稜線だ。「地球照」の錆色の古い月を、透けた林の向こうに撮りたかったが、薄赤い部分は写らなかった。月も明るいが地球の反射能は水や雲、氷雪により月の数十倍あるという。かつて見た月の地平線に浮かぶ青い地球の写真を思い出した。緑なす美しい地球。
746 光る山巓 投稿日時: 2017年3月21日 投稿者: nizaemon 春分の日の午後3時。陽は有珠山頂のアイスバーンに反射し山巓はてらてらと輝いた。1977年噴火とその後の潜在円頂丘のせりあがりで、人々が馴染んでいた大有珠のドームと立岩は崩壊し、山頂は崩れながら岩塊を乗せ北へ300mも移動した。白く見える雪面は岩屑の堆積斜面だ。あと20年もすると植生は回復し、やがて緑に覆われる。だがそれは、このまま山頂噴火がなければの話だ。
745 残雪のホロホロ 投稿日時: 2017年3月21日 投稿者: nizaemon 三月末、有珠山からのホロホロ三山。左から徳瞬瞥山(1309m)、ホロホロ山(1322m)、1260m峰。春めいた雲の下、たおやかな山脈は山好きにとって蠱惑的に見える。徳舜瞥山は思ったより登りやすく、自然を楽しみながら山頂へ、さらに奥のホロホロまでは片道3時間。一日楽しめるコースだ。三山含めて大きな火山だ。白老あたりからの室蘭本線の車窓からも美しい。
744 エゾイガイ 投稿日時: 2017年3月16日 投稿者: nizaemon イガイを道南地方ではヒヨリガイという。大型で安かったが産卵期が終わったのか身は痩せていた。左上がエゾイガイ Crenomytilus grayanus 左下は殻が細身でイガイ Mytilus coruscus と考えたがエゾイガイ。右2個は エゾヒバリガイModiolus modiolusで属が異なる。イガイ科 Mytilidae の大型3種同時に買えたと思ったが残念ながら2種だった。産地は白老産と表示されていた。