743 大岩塊、昭和新山ドーム 投稿日時: 2017年3月12日 投稿者: nizaemon 熱気の残る昭和新山ドームは降った春の雪を溶かし、水気は溶岩表面を覆う天然煉瓦に滲みこんだ。緑のない岩石の地肌はいやがうえにも赤く、有珠山ドームの輝く雪と対照的だ。あと二月待って五月の風が吹くと、小さな草地も回復し、岩山は柔らかな新緑に覆われる。今年は有珠山 (733m) に登れるだろうか、昭和新山の頂上 (398m) に立てるだろうか。壮瞥町立香から300㎜で撮影。
742 イタンキの岬 投稿日時: 2017年3月11日 投稿者: nizaemon イタンキ浜を見下ろす室蘭ユースホステルからのイタンキ岬(手前)。知里・山田の「室蘭市のアイヌ語地名」(1960)には岬の向こうがポロイタンキで、沖合に小さなフンベシュマ(クジラ岩)があり、手前がポンイタンキ、砂浜はハワノタ(音する浜)という。向うの大きな岬は標高107mのワシベツノツ(鷲別川の岬)。二つの岬は相似形で一般には手前の岬をクジラ岩といっている。
741 山へ帰るキタキツネ 投稿日時: 2017年3月11日 投稿者: nizaemon 早朝、道を横切り根雪の残る麦畑を通って山へと向かうキツネに出会った。月の夜、長流川の川岸で餌を探していたのだろう。明け方は-10℃まで下がった。腹は満たされたのだろうか。痩せてはいないから詮索はしないでおこう。向こうの斜面は立香の山。少し上には新しいバイパスの工事が進んでいる。彼らの住む世界がだんだん狭められてゆく。
740 チャラツナイの浜 投稿日時: 2017年3月7日 投稿者: nizaemon 久し振りに室蘭のこの磯に立った。北大の海藻研究所は今はなく、敷地は波で崩れかかっている。風景にも海の中の様子にも思い出が沢山ある。50年前、ここでよく泳ぎよく潜った。向うの尖った岩礁はムカリソで小舟が通れる洞窟があり、夕日が壮大だ。浜の名の由来の滝もまだ残っている。足元の干上がった潮間帯には、優占種のムラサキインコの群落が広がり、今が実りの季節だ。
739 トドマツの球果と種子 投稿日時: 2017年3月6日 投稿者: nizaemon トドマツはモミ属 (Abies) で、トウヒ属 (Picea) のエゾマツのように松毬が落下しないから球果の入手が困難だ。倒れたトドマツ(ブログ678)の松毬を得て、壁に下げて置いたら触れただけでサラサラと砕け落ち、錆釘のような果軸が残った。種鱗、苞鱗の形態からするとアカトドマツらしい(北海道主要樹木図譜、宮部・工藤・須崎、1986)。翼のある黒い種子の長さは8㎜。
738 長流川上流 投稿日時: 2017年3月2日 投稿者: nizaemon 長流川を遡って大滝までくるとこの先は三階の滝があり、さらに美笛峠の源流までは10㎞。豪雪で聞こえるこの地の川面はまだこのとおりの雪景色。雪消の水はささ濁りだが自然のままだ。この先で1971年に廃坑となった硫黄鉱山からの鉄分の多い水が流れ込んでいるが、観光施設からの冨栄用の排水が流れ込んでいない分、ま、いいか。心安らぐいい雪景色です。
737 クマゲラの食痕? 投稿日時: 2017年3月1日 投稿者: nizaemon 伊達市大滝の沢筋を数百m登りキツツキの食痕を見つけた。大きさからみてクマゲラだろう。径30㎝のカラマツに二つの食痕。よく見ると芯材が腐植している。外見から中身は分からない。叩き音から判断するというが、それは鳥に聞くしかない。以前、我家の窓にぶつかって死んだヤマゲラの舌は驚くほど長かった。強靭な嘴と長い舌。樹の中の虫たちにとっては最強の天敵だろう。
736 徳瞬瞥山(1309m) 投稿日時: 2017年2月28日 投稿者: nizaemon 我家からこの山の頂を見た。輝く山頂に誘われて大滝までやってきた。撮影場所を探して辿りついたのが大滝小学校。頂上まで7㎞。見事な山容にしばし見とれた。麓は牧草地、山麓は樹氷と霧氷におおわれている。この小学校の生徒達は毎日この山を仰ぎ見、抱かれるように育つのだろう。生涯この風景を思い出せるなんてなんとも羨ましいことだ。気高くもたおやかな、純白の女神。
735 暖冬のしぶき氷 投稿日時: 2017年2月27日 投稿者: nizaemon 春が近づくとしぶき氷が伸びてくる。陽光が当たり少しだけ溶ける。夜また凍る。明け方は-6℃位。厳冬の時期、冷たい北西の風が吹き募った氷点下の日が続くと凍り付いた飛沫は千変万化、こんなに整った華麗さはない。間もなく3月。湖岸を望む壮瞥公園の梅林にはウソが来て花芽を啄んでいる。このまま暖かくなるとは決して思わないが、この氷はどう形を変えるのか。
734 有珠山ドーム 投稿日時: 2017年2月26日 投稿者: nizaemon 伊達漁港からの有珠山。なだらかな外輪の上、最も左が有珠新山(669m)、次がオガリ山(872m)、右が有珠山頂上(733m)で右端少し下がった三角錐が崩壊してしまった旧「どびんの口」。いずれも溶岩ドームと潜在円頂丘。永い眠りから覚めての1663年の大噴火。その後数十年ごとの噴火でこの山容となった。港から9㎞の距離。次の噴火がいつ、何処からかは分からない。