563  クジャクシダ

クジャクシダ茅部郡森町の山の薄暗がりで可愛いシダを見つけた。Adiantum (ホウライシダ属)。園芸店のアジアンタムはよく知っていたが、種こそ違え北海道に自生するこのクジャクシダもアジアンタムだったとは驚きだ。細かい葉の清涼感がうり物の園芸種は熱帯アメリカ原産だという。だがこのクジャクシダの方が日本の気候で育ち風情もある。赤褐色で光沢がある細い葉柄がまたいい。

562  秋色大有珠

大有珠シベリアからの冷たい風が吹き込んできて、この一週間で有珠山の樹々も色づいた。私の好きな画角の大有珠の旧い溶岩ドームのかたわれ。

1977からの噴火活動で半分は崩壊し、半分は引きちぎられて移動し、昔日の土瓶といわれた丸さは残っていない。左奥にその時の活動後半に隆起した有珠新山、その手前の白く見えるのが外輪の尾根筋である。

561  色づくのはいつか

ホザキヤドリギホザキヤドリギを初めて見つけたのは今年の1月29日だった。樹の葉が落ちたなか、黄金色の穂状花序が見事だった。年を越したころには宿主のハルニレの梢は見事になるのだろうが、いつ色付くのかが目下の課題だ。大風の翌日の10月9日、樹の下で果実を拾った。果実は充実して膨らんでいるがまだ固く、色少し淡くなった程度だった。同じ樹を宿主としている常緑のアカミノヤドリギはすでに色がついてきている。

560  落ち武者台風

落ちリンゴ太平洋にある巨大な積乱雲の渦の時からその消長、行方が気になっていたが、目ができ超大型のチョーイワン(CHOI-WAN=彩雲)という台風23号になった。北日本へ進路をとり道東をかすめ温帯低気圧になったがエトロフに在ってもまだ964hPa。昨日の北海道は強い風に翻弄された。一週前の21号くずれで庭のリンゴがずいぶん落ちたが、さらに100個以上落とされた。あと2週後に収穫の予定だった。落果狼藉。

559  ドームの噴気

昭和新山ドームの噴気気温が下がってくると昭和新山のドームの噴気が良く目立つ。午後三時近く、逆光を浴びていよいよ白く光る。誕生70年だが体内の情熱はまだ盛ん。後ろに控える大有珠もかつてはこのように蒸気が出ていたのだろう。右側の大きな噴気の左下に見える凹部の噴気が亀岩である。

558  タケリタケ

タケリタケ一週間前、ポルチーニ、つまりヤマドリタケを探していて、「らしい」こいつが見つかった。室蘭キノコの会の展示会へもっていったら、やはりタケリタケとのこと。数年前、この展示会で実物を見たが、自分の手で確認したのは初めて。テングタケ属にボタンタケ科ヒポケミス属の菌が寄生し、傘は開かずこのような形態となる。この画像の宿主はテングタケかベニテングタケ。天狗を封じる、その名も恐ろし「猛り茸」。

557  バージョンアップ暴風

天気図台風21号くずれの低気圧が見せかけ弱まって、北上しながら急速に発達し、稚内沖で946hPaまで強さを増した。(https://weather.yahoo.co.jp/weather/zoomradar//)北日本全域に強い西風を吹かせ、我家でもあと二週間待ちのリンゴ王林二本が50個も落ちてしまった。東北、北海道の果樹栽培地は日本海側に多いから、この時期、特に津軽や余市などのリンゴ農家は大変だろう。

今日の天気図と気象衛星画像は地学のテキストに載せたいくらいぴったりの出来合いで、素人目にも気象の解説に弾みがつきそうだ。寒冷前線の見事さ、風の向きと強さにについて、そしてこの低気圧の行く末は、など、興味津々だ。

556  オオフクマメは隠元豆

オオフクマメ裏庭に続く隣の畑。今年は白くて美味しいオオフクマメだった。豆は手柴に巻き付いたまま干され、機械がやって来て収穫、次の日、殻は燃やされて畑は土に戻った。このマメはインゲン豆のこと。赤いのはキントキ Kidney beans(腎臓まめ)で刑事コロンボの好物のチリビーンズとなる。この地の特産の白インゲンは和菓子の高級原材料だ。隠元禅師とコロンボと和菓子が繋がった。

555  川渡りの神輿

神輿壮瞥川の滝不動の神輿の川渡り。この後、息災を祈願して護摩焚きが行われる。洞爺湖からの唯一の流れだしの壮瞥滝と壮瞥川。清冽な流れを遡行する神輿。二人の神子を乗せるのがここの流儀。身上は若く柔軟なバランス。海渡り、海降りの神事は各地方にあるけれど、こんな御神輿は数少ない。つくづく「いいなー」と思ってしまう。冷たい水で担ぎ手は大変だろうけれど。

554  ポルチーニ!

ポルチーニ気温が下がって来て、そろそろと思っていたが、近場の私の「シロ」三つのうちの一つで上出来のポルチーニ・ヤマドリタケを手に入れた。嬉しいね、こんな「絵にかいたような」極上もの、私も初めて。欧州の図鑑で見る以外は出会えはしない。厚めに切ってソテーし焼き色を付けるとナッツの香り。私はそれにバターと塩が好き。旨み、香り、それと「こく」。パスタにもいいが、冷えたワインに打って付け。