627 地球岬・ポロチケウ

地球岬ポロチケウ(poro-cikep 大きい断崖)の上の展望台から150m下の海岸を見る。春に海はのたりと穏やかで、青く明るい空が映っている。岩礁には濃褐色の海藻が繁茂している。コンブ、ワカメ、マツボ、フノリ、美味しい海の幸だ。海の植物にとっては冬が成長期。海水温、気温が上昇して海藻が流れ藻になるあたり、入れ替わって断崖に纏わる樹々や草の芽が若葉となる。

626 ハシバミ・ヘーゼルナッツ

ヘーゼルナッツナッツを庭に植えようと思った。大木になるカシグルミはやめ、ヘーゼルナッツを2品種4本植えて8年経った。雄花である尾状花序が伸展している。ルーペで苞の下に8個の葯を見つけた。いくつもの雌花はあたかも花弁のように濃い紅色だ。ハンノキやカンバ類と共通らしい。雌花の中身も見たかったが勿体ない。早く実を手にしたい。ヘーゼルナッツでヌガーを作るのが夢なのである。

624 サクラマスのマリネ

サクラマスのマリネ旬のサクラマスはヤマメの親。高級魚なのだがこの界隈では三枚におろした大きな上身が600円くらいで魚屋に並ぶ。塩で締めてやはりご当地自慢のシロハナマメとで主役二人の豪華版マリネを作った。モルトビネガーはそのまま穀物酢、歯触りと色取りの良い脇役の野菜を添える。スパイスは多めのブラックペパー、ハーブミックスと鉢植えの月桂樹。ワインかな、それとも日本酒?

615 壮瞥シードル

壮瞥シードル我が家の小さなパーティで「Cidre de sobetsu」がお目見え。この町特産のリンゴ100%、アルコール5%の軽いお酒だ。アペリティフには丁度良い。今考えているお似合いのレシピは、壮瞥特産のシロハナマメとサクラマスのマリネ。大きくふくよかな白いハナマメと、薄塩で締めた今が旬で色の乗ったサクラマスを半日マリネする。メインディッシュは奥洞爺牛にするか。いかが?

606 剪定作業

サクランボ広い果樹園を経営する農家はもう春の作業を始めている。この樹はサクランボ。30年以上の樹だ。7月初め、見事に色を付けた収穫時は雨が大敵で、樹の上はシートが張られる。私の裏庭の樹もそろそろ剪定しなくっては。サクランボは垂直に伸びる枝が強勢となるし、古い短枝に花を付けるので剪定はそれなりに気を使う。まして私は年期が少ないし知識が浅い。

602 棒鱈の世界

スケトウダラ小さな漁港の小さな家の小さな窓にスケトウダラが干してある。タラコ、白子を取った後、こうやって自家用に凍結乾燥する。凍りながら寒風に曝されて干せて行く。昔からの間違いなしの漁村風景。叩いてむしって食べるのが手っ取り早いが、煮物の鍋の中で他の具材と旨さの相乗効果を生み出す。熱帯を除けば世界中に棒鱈の煮物がある。マダラと共に世界の近世の食を支えた魚だ。

599 洞爺湖ミント

薄荷水際の大石にへばりついていたこのミント。香りが強いので見守り続けてきたが、去年の嵐で洗い流され、全滅の憂き目に遭った。小さい株を数本確保しておいたので裏庭に移植し、鉢にも根を植え窓際に置いた。ひと月もたたないのにこの通り十数本、シソ科の繁殖力には感心する。ケーキや肉料理の付け合わせ、サラダに加えてもよい。でも、私としてはやはりモヒートか。

598 山眠る・里眠る

リンゴ園リンゴは有珠山の賜物。この町壮瞥の北の大滝では寒冷と深い雪でリンゴは無理。有珠山の向こうの海側は海霧と浜風が吹く。この地域は盆地となっていて、天候に恵まれた町だ。ここ数日、明け方の気温は-7℃くらいで、遠くに有珠山、昭和新山を望みながら静かな朝を迎えた。リンゴ園の樹々は辛抱強く春を待つ。

592 救荒食・エネルギーの循環

救荒食暮れに長流川に遡上して産卵後、息絶えたホッチャレ鮭。浅瀬に流れ寄った骸は厳しい冬を過ごすカモメやカラスたちの貴重な食料だ。この川で孵化したサケは海へ下り、5~6年で成熟し、また海から川へと遡る。エネルギーはこうやって移動し、陸上の生き物たちによって消費され、大地へと還元される。昨日この川でオジロワシ、オオワシを13羽数えた。キタキツネも姿を見せる。

584 マツの実

チョウセンゴヨウの実この時期に足を運ぶのは一本のチョウセンゴヨウ。前の冬、ひと月遅れで手にした芝生の上の松毬はぼろぼろに千切られ、実はなくなっていた。今年のを手に取り鱗片を開いてみると、種子が目玉のように二つずつ並んで見える。固い殻を割り小さなナッツを口にする。隠れた楽しみ、季節の贅沢というものだ。それにしても前のシーズン、私が見つける前に食べたのは誰?