258 有珠山夜祭り 投稿日時: 2013年8月18日 投稿者: nizaemon 恒例となったお盆休みの頃のロープウェイ山頂駅展望台での夜祭り。暮れゆく空の峨々とした稜線といくつもの岩塔が影となって、生きている火山を楽しめる。ここからは洞爺湖、中島の向こうに羊蹄山、足もとの昭和新山と壮瞥の街並みが夕闇の中に浮かび上がる。夜の森探険、星空ガイドなど家族連れには好評だ。ジオパークピザの売れ行きも好調。さまざまなシーンを通して火山の魅力を楽しみ、火の山を理解するのもジオパークの眼目の一つだ。
257 紅の主(くれないのあるじ) 投稿日時: 2013年8月17日 投稿者: nizaemon 紅いスイスチャードの芯に居座ったアマガエル。紅い世界の玉座に着いた。スイスチャードは野菜だが食品としてはまだ一般的でなく、日本人の口にはイマイチだ。私はもっぱら寄せ植えに使う。茎と葉の壮健さはコリウスと合わせると他を威圧してはばからない。アマガエルも見る目が高い。そこから見上げる世界はいかに。
256 濡れ烏 投稿日時: 2013年8月15日 投稿者: nizaemon 大雨となった日、家の前を流れる泥水を背に、ここにテリトリーをもつ5歳のハシボソガラスの雄。しとどに濡れ、胸の分け目に白い羽毛が見えている。いつもの精悍さも消え失せて空腹で、これでは重くって飛ぶこともかなわない。元気を出せよ。髪は烏の濡れ羽色。紫や青緑の干渉色の浮かぶ艶やかな女性の黒髪の褒め言葉だ。豪雨も当たり前が自然の成り行き。雨が止んだら洗い髪に浴衣姿で出ておいで。
255 北のハマユウ 投稿日時: 2013年7月30日 投稿者: nizaemon 数年前、室戸岬の砂浜で拾ったハマユウの種子が縁あって北の大地で花を付けています。昨年も咲いてくれましたが今年は一段と見事な花を付けました。夏季は外ですが、やはり寒さに弱く葉はすぐに寒冷障害が出ます。南国から連れてきたこの命、粗末にはできないね。いま茎の下部が直径20cm近くなりました。さらに大株になってきたらどうしよう。責任を感じるな~。
254 ジオパーク再審査 投稿日時: 2013年7月30日 投稿者: nizaemon 洞爺湖有珠山世界ジオパークが誕生して、4年目、初めての再審査が行われた。GGNから派遣された審査員はニコラス・ゾウロス教授(ギリシャ)とホセ・ブリルハ教授(ポルトガル)。ヨーロッパは古い地質時代のジオパークが多いので、たかだか10万年前の噴火によって構成されているこの地方は、どのように映ったのであろう。若い活発な火山と、この地域の人々の生活との繋がりをよく見てほしいのだが。
253 サクランボウのフラン 投稿日時: 2013年7月30日 投稿者: nizaemon 粒よりのサクランボウ。種子はオリーブの種抜き器で取り、φ20㎝の型には70粒、18cmには50粒を詰め込んでタルト型でフランを作る。注ぎ満たすアパレイユは生クリーム、ミルク、砂糖、全卵、そして味を引き締める多めのレモンの搾り汁。180℃で35分程焼くとマーブル模様の焦げ色が付いて、後はナパージュで照りを付けて完成。「桜桃色」は薄れるが、濃厚な旨味と食感はこの果実の数少ない焼き菓子の覇者。
253 卷雲 投稿日時: 2013年7月21日 投稿者: nizaemon 夕方7時過ぎて、卷雲が夕陽に映えた。左下の有珠山から右への稜線の向こうは洞爺湖。この手の卷雲は以前は天候悪化の前触れと言われたな、と思い調べたら明日の夜から雨模様。この程度のあたり外れは自然と繋がった嬉しい感性の中にあると思う。これを観天望気と言う。「怪しげな」雲を見てUFOだ地震だと、自らの不明と不安をないまぜにするよりは、美しさに幸せを感じる方がずっと当たり前だ。
252 幾星霜 投稿日時: 2013年7月18日 投稿者: nizaemon 壮瞥町浜田農園のリンゴの古株。碑には、品種、祝(いわい)明治23年(1890年)とある。120年前に開拓に入った先人が雄図を託して植えたひと株である。かくして今、20軒の果樹農家がここに集約し、イチゴ、サクランボ、プラム、洋ナシ、リンゴなど多種多様な豊かな美味を生産し、果樹の町壮瞥の名を世に名を知らしめる礎となった。今はサクランボウが見事に成熟し、樹の下から国際色豊かな歓声が聞こてくる。
251 ジューンベリー 投稿日時: 2013年7月17日 投稿者: nizaemon 灌木の苗を探して辿り着いたのがこの樹。名前に惹かれ、味も楽しめると言うので植えて、翌年の収穫がこのとおり。穏やかな酸味と旨味を備えた甘さは私好みで、この賜り物は見事な赤紫のジャムと相成った。バラ科には珍しい白く細長い花弁をしていて、冷たい風に振るえる様はひよわ気に見えるが、鮮やかな緑にうつる熟し切った色は格段に個性的だ。飾らない、か弱さの中から滲み出る存在感。
249 まどろむ湖 投稿日時: 2013年7月9日 投稿者: nizaemon 朝の霞みの中の洞爺湖。風も吹かず音も無い。ニセアカシアのあまい香りが溜っている。透明な蜂蜜に溶け込んだような世界だ。アズキナシ、トチノキ、ホウノキ、次々と花が咲き、散って、ひとつずつ時間が過ぎてゆく。すべてを纏めてこの瞬間だ。この一瞬を私たちは待っている。