1104 春の有珠山

根雪25㎝2月末に降った爆弾低気圧による大雪はまだこの通り残っている。一週間前は50㎝以上あったが一日5㎝ずつ減って今日は残り25㎝。あと少しで黒土の畑や枯れ色の芝生が顔を出す。リンゴやサクランボの剪定作業がまもなく始まる。有珠山山頂は白く輝いている。今年の春はどんな姿でやってくるのか。夏の緑に包まれた雄大な有珠山を想像してみる。

昨年9月からの大西洋ラパルマ島クンブレビエハ火山の85日間の激しい噴火、今年2月15日のトンガでの海底火山の噴火と津波。3月8日にはパプアニューギニアのマナム火山の大きな噴火があった。3月11日は2011年に発生し、2万2000人を超える死者・行方不明者、災害関連死者を数えるマグニチュード9.1の巨大地震、東北地方太平洋沖地震から11年目。有珠山の直近の噴火は2000年である。我々は四季折々、自然から与えられる豊かな恩恵に感謝すると同時に、生命にかかわる災害にも隣合わせだということを忘れてはならない。

1102 耐寒の色

耐寒の色昼間ふと寒気が緩んで、我が家の外壁に見つけた蔓の先の小さな実。朽ち色のなかにこの色を発見。食いしん坊の小鳥たちの目を逃れてやっと残っていた豪奢な色。 バラの実ヒソップの豊穣の赤。ツルウメモドキの賑やかな朱、冬の洞爺湖の湖面のようなツタの青。外に出なければ出会えない、とても身近な明るい色だ。光の春がやってきているのだ。 いーもの見いつけた~。

1100 昭和新山・屋根山

屋根山晩秋秋から初冬への晴天にカラマツが浮きあがる。山頂ドームは見えないが昭和新山屋根山。半年続いた地震、地形変化後、1944年6月に噴火が始まり、11月には溶岩塔推上とともに屋根山は250mせりあがった。三松正夫の「昭和新山生成日記」に詳細が載っている。ここには、国鉄胆振線が通り、農地やフカバ集落に人々の暮らしがあった。この冬、もう一度生成日記を読みなおしてみよう。

1099 晩秋の赤いバラ

アルティシモ時は進みすべてが秋色に満ち、勢いに任せていた野生もやっと落ち着いて、山の佇まいも渋みを増した。昨年植えたバラ・アルティシモ。夏の盛りにシュートを延ばし、その先に付いた花弁が秋の光を受けている。香りはないが平咲きの輝く紅色は私の心を充分に和ませてくれた。コロナに蹂躙された一年だったが、この次の1年、向こうの有珠山も含め、安泰な時が巡ってきてほしい。

1097 ブラムリー Bramley

 ブラムリー Bramley植えて6年。矮性台木なので徒長枝が出ず育てやすい。ネットで検索するブラムリーはみな青リンゴ系だが、我が家のはこんなに色づく。リンゴ王国であるイギリスの林檎図譜 “The English Apple”でもBright green becoming pale greenish-yellow とある。よく陽を浴びたからだろう。良く煮溶け、砂糖を混ぜレンジ10分でジャムになる。ステーキに添えて焼くと美味しいソースの出来上がり。

1095 Redcurrant フサスグリ

フサスグリ少し大きめの一株からこれだけの収量。煮詰め、漉して砂糖を加えて、翌日には2.5㎏の深紅のジャムができた。透明感があり上出来のジェリーだ。 私が子供のころ(70年も前)から北海道にはあって、房になったこの色はよく目立ったが、なぜかその隣にあったGooseberry(グスベリと言った)の方が人気があった。ヨーロッパでは古くからジャムや果実酒に使われ、食卓を飾った。

1094 Us-b上のハーブたち

ハーブ畑有珠山1663年噴火の内、特に活動が激しかったプリニアン噴火の噴出物を有珠bテフラ(Us-b)といい、我家の裏庭では数メートルの堆積がある。一連のテフラは当初あった原生の森を埋め、大木は朽ちて壮瞥穴と呼ばれる地中の深い縦穴となる。この庭にも2014年、壮瞥穴が開き驚かされた。今はリンゴ、サクランボ、ヘーゼルナッツなどが植えられ、ど真ん中がこのハーブ畑だ。

1093 ズッキーニの収穫

ズッキーニの収穫裏庭のハーブ畑の角、はびこったミントを退治したら座布団2枚分の空き地ができた。たっぷりと堆肥を混ぜて耕し、苗を植えてふた月。盛大に葉を広げた中からの初収穫。蔓を持たないカボチャだから育てやすく、ありがたい野菜だ。煮物やマリネにも使えるし、肉やチーズとの相性もいい。一皿の色取りを考えてこの色を選んだのは正解だった。成長が早いので支柱、追肥が必要だ。

1092 ヒメマス・塩乾し

ヒメマス・潮乾し洞爺湖畔に住む釣名人から塩をしたヒメマス(=チップ)を「これは美味しいよ」と頂いた。身が締まった分、味は豊穣さを増し、マス特有の香りも濃縮されていて、食べきる前に慌てて写真に撮った。 知里真志保・分類アイヌ語辞典動物編(1962)によると、kapatchep (ka-pat-chep カパッチェプ) [ kapar (うすい) chep (魚) ] 注、ヤマベ(ヤマメ)に比べれば扁平だと。とある。

1091 コウリンタンポポ

コウリンタンポポ裏庭の果樹の下草に盛大に花を開いたコウリンタンポポ ヨーロッパ原産で、北海道でも急激に広げている外来の野草だ。在来の生態系等へ影響を与えるとして防除対策の必要性がある外来種に指定されているが、どうなんだろう。生態系に広がった野生生物の駆逐はまず困難である。億年単位で、そのようにして生き物たちは勢力を広げながら現在の自然の姿を作ってきたのだ。