711 飯鮨(いずし)の材料

飯鮨の材料飯鮨は古来からの熟鮨(なれずし)文化で、北前船、開拓者、やん衆と繋がる。杉樽二つに漬けこむ材料を揃えた。シャケはオホーツクの雄武産3本。飯1升分に米麹2㎏。野菜はキャベツ4個、大根4本、ニンジン4本を十分な量の天日塩で揉み、薬味はショウガ。竹の皮で蓋い、交互に漬けこんで2か月間0~4℃の地下室で眠らせる。化学調味料で味をつけた市販品には負けません。

709 日本ジオパーク再認定

洞爺湖有珠山ジオパーク洞爺湖有珠山ジオパークの日本ジオパークネットワーク加盟再認定が決まった。洞爺湖有珠山ジオパークを支える人々の、事業、行事、サイトの保全や防災意識高揚などに対する積極的な努力が評価されたのだろう。歴史・文化系サイトとの連携の強化も認められた。来年夏のユネスコ世界ジオパーク再認定に向けて、山積する課題を乗り越えねばならない。(冊子は JP01・胆振特集)

707 チカ

チカチカのシーズンがやってきた。チカは淡水生のワカサギに近い種だが、海水魚だ。白銀色の20㎝もある上等なのが店頭に並ぶ。16匹一盛りで280円。二枚に下し、塩水に漬けて半日干した。素焼もいいし、唐揚げにしてもよい。白身で淡泊、しかも香りがいい。三枚にすると丁度天ぷら種の大きさ。キスには負けない馥郁、芳醇な海の幸。海近くに住むことと季節に感謝する。

706 家主は誰

野鳥の巣裏口の階段上の踊り場、ハニーサックルの葉が落ちて明るくなったら、小鳥の巣があった。丁寧に作られた内径10㎝ほどの巣で、鳥の出入りに全く気付かずにいた。抱卵や巣立ちがなされたかは分からないけれど、こんな近場に生き物の営みがあったとはとても嬉しくなってしまう。仲間に助けを求めたら、巣材と大きさからヒヨドリでないかと結論が出た。

705 1663年Us-bテフラ

1663年テフラ壮瞥町滝之町から洞爺湖東湖畔へのトンネル工事現場。芝から下は10万年前の洞爺火砕流。軽石層はUs-bの名称で知られる1663年のプリニアン噴出物。1mのスケールから上は水蒸気マグマ噴出物。1663年8月16日から8月末までの2週間のできごとがこの灰色の4m。ならば、さらに有珠山に近い滝之町地域にあいた壮瞥穴は、このテフラで一気に埋まった原始林との結論も浮かび上がる。

704 残照

残照いつもの昼から夜への幕あいにフッと見せた一発芸。数分の出来事なのだが、都会では見られない静謐の瞬間。都会は魅力的な場所だ。レストラン、イベント会場は目白押し、情報の速さ、日常の買い物の便利さは充実した生活そのものだ。だがそれは消費する価値観の話。美味しくもなく、便利でもない、しかし出費なしの贅沢さ。ささやかだけど、田舎暮らしの究極の喜びがこれだ。

703 麻辣(マーラー)の麻

サンショウの実我が家のサンショウにやっと実がなった。黄緑色は7月2日の収穫で湯がいて冷凍して置いた。 臙脂色のが今回10月末のもので、黒い種子は味がなく播種に回す。この地方がサンショウの北限だ。写真の中華皿の分量で四川風舌のしびれる麻辣麻婆豆腐が2回分。豆板醤、豆鼓、大蒜、生姜、長葱、澱粉、紹興酒、鶏ガラスープに胡麻油。メインは湯がき豆腐と豚あばら肉の微塵切り。

702 黄金の晩秋

カラマツの黄葉たくさんの種類の紅葉が終わり、辿り着くのがカラマツの黄葉。重厚でやや照葉のミズナラの褐色や幹だけになったドロノキの銀色を添えて、トドマツの碧い緑のキャンバスに浮き上がってみえる。植物たちが萌え出す軟らかな緑に包まれる季節もいいが、私はこちらの方が好きだ。自然が持つ巧みな意匠力と豪奢な演出。終わりが良ければ総てが善いことを納得させる力量を持っている。

701 東湖畔へのトンネル

東湖畔へのトンネル以前から聞いていた壮瞥くだもの村から洞爺湖へ抜けるトンネルの工事が始まった。完成すると壮瞥町の幹線R453から上立香橋を経て立香へ、またトンネルを抜けて湖畔周回道路へと繋がる。洞爺湖温泉街と洞爺湖町間の三豊トンネル同様、新しい流通路となる。有珠山噴火時の避難路ともなるだろう。左遠景に有珠山が見える。右奥がトンネル入口で、尾根の向こうが洞爺湖。

700 海の嵐

アルトリ岬8月30日深夜の台風20号の風は猛烈だった。(ブログ675、676、378、679)。アルトリネイチャーハウスの福田火山マイスターは海も大荒れだったという。波は標高4m辺りまで流木を押し上げ、多量の漂着物を残し、多くのボランティアが数百袋のごみを集めたそうだ。アルトリ岬へ続く砂地は抉られ、海浜植物の根がむき出しになっている。南東の風と波が直接この海岸を襲ったのだ。