817 風不死(ふっぷし)岳

風不死岳樽前外輪からの風不死岳(1102m)。支笏湖カルデラは4万年前の巨大噴火で形成され、湖の南岸にこの風不死岳が誕生した。次に北岸で恵庭岳が、もっと新しいのが樽前山で約9千年前からの活動だという。氷河期が終わり、縄文時代には若い樽前が成長し続け、風不死は浸食されてこの山容となった。風不死のピークに並んで13km向こうに恵庭岳の溶岩塔を持つ頂上部が見える。

815 ムラサキシキブ

ムラサキシノブ室蘭の絵鞆半島は港の殺風景さに反し、外海に面した斜面には豊かな植物相が見られる。冬の北西の風が遮られる南斜面はいち早く咲くカタクリなどのスプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)に覆われる。チャラツナイの岩礁を見下ろす南向き斜面の窪地にムラサキシキブの大株を見つけた。枝先の赤紫色の果実が秋の陽に美しかった。

814 向こうの火山

恵山大波の打ち寄せる室蘭イタンキ海岸から渡島半島の先端にある火山、恵山(618m)を遠望した。恵山まで直線距離60㎞。恵山は溶岩ドームを持つ小型の火山だが、この数百年に数回の噴火があって、1846年の水蒸気爆発では火山泥流で数十人の死者が出た。直下の海岸線には集落が点在し良い温泉にも恵まれているが、活発な火山でもあるのでハザードマップが作られ配布されている。

813 シータテハの秋

シータテハ秋になって誰も遊ばなくなった裏庭のブランコにシータテハが止まっていた。似たチョウのキタテハはこの地方にはいない。裏面のCの斑紋を見ようとしたが、暖かい陽ざしの中、快活に飛び去っていった。エルタテハはよく見るが、裏庭でのこのチョウは初めて。このまま冬を迎え、どこかの木の洞で眠りながら-20℃を耐え忍ぶ。次の春、またどこかで巡り会えるだろうか。

812 ハイタカがやってきた

ハイタカがやってきた朝、この辺りに住むつがいのハシボソガラスの動きが激しい。鳴き方は緊張した警戒心の表れ。カラスに混じって素早い動きのハイタカが目に入った。向うに見える秋色を増した昭和新山の裾野からこの冬の下見にやってきたのだろうか。縄張りが重なるハシボソガラスも加わって、追いつ追われつの終わりのない攻防戦が小半時続き、やがてゲームは山の方へ移動していった。

811 コルウスくん

Corvusコルウスはカラス座のこと。春の大曲線、アークトゥルス、スピカに続くCorvus がそうだ。Corvus はそのまま分類学上のカラス属でもあり、ハシボソガラスは Corvus corone となっている。このコルウス君、時々眼を開き翼には星が瞬く。伊達市カルチャーセンターのロビーに住む。伊達市出身の彫刻家、渡辺元佳さんの作品だ。昨日私は、向こうの扉のホールで「カラス」についての長生大学の講義をさせていただいた。

809 これぞマイタケ

マイタケ室蘭岳産の見事なマイタケを頂戴した。ちょうど成熟しきって実に新鮮、汚れもなく香りもいい。ハラハラと砕けるのを量ると500g。どう食べようか。出来上がったのはマイタケご飯と豚肉との煮物と、極めつけは網で焙って天日塩を振っての一皿。ご飯が炊きあがったころには部屋中がマイタケの香りで満たされた。これぞ大地の味、野生の匂い。極上の食卓となった

808 嵐のあとで

落ちリンゴ未明から吹き荒れた嵐、台風18号は裏庭のリンゴをあらかた落として、昼過ぎには過ぎ去った。昨年の8月末の10号台風では、800個のリンゴが落とされ、すべて処分したが、今年のは少し色も味も乗っていて思案のしどころ。専業の果樹園を見てきたがこんなに落ちてはいなかった。風よけの生垣、剪定、摘果などに工夫があるのだろう。プロの技だ。私は自然の営みに頭を下げるのみ。

807 誰そかれ

黄昏カラスカラスが塒(ねぐら)へと急ぐ。一日が終わる黄昏どき、カラスたちはそれぞれの縄張りや行動圏から寄り集まって群れて帰る。ヒトはこのような薄暮、「誰そ彼」と声かけ、返事の声を聴き分けて相手を知ったという。カラスも呼び交わしながら、互いに確認し合っているのだろう。

806 モモのジャム

モモジャム今年のモモはスズメバチが来なかったので出来が良かった。いつもはぼろぼろにされるし、家のものは怖くて近づけなかった。品種は「あかつき」で、植えて十年目。皮ごとスライスし、種子を取って5.2㎏、42個分だ。砂糖1㎏振って置き、汁が出たら煮る。混ぜながら2時間煮て、レモン汁をたっぷり加えて完成だ。コンポート風の柔かめ。シナモン風味も一瓶。これが毎年のレシピ。