690 擬宝珠

ギボウシこのギボウシはこの土地在来のもので、旧蟠渓小学校にあったものを管理者に断って株分けさせてもらった、今はやりの「ホスタ」類と違い夏の暑さにもめっぽう強く、この時期にはいつも黄金色に輝いて目を楽しませてくれる。緑から金色へのグラデーションが何ともすばらしい。まさしく宝珠と見紛うばかりの擬宝珠だ。

687 前方後円墳

銚子塚古墳山梨県にある4世紀後半に造られた全長169mの東日本最大級の前方後円墳、銚子塚古墳。北海道では続縄文期に当たる。後円部の石室へと続く回廊にあたる前方の上に立つ。前方後円墳は視覚に訴え、人の心を揺さぶるための構築物であるという。当初、墳丘には樹はなく、すべて枕大の墓石で蓋われ、さらに大型の埴輪で囲まれていたとも。登ってみてこそわかる圧倒的な迫力。

 

686 マタタビ

マタタビ先半分だけ白かったマタタビの葉もこの季節には均一な緑となり、葉陰の果実も充実してウコン色になり良く目につく。手持ちの牧野図鑑(1961版)では語源にうるさい著者が、マタタビをアイヌ語由来とし、知里真志保もアイヌ語としている。古来から多くの語源やいわれが有るようだが、それだけ身近だったのだろう。「ネコにマタタビ」はネコ誘因物質のなせる業だ。

685 三葉虫レプリカ

三葉虫レプリカ足寄(あしょろ)の動物化石博物館へたち寄った。出迎えてくれたのがデスモスチルス。遊泳生活に適応した大型の半水棲動物で、その一種アショロアがこの近くで発見された。大型動物の化石の展示のみならず、市民や学生、生徒に身近な企画を用意してある立派な博物館だ。私は三葉虫とアンモナイトのレプリカ作りをした。一つ200円、30分で硬化する。後は水彩で色付けして完成。

684 素敵な博物館

網走市立郷土博物館田上義也設計の網走市立郷土博物館。旧帝国ホテル新館の設計者フランク・ロイド・ライトの影響を受けたという。モヨロ貝塚を発見し、オホーツク文化の存在を世に知らせしめた米村喜男衛の業績につながる資料を展示する目的で建てられた。赤いドームの丘の上の建物はモヨロ貝塚の森から良く見える。こんな建物のある街に住みたい、と思わせるデザインだ。

683 石炭の露頭

石炭の露頭確か1970年代、冬の札幌はスモッグに覆われた街でした。一年の半分は石炭を焚いていたのです。三笠ジオパークでは奔別(ほんべつ)、幾春別(いくしゅんべつ)、幌内の炭鉱跡がジオサイトになっている。三笠市立博物館裏手のサイクリングロードで見つけた露頭はコークスの原料に最も適した瀝青炭だと説明板にあった。炭化した植物の化石でもある露頭をみられるなんてすごい!

682 切れ味

石器を使う遠軽町白滝にある埋蔵文化財センターでの石器つくりを見学した。旧石器人に扮した名人が見事に出来たブレードで、ソイを調理する。私がブログ671でソイを上身にしたのはよく研いだ料理用包丁だったが、この名人、食にも堪能らしくギトッとひかる石刃でそのまま三枚にし、皮をそいで五枚下ろしまでやってのけた。現代人にしておくのは惜しいね。充分立派な旧石器人だ。

681 破片の情報

石器を作る遠軽町白滝の埋蔵文化財センターでジオパークガイド研修があった。ここは日本を代表する旧石器からアイヌ時代までの黒曜石の補給地である。黒曜石の塊から石刃を作る過程を見学した。石器一つを得る過程でこれだけ破片ができた。この地の遺跡から発掘され、捨てられた破片を3Dの接合作業をすすめ、石核の原型や石器の形を想定し製作のプロセスや道具の情報をも割りだすという。

680 たたらの人

イタンキ浜の砂鉄室蘭のイタンキ浜で天秤棒でバケツを運んでいる男を見た。それにしても重そうだ。砂の中からマグネットで集めたという。蹈鞴(たたら)和鉄の原料で、少年科学館や課外授業のイベントで活躍中の「室蘭登別たたらの会」石崎氏。波の音を背に、砂鉄の産地と成分の違い、炭のこと、手順、出雲のたたら製鉄まで話は尽きない。この人、炉から引き出した「けら」のように熱かった。

679 第二明治新山

第二明治新山「源太穴火口の湖側の林が20号台風の風でひどくやられて」と聞いてはいたがここまでとは思わなかった。ここは1910年(明治43年)噴火で隆起した第二明治新山だ。強い東風はトドマツ林をなぎ倒したばかりではなく、樹幹の途中をへし折っている。湖岸の民家や樹木が無事だったのが幸いだった。「ホテルかわなみ」の厚意でクルーザーに乗船、湖上から撮影。