810 茜色の世界

羊蹄山羽田から千歳空港へと着陸態勢に入ったJAL71便から左翼の下に見えた茜色の山なみ。さすがに秀麗な蝦夷富士羊蹄山(1892m)。その手前の双耳峰は左が徳瞬瞥山(1309m)で右はホロホロ山(1322m)。左奥はニセコアンヌプリ(1308m)。この方向、この高さから見るとこうなのだと頷いた。手前の海岸線は白老港あたりだろう。旅客機の窓越しに小型のカメラでこのように映せる時代になった。

809 これぞマイタケ

マイタケ室蘭岳産の見事なマイタケを頂戴した。ちょうど成熟しきって実に新鮮、汚れもなく香りもいい。ハラハラと砕けるのを量ると500g。どう食べようか。出来上がったのはマイタケご飯と豚肉との煮物と、極めつけは網で焙って天日塩を振っての一皿。ご飯が炊きあがったころには部屋中がマイタケの香りで満たされた。これぞ大地の味、野生の匂い。極上の食卓となった

808 嵐のあとで

落ちリンゴ未明から吹き荒れた嵐、台風18号は裏庭のリンゴをあらかた落として、昼過ぎには過ぎ去った。昨年の8月末の10号台風では、800個のリンゴが落とされ、すべて処分したが、今年のは少し色も味も乗っていて思案のしどころ。専業の果樹園を見てきたがこんなに落ちてはいなかった。風よけの生垣、剪定、摘果などに工夫があるのだろう。プロの技だ。私は自然の営みに頭を下げるのみ。

807 誰そかれ

黄昏カラスカラスが塒(ねぐら)へと急ぐ。一日が終わる黄昏どき、カラスたちはそれぞれの縄張りや行動圏から寄り集まって群れて帰る。ヒトはこのような薄暮、「誰そ彼」と声かけ、返事の声を聴き分けて相手を知ったという。カラスも呼び交わしながら、互いに確認し合っているのだろう。

805 洞爺湖ゼロポイント

ゼロポイント世界ジオパークの洞爺湖。向うに見える対岸から2.6km、中島から800mの洞爺湖のど真ん中。ゼロポイントと呼ばれる岩塊の積みあがった長さ数十mの狭い浅瀬。180mの深さから立ちあがった火山の頂上だ。乗った船は「山だて」をしてやっとたどりつく。周囲約40㎞、優雅な曲線の火山で構成される中島のみならず、探しあてて初めて経験するアドベンチャーワールドがここにある。

803 ソーヴィニヨン・ブラン

ソーヴィニヨン・ブラン三笠ジオパークは化石・地質や炭鉱産業遺産のみならず自然の豊かさも楽しめる。ツーリズム活動を見学にTAKIZAWA WINERYへ足を運ぶ。入り口には フットパス (footpath)の標識もあった。ここではソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc) とピノ・ノワール(Pinot Noir)が栽培されていた。欧州スタイルの垣根方式で、水はけのよい砂岩や泥岩、深い雪が栽培適地の条件らしい。

802 オウムガイのご先祖

アンモナイト三笠市立博物館には巨大なものから微細まで、190種600点ものアンモナイトが展示され、日本一の収蔵量だという。古生代末期から白亜紀まで繁栄した種は、それぞれの地質時代の示準化石となっており、現生のオウムガイの遠い先祖でもある。おなじ頭足類のタコやイカとオウムガイの口器(カラストンビ)、アンモナイトのカラストンビが展示してあり、よく似ていたのには驚いた。

801 1億年前の海遊び

三笠市原石山第2回北海道ジオパークガイド交流会が三笠市で開催され、初日、桂沢ダムの原石山山頂の採石場で説明を受けた。1億年前の浅海の砂が堆積し隆起し、傾斜しているのが良くわかる。水流による海底の撹乱、砂中の棲痕を参加した誰かが見つけた。ここでは二枚貝イノセラムスの化石も出るそうだ。手前がより古い地層だという。谷あいに見える桂沢ダムは1億年前の岩石で作られている。

800 ヒシクイ

ヒシクイ8月30日、ウトナイ湖に立ち寄って居残りのオオハクチョウの写真を撮っていたら、足元にとても大きなガンがうずくまっていた。慌てながらも写真に収めてそっと後ずさりして離れたが、いささか驚いた。傷んだヒシクイとも見えて、ウトナイ湖野鳥保護センターに聞いたら「羽を痛めてこの夏留まっているのが1羽います」とのこと。快復してこの秋仲間たちにあえるとよいですね。

797 八雲層模式地

八雲層北海道南部の渡島半島には、中新世前期の訓縫層、中期から鮮新世にかけての八雲層があり、さらに鮮新世の黒松内層、第四紀の瀬棚層へと続く堆積岩の層理がある。ユーラップ川にかかる清流建岩橋の下流、右岸にある鶴田知也文学碑裏の河床へ降り立つと、足元から対岸の露頭まで続く硬質頁岩と泥岩の互層が水面の下に見える。八雲層の模式地とのことだ。この川と国縫川の硬質頁岩は旧石器時代石器の素材となった。