昨年はこの場所には一株も確認できなかった。2015年には10株ほどあったが、その後見つからず、今年はこの1株だけ。ほぼ同じ場所に復活してくれた。シロヨモギ、ハマエンドウ、ハマヒルガオ、コウボウムギなどの海浜植物に混じって、海の飛沫のかかる場所に咲くニホンタンポポだ。この時期、トッカリショ、マスイチなどの海の断崖にもしっかりと根を下ろしている。
「火山・大地・気象」カテゴリーアーカイブ
907 イタンキ浜を歩く
906 やすらぎの家
2000年3月31日の噴火開始から1週間ほどして、金毘羅山に開いた火口からの熱泥流の噴出が最大となった。やがて熱泥流は流路工にかかる二つの橋を押し流し市街地へと溢れ出た。 ここは手前から向うへ家具が一瞬にさらわれた町営浴場「やすらぎの家」の休憩室。柱や天井に泥流の飛沫が残っている。余勢を駆った泥流はその下の洞爺温泉小学校の校舎を突き抜け、湖岸にまで達した。
噴火遺構として残された「やすらぎの家」の壊れた窓の向こうには、若葉が萌え、青く澄む湖水と雄大な残雪の羊蹄山が望まれる。小学校は隣の月浦地区に移転し、用地は洞爺湖ビジターセンター・火山科学館となった。火山としてはごく当たり前の噴火という自然現象と、それに対応してゆかねばならない私たちの生活がある。自然との折り合いの付け方を考えさせられる。