901 自然な石器

落として石器

田名向原遺跡。旧石器時代の住居遺構の資料を調べに出かけた。遺跡下の相模川の河原でボランティアさんたちが、変成岩のホルンフェルスの手ごろな石を台石に落として、子供たちの石器学習の石斧の材料を作っていた。幾度も落として得られた剥離片を見せていただいたが、石斧に転用できる見事な剥片がいくつも得られていた。

ナッピングによる技法ではない。より自然に得られる石器だ。ヒトの日常はこんなものだったのだろう。原礫面も残っていて、結果だけ見たら人工物なのかどうか迷ってしまうね。たしか、旧石器の金取遺跡の石斧もホルンフェルスだったね。暮らしの中で生活と向き合うヒトの姿が浮かんでくる。