976 冬のヒマワリ

冬のヒマワリ10月30日のブログ959、野鳥の餌台のペットボトルに芽を吹いたヒマワリ。小さな芽を室内の鉢に移し換えて置いたら50㎝程に成長し、気が付いたら花も咲いている。発芽の頃はまだリンゴの葉も芝生も緑だった。今は雪に覆われこの一週間は氷点下。キク科ヘリアンサス属の耐寒性宿根草らしい。ここまで育てた以上、春には花壇に植えねばなるまい。小さな命を預かってしまった。

975 狐岬(北風岬)

狐岬(北風岬)壮瞥滝落ち口から北東に1km、小さな入り江の先にある岬を北風岬と呼んでいた。洞爺湖を渡る冬の北西風がぶつかり、凍てついた「しぶき氷」が見られるからだ。先端は断崖で、溶結凝灰岩の節理が見られる。十数年前、ここにあったキャンプ場の管理をしていた方に「狐岬」と教わり、手持ちの地形図に記入しておいたのを見つけた。この狐岬を回る道が湖畔周回道路だったという。

974 カルデラ壁の岩盤

カルデラ壁の岩盤冬になると例年通り洞爺湖の水位が下がる。壮瞥滝へ導水路から東湖畔方向、広くなった砂利を踏んで先へ進むと、水際だった岸辺のヨシの先、沈んでいた畳一枚、厚さ50㎝もの岩盤が露出していた。洞爺湖カルデラ以前の地層、つまり11万年以前にどこか近い所にあった火山からの火砕流堆積物が溶結したものだという。この岩盤から先は水深50m辺りまで急に深く落ち込んでいる。

973 昭和新山北面

昭和新山北面最近のブログ967で西面、971東面、972南面と続いたので、973では北側からの画像を載せる。平明に言えば豚肉の角切りが乗った中華饅頭のような形だが、見る場所によってその頂の風貌は異なる。さほど大きくはない山だが懐は深く、火山として、また70数年を経っての植生の回復や防災教育などで地域の人々にはなじみ深い。年数回の学習登山会以外は公開されてない。

972 昭和新山南面

昭和新山南面昭和新山の南斜面、斜光を受けるドーム(11月30日14時11分)。南面の屋根山の形成は顕著ではなく、ドーム溶岩が押し上げた堆積層(柳原層)の岩塊や、水蒸気爆発の窪地が見られる。1945年で隆起は収束したが、47年5月2日、「活動停止から2年、一発のくしゃみ状の二次的爆発をして、小火口を作った。新山唯一の残存火口」、と三松正夫の「昭和新山生成日記」にある。

971 昭和新山後頭部

昭和新山後頭部窓から見える11月29日、13:19 の昭和新山ドーム東側斜面。すっかり葉を落とした屋根山のドロノキの上に椀を伏せた形で、遠目にも白く輝く蒸気が見える。大陸の強い高気圧からの北西の風、気温5℃。よく知られた有珠山に面するのが正面とすると(ブログ967)、この画像は後頭部。毎日幾度も見上げる大溶岩岩塊と、隆起時に焼きあげられた天然煉瓦の代赭色。私とほぼ同じ年齢だ。

970 ホザキヤドリギ・2018

ホザキヤドリギ一昨年の台風で痛めつけられた洞爺湖畔のホザキヤドリギ。今年は見事に回復。奥にアカミノヤドリギも見える。自然には破壊もあれば再生もある。この種は道内の記録がないようだ。本州からの野鳥による分布拡大と考えられるが確証はない。このハルニレ1本のみに7株程が寄生しているようだ。

落葉するのでこの時期、黄色く色づいて良く目立つから、さらにもう少し情報があれば飛び地分布の実体がつかめる。

969 冬に抗う・カシワ

カシワ道央自動車道の伊達インター近く、牧草地なのだろうか、その中にひときわ目立つカシワの樹があった。カシワは冬季葉を落とさない。葉を付けたまま北西からの寒風に耐え春を待つ。コナラ属(Quercus )、とりわけカシワの葉の離層の形成が遅く、維管束が秋以降も活動しているからだという。そう言えばミズナラの落葉も遅い。この樹ともう一度、雪原の中で出会うのが楽しみだ。

968 寒スズメ

寒スズメ朝の光を斜めから受けて寒スズメ。雪景色になって寄り集まり、個体群としての群れ生活が始まった。家の前のジュンべリーに30羽ほどが集まって、枯れた草地と行き来している。誰かが驚いて飛び立つと自分も飛び立つ。一つのいのちが互いに数十の目と耳を持って身を守る。葉を落として裸になった林の上空には、腹をへらしたハヤブサの眼がある。冬は、みんな必死に生きる季節だ。

967 新山ドームにも初雪

昭和新山ドーム三松正夫記念館の前庭からのドーム西面。頂上、サンゴ岩、ドームの隆起が始まった第4火口の縁が見える。今朝の初雪が残っていて、最後の黄葉に縁どられた岩肌が、岩肌に滲みこんだ初雪と、沈まんとする夕陽を受け赤く染まっていた。1945年に隆起し始めたドームは、今年で74歳。溶け残った初雪と、葉を落としたドロノキの白い幹は、ドームに齢相応の白髪、白鬚のようだ。