255 北のハマユウ

ハマユウ数年前、室戸岬の砂浜で拾ったハマユウの種子が縁あって北の大地で花を付けています。昨年も咲いてくれましたが今年は一段と見事な花を付けました。夏季は外ですが、やはり寒さに弱く葉はすぐに寒冷障害が出ます。南国から連れてきたこの命、粗末にはできないね。いま茎の下部が直径20cm近くなりました。さらに大株になってきたらどうしよう。責任を感じるな~。

253 サクランボウのフラン

サクランボウのフラン粒よりのサクランボウ。種子はオリーブの種抜き器で取り、φ20㎝の型には70粒、18cmには50粒を詰め込んでタルト型でフランを作る。注ぎ満たすアパレイユは生クリーム、ミルク、砂糖、全卵、そして味を引き締める多めのレモンの搾り汁。180℃で35分程焼くとマーブル模様の焦げ色が付いて、後はナパージュで照りを付けて完成。「桜桃色」は薄れるが、濃厚な旨味と食感はこの果実の数少ない焼き菓子の覇者。

252 幾星霜

リンゴ「祝」壮瞥町浜田農園のリンゴの古株。碑には、品種、祝(いわい)明治23年(1890年)とある。120年前に開拓に入った先人が雄図を託して植えたひと株である。かくして今、20軒の果樹農家がここに集約し、イチゴ、サクランボ、プラム、洋ナシ、リンゴなど多種多様な豊かな美味を生産し、果樹の町壮瞥の名を世に名を知らしめる礎となった。今はサクランボウが見事に成熟し、樹の下から国際色豊かな歓声が聞こてくる。

251 ジューンベリー

ジューンベリー灌木の苗を探して辿り着いたのがこの樹。名前に惹かれ、味も楽しめると言うので植えて、翌年の収穫がこのとおり。穏やかな酸味と旨味を備えた甘さは私好みで、この賜り物は見事な赤紫のジャムと相成った。バラ科には珍しい白く細長い花弁をしていて、冷たい風に振るえる様はひよわ気に見えるが、鮮やかな緑にうつる熟し切った色は格段に個性的だ。飾らない、か弱さの中から滲み出る存在感。

250 漂泊の果て

キショウブ昭和新山の隆起で出来た新山沼。朝の光に輝くキショウブ。この見事に黄色いIris属(アヤメ属)の種は元来、ヨーロッパに一般的な種で、花弁の美しさから近世になって日本にやって来た。イギリスの図鑑には「Throughout, except Iceland and Spitsbergen」と書かれている。要注意外来生物に指定されているようだが、ここはアイスランドやスピッツベルゲン程極北ではないので、北海道の湿地はこの花に彩られるだろう。

249 まどろむ湖

洞爺湖朝の霞みの中の洞爺湖。風も吹かず音も無い。ニセアカシアのあまい香りが溜っている。透明な蜂蜜に溶け込んだような世界だ。アズキナシ、トチノキ、ホウノキ、次々と花が咲き、散って、ひとつずつ時間が過ぎてゆく。すべてを纏めてこの瞬間だ。この一瞬を私たちは待っている。

247 ツタの戦略

吸盤のような9年、外壁にツタの苗を5本植えた。その年60cm位伸びたが、か弱く将来に不安を感じセロテープで補強した。豈図らんや、翌年からの成長の勢いは見事で、コンクリート打ちっぱなしの壁面を夏は緑に、秋は見事な紅葉となって楽しませてくれる。吸盤のように見えるのは葉が変形した部分。やがて樹脂を分泌し固着する。茂った葉蔭には小さな五弁の花が咲き、甘い匂いがし、いく種類ものハチがやって来て、耳鳴りのような音が窓から飛び込んでくる。

246 海蝕洞

海蝕洞海蝕洞を見つけた。静狩・礼文の中間点。ハイアロクラスタイト(水冷破砕岩)と思われる岩盤の割れ目に沿って浸食が進んでいる。面白いことに崖の上から植物が下りてきている。陸上の草本と海中の褐藻類がこんなに間近に存在している。近くのタイドプールには海草のスガモも。豊かな生きものの世界が太古のままに、ごく当たり前に存在している。この自然の在りようを私たちは大切にしなければならない。

245 棲み分けて

潮間帯秘境の駅「小幌」下車、小幌洞窟遺跡と自然を探る観察会に参加した。みどり香る初夏の小幌海岸、大潮の海は水位が下がっていて、潮間帯の観察にはもってこいの一日となった。潮間帯上部のムラサキインコ、その下部のイガイのすみ分けラインがとてもはっきりしていて、それに伴って生育する生物群集がよくわかる。潮上帯、飛沫帯の生きもの達、潮下帯のワカメ、コンブなどの褐藻類も含め、海の生きものの世界でもここは秘境である。

242 シウリザクラ

シウリザクラ私の好きな花。たくさんの花をつけた総状花序をもち、そのグラデーションが爽やかだ。今年は春が遅く、そのとばっちりで初夏が一気にやってきた。気が付いたらこの花の盛期。季節を探して野山を歩いていたはずだが、今では季節に追い付くのがやっとだ。眩しく見上げると、トチノキもホウノキも六月の風をうけて、もうすでに終わろうとしている。