294 ジオの醍醐味 投稿日時: 2013年11月2日 投稿者: nizaemon 我が洞爺湖有珠山ジオパークでは、食分野でもプロジェクトチームが発足している。今回の会議は当ジオパークに協賛してくれている豊浦町のピザ専門店 Namiheyで開かれ、ホットサンドのお披露目も行われた。入江・高砂貝塚の約5000年前の出土品のホタテの貝殻をかたどったホットサンドだ。大ぶりの中身はボイルホタテ丸々一個分と御当地のタマネギのソース。時の流れと大地の豊穣、海の潤沢が伝わって来る。
292 空蟬 投稿日時: 2013年10月29日 投稿者: nizaemon 秋の陽をうけ緋色に輝くツタウルシに、エゾゼミの抜け殻が雨と風の中、落ちもせずしがみ付いた。暑かったこの夏のいのちの名残り。現人(うつしおみ)が転じて「うつそみ」となったというが、言の葉は生きもの蝉の抜け殻と結びついたあたり、たまゆらの時の流れをしみじみ感じる。夏の朝、薄衣一枚を残して17歳の光源氏の前から姿を消した空蝉は、自らの矜持を捨てはしなかった。
291 綴れ錦の 投稿日時: 2013年10月24日 投稿者: nizaemon 洞爺湖中島へ出かけた。エゾシカの食害で林床の植生はいたって貧弱だが、それでも人手がほとんど入っていない樹冠の色の贅沢さがここにある。博物館桟橋の向こうに見える西山、それぞれの樹種が異なる色で秋を迎えている。エゾ、トド、ストローブマツの濃緑、カツラ、カンバ、ハリギリの鬱金色、そしてミズナラ、トチノキの代赭色。一枚仕立ての綴れ織り。出かけて見なければわからない豪奢そのもの、錦繍の秋。
290 落暉残照 投稿日時: 2013年10月22日 投稿者: nizaemon この夏の強かった日差しを耐えて、権勢をふるっていたギボウシも、此の処の朝夕の冷えと冷たい雨にあたって、一気に色づき始めた。墜ち行く者の光芒、枯れ行く前の高揚がそこにある。ギボウシは「擬宝珠」。日本の品種はシーボルトによってヨーロッパに伝えられ多くの園芸種となり、ホスタと名を変えて再渡来した。若葉の生命感もいい、派手すぎない花もいい。しかし、この透明な琥珀色は命が昇華する色だ。
289 黄金色の香り 投稿日時: 2013年10月22日 投稿者: nizaemon マルメロが生った。一昨年苗木を2品種植えて、今年2本の樹で4個の収穫だ。やっと香りが出始め、収穫まであと1、2週。脳髄にじわっと浸みてくる甘い香りが待ち遠しい。原産の中東諸国には沢山のレシピがある。その名から出たというマーマレード、つまりジャムを作るつもりの栽培だ。ペクチンを充分に含んでいるから、そのとろみを凝縮させて砂糖をまぶしたゼリー菓子Marmeladaもいいね。
288 ドロノキの白 投稿日時: 2013年10月14日 投稿者: nizaemon 有珠山山頂を遠くに見て昭和新山の斜面と麓に生育するドロノキ。よく晴れた秋の陽を受けて葉を落とした幹の白さが良く目立つ。パークゴルフを楽しむ人影と比較すると樹に大きさが分かる。昭和新山が噴火し、70年も経つとこのような林となる。ブログ287の裏側の風景。
287 昭和新山、秋時雨 投稿日時: 2013年10月13日 投稿者: nizaemon 葉を落としたドロノキが昭和新山の斜面に白く広がっています。70年前、噴火で植生がリセットされた斜面にパイオニアツリーとして最初に生育した樹です。綿毛に包まれた微小な種子はその年の内に発芽し、森の主要メンバーになりました。ドロノキは秋、最初に落葉します。「順次開葉型」のこの樹は一番新しい葉を残して、被陰された葉はすでに落葉してしまいました。ドロノキの存在量を見るのに良い季節です。
285 名残りの白菊 投稿日時: 2013年10月11日 投稿者: nizaemon コハマギク。削られ、埋め立てられて、有無を言わさず作った漁港の、分厚いコンクリートと鉄錆の隙間に咲いていた。室蘭の外海に面したあの懐かしい追直(おいなおし)の浜は消えてしまった。沖合にあったニラス岩は防波堤の続きとなり、あれだけ広かった砂浜は砂粒一つ残っていない。昔、海草研究所のあった崖のあたりで、弱い夕陽を受けている一群のコハマギクを見つけた。懐かしさと侘しさが滲んだ白だ。
283 木陰の炎 投稿日時: 2013年10月2日 投稿者: nizaemon この季節遠目にも気付くマムシグサの赤い実。テンナンショウ属の有毒植物だ。蓚酸カルシウムなどの毒成分により、一粒食べても口の中に灼熱感と激痛が走るという。洞爺湖中島の増えすぎたエゾシカの食害からも逃れている。ミノカサゴ、サンゴヘビなどと同様派手な色彩で自己の有毒を喧伝しているようにも見える。生態系という時空の中での進化の妙味だ。澱粉を含む塊茎は救荒植物だともいう。古来ヒトは無毒化させる手法を考案しながら食の文化を築き上げたが、それだけ過酷な自然を生きてきたということなのであろう。
279 リンゴとカラスと釣竿と 投稿日時: 2013年9月23日 投稿者: nizaemon カラスに裏庭のリンゴを落とされて収穫が減ってしまった。今朝もまた荒らされて、それも私の好きな早生の津軽と王林。思い立って取り出したのが、以前芦ノ湖でコイ釣りに使っていた4.5mの愛竿。ABUのリールにはまだ200mの釣り糸が残っていて、竿先を操りながらクモが巣を作るように10数本の樹に糸を張り巡らした。カラス達はいま冬に向けて群れを構成中でいくつもの集団で出没している。個体間の順位もこの時期に決まる。カラスも私も冬の準備中。