380  トクサ(砥草)の穂

トクサ昭和新山鉄道遺構公園のトクサの群落で胞子穂のあるトクサを見つけた。シダの仲間といわれると違和感があるがツクシに近いというなら納得できる。ツクシと同じく球果状の「胞子穂」を先端に付け、その茎は濃緑色で光合成をする。表皮はケイ酸を含んで硬く、紙やすりのように木工の過程で研磨剤として使われた。子供の頃、この茎を束ね丸めて束子代わりにしていた。爪を磨くマニキュア材だったことも覚えている。

379  ルバーブの種子

ルバーブ移植したルバーブに種子が付いた。まさしくタデ科の種子の形でイタドリの種子によく似ている。原産はシベリア、北アジアだそうで、北海道は栽培の適地で、最近になってやっとジャムやパイに使われるようになった。茎の赤い品種が欲しいところだ。イギリスヨークシャー地方のルバーブは色と香りでことさらその名も高いが、2~3年物の根から薄暗い温室で促成栽培するとのこと。なかなかの困難さがつきまとうようだ。

378  北の庭

北国の庭6月の末、家の庭にジギタリスが咲き始めた。その隣にはイトラン(ユッカ)が花穂を伸ばし始め、w・モリスのデザインで有名なアカンサスも葉を展開させている。向うにはアルケミラモーリスの黄色い花。奥の巨大な葉の青系ホスタ、その名もビッグダデイ。北国の昔の庭はダリア、グラジオラス、スズランなどと相場が決まっていたが、今は多様な花を楽しめる。

376  生誕70周年

昭和新山ドーム壮瞥の街並みからの昭和新山。三松正夫記念館から見えるそびえ立つような山容が表なら、これは裏からの姿。70年前の6月23日、この町のはずれのフカバ集落から噴煙が噴き上げこの山の誕生となった。山裾は緑に覆われている。70年の森だ。ドームはまだ地熱が補給されていて水蒸気が上がっている。真ん中あたり最も強く蒸気が見えるのが「亀岩」。頂上への中継点である。

373  洞爺湖ミント

ミントこのミントに出会ったのは10年ほど前。湖岸に露出した岩の縁に毎年10株ほど見つける。時には水没し、冬の根は凍結する。全縁の丸葉のミントで、調べたが種類は不明だ。鮮烈な味のミントでこの季節、葉一枚の香りを楽しみにやって来る。秋には種子を頂こうと思うのだが夏の暑さにやられた脳はチャンスを逃がす。暑気払いに湖岸でモヒートを楽しむには量が少ない。私も含めた微妙なバランスが成立している。

371  六月の風に

羊蹄山留寿都町から喜茂別町への途中、北海道らしい風景を見つけました。羊蹄山には根雪が残っていますが、麓の畑ではもう野菜類の作付けが始まっています。数日前、私の住む壮瞥町でもカッコウの声を聞きました。もう何を植えても心配ありません。吹きわたる風は軟らかく丘陵地帯には鮮やかな緑が復活しエゾハルゼミが鳴き始めました。北海道はこれから一気に夏に突入です。

370  いのちを繋ぐ

s-DSC_5407カワガラスが気になって(ブログ368)再度足を運んだ。3年ほど前から継続して観察中のポイントだ。親の給餌の回数がぐっと減ったのは独り立ちの時を迎えたからだろう。いつものフキの根元でもう当てにできない親を待ちながら、無数に飛び回る蚊や流れてくる虫をついばんでいる。年老いたハシブトガラスがこのヒナを狙っている。老獪なやつだ。一気に飛び込んで引っさらうつもりだ。でも、雛には水中へ潜る手がある。

369  開拓地の火山

羊蹄山倶知安町からの羊蹄山はこう見えた。セイヨウタンポポと古びた小屋と斜めの樹。穏やかで間延びした風景が北海道だ。古羊蹄山が10万年から5万年前にでき、一度山体崩壊して1万年ほど前までの山頂や山麓での噴火で現在の新羊蹄山ができたという。この数千年間は活動を休止してはいる。火山としてはまだ壮年期の山だろうから今後も噴火を繰り返すだろう。噴火が起こったらこの風景はどう変わるのだろうか。

367  リンゴの花が咲いて

リンゴの花「若葉香る五月の庭 リンゴの花咲き・・・」懐かしい歌だ。仲間たちとよく歌ったし、合唱曲として聞くのも好きだ。今日一日、風香る五月の末にしてはいささか冷たい風で、寒暖計の赤いアルコールは7℃。写真はわが家の早生のリンゴ「つがる」で毎年花付きがいい。「ふじ」の仕立て方は下手で、ジャムにしショソンを作る大切な樹なのだが。来年は良くなるだろう(と思っている)。

365  目覚めのサラダ

サッポロマイマイ暗く湿った落ち葉の下で半年の冬を越し、やっと目覚たサッポロマイマイ。だがここ数日の北風に身をすくめてしまったか。春の気候は気紛れだ。オオウバユリの軟らかなサラダ模様に身を預け、あとひと眠りしたいのか。角出せ槍出せ、目覚めよ、春だ。