785 イワガラミ 投稿日時: 2017年7月14日 投稿者: nizaemon 有珠山山頂駅へのロープウエィから下を見ると、深い落葉樹林の樹冠を覗ける。幾度もの噴火と降灰を経て現在に辿りついた森だ。樹高はいずれも15mを超えている。100年位とも見えるドロノキ大王も寿命に達し、大風を受けて大往生した。ホウノキ、ハリギリなどの大木の樹冠を真上から見るのは愉快痛快この上もない。大木をよじ登り、わずかな陽光を得ようとする純白のイワガラミの、一途で強かな矜持を垣間見た。
784 カシグルミ 投稿日時: 2017年7月14日 投稿者: nizaemon マイスター仲間から「これ何ですか」とスマホを見せられ、場所を聞いてやっと気が付いた。「カシグルミ」、そう菓子胡桃。セイヨウグルミとも、簡単に手で打って食べられるので手打ちクルミともいう。長和から壮瞥町への道道453線から昭和新山へと分岐する交差点付近に数本のカシグルミがある。秋、路上に落ちた実は誰も拾わず、カラスが空中から落として味わっている。
782 満ち足りて 投稿日時: 2017年7月7日 投稿者: nizaemon 私の大好きなブドウ、ポートランドのつるが戸口まで延びてきた。つるの先端、小さな葉の縁に水滴が並んでいる。夜の間に吸い上げた土中の水分の余剰分なのだろう。栄養塩類を含んだ水分は根毛からつるの先端まで運ばれ、鋸歯の先端の水孔から排出される。植物体にみなぎる液体。この循環ポンプは優れものだ。生命=エネルギー。
780 ドロノキの綿毛 投稿日時: 2017年7月6日 投稿者: nizaemon 7月初旬、有珠山の木立に綿毛が飛んでいる。ネコヤナギが終わり、ドロノキの柳絮(りゅうじょ)が風に乗る。 この春の大風で倒れたドロノキの雌株に小さな花がついていて、季節に違わず綿毛を付けた。強いいのちを感じられる。緑から黒に色を変えた蒴果が弾け、閉じ込められていた綿毛が陽に光る。綿毛に包まれた種子はゴマ粒より小さい。荒地に先駆けるパイオニアツリ-だ。
779 ハスカップ2品種 投稿日時: 2017年7月2日 投稿者: nizaemon 7月になって庭のハスカップが美味しい。左は14年前に買ったまさしく本場、厚真産の高さ1.6mの大株で4株ある。右はその後、通販で買った背の高くならない株で1株。葉が大きく柔かく葉の両面に細毛がある。違いは実の大きさで左品種の大きめの実は10粒10gr、右の大きめのは17grだった。味は同じ。この品種の違い、何処に由来するのか。美味しい1年分の赤紫のジャムになる。
777 野の菜・アカザ 投稿日時: 2017年6月27日 投稿者: nizaemon インド、中国、日本と渡来したともいう。古くから野の菜、つまり野菜であった。ホウレンソウ、スイスチャードもアカザの仲間で、味わってみて頷ける。少しほろ苦い程度で嫌味はない。栽培法や品種改良を重ねると、アスパラガスや空芯菜のように、フレンチや中華の調理法の中から食材として返り咲くかもしれない。その由来はどうあれ、和風にこだわる必要はない。
775 ハマヒルガオ 投稿日時: 2017年6月26日 投稿者: nizaemon 伊達市西浜、砂浜の奥にハマヒルガオの群落を見つけた。肉厚で照り葉なのは海浜植物の特性だ。吹きつける塩分を含んだ飛沫や風、強い日射から体内環境を維持するための防御策。縁どりのある濃いグリーンに放射柄の明るいピンク。これは不安定な砂地でいのちを繋ぐための自己主張でもある。目を引く夏柄のワンピース。過酷な環境に生きる者の強かでビビットな世界。
773 ポンアヨロ海岸 投稿日時: 2017年6月15日 投稿者: nizaemon 白老町のアヨロ鼻灯台。アイヌの伝承の地「神々が遊ぶ庭」に接し、縄文時代から継続している遺跡がある。 今は干潮時で潮下帯のコンブ、スガモ、潮間帯のアオサ類、ウミトラノオや飛沫帯のカサガイなどが種類を異にし、色を変えてすみ分けている。 砂利浜の上の岩盤はクッタラ火山から溶結凝灰岩で、押しつぶされた軽石が見られる。褐色のバンドは地質図のポンアヨロ浮石層に相当するようだ。
772 アサクラサンショウ雄花 投稿日時: 2017年6月11日 投稿者: nizaemon この地はサンショウの北限に近い。なんとか山椒の実を庭先で手に入れようと思い野生の実生を含め10数本植えてやっと2本の雌株を得たが、昨年実を収穫したのは市販のアサクラサンショウ、ルーペで花序を観察して驚いた。なんと雌雄同株だ。アサクラサンショウ、ブドウサンショウは雌雄同株の品種なのだ。あと1株は棘のある在来種。写真は昨年実を得た株の今年の雄花。
771 リンゴの始まり 投稿日時: 2017年6月11日 投稿者: nizaemon 薄紅色のリンゴの花は、2週間もすると花梗は伸び子房もこんなに膨らむ。産毛が生えているけれど、いっぱしリンゴ気取りで、ほのかにリンゴ色もにじみ出ている。一つの房に1個だけ、真ん中のを残してあとは取り去る。落花狼藉が可愛そうなのでこの時期になって間引くことになる。この樹は早生の品種「ツガル」。9月末には見事に色づいて、リンゴの季節到来を告げてくれる。