985 シカ散策路・火山遺構

火山遺構洞爺湖温泉街にある洞爺湖ビジターセンター・科学館の山側には「有くん火口」、「珠ちゃん火口」をめぐる2.2㎞のフットパス、金比羅山コースが整備されている。泥流の被害に遭った町営浴場と5階建てのアパートが保存展示されているが、コースは4月19日まで冬季閉鎖期間中だ。説明板のある堰堤の上から見る遊歩道の上はエゾシカの足跡でいっぱい。この数日のことだろう。

981 光るいのち

ニシンのうろこはるかむこうの銀河の光芒だろうか。これはニシンの鱗。すべての色を吸収しかつ反射し、私の指先で陽を照り返えす。近くの港に揚がり、俎板に残った直径10mm、数十枚の生臭い鱗だ。燦然と輝くミクロの虹の色。地の闇に輝くオパールにも似るがこれは命。人知れず、自らに発するいのちの輝き。無辺の海の暗闇にさんざめく燐光。美の神は細部に宿りたまひぬ。

979 ニシンの酢漬け

ニシンの酢漬けいいニシンを見つけ躊躇せず買った。一尾0,5kg、体長40㎝の立派な男振り。輝く鱗が残っている。機会を逃さず塩で締め、酢、塩、砂糖、玉ねぎ、人参、スパイス、ハーブで酢漬けにした。参考の北欧レシピでは young herring だが、この際たっぷりと戴こうではないか。白子は濃い味の醤油煮とし酒の肴に。写真の2匹はフィレにしてしっかり冷凍、二日後には刺身となる。旨いぞ。

968 寒スズメ

寒スズメ朝の光を斜めから受けて寒スズメ。雪景色になって寄り集まり、個体群としての群れ生活が始まった。家の前のジュンべリーに30羽ほどが集まって、枯れた草地と行き来している。誰かが驚いて飛び立つと自分も飛び立つ。一つのいのちが互いに数十の目と耳を持って身を守る。葉を落として裸になった林の上空には、腹をへらしたハヤブサの眼がある。冬は、みんな必死に生きる季節だ。

960 エグリトビケラ

エグリトビケラ幼稚園の小さな池で、ヤゴや小型のゲンゴロウに混じって不思議な生き物を見つけた。はじめはニンギョウトビケラが、砂礫がない環境で巣材を手ごろな植物の破片で間に合わせたのかと思った。でも、近くに同じような形で切り取られた落ち葉が見つかった。10固体、画像として収め(画像の野帳右ページ)、調べ直したら、どうもエグリトビケラの幼虫らしい。身近にある面白ワールド。

958 燻製を作った

ベーコンを作る市販のベーコンが実に不味い。地元の旨いバラ肉3本に天日塩をたっぷり刷り込み、冷蔵庫で5日間塩漬。スパイスは粗びきペパー、ミックスハーブのみ。5時間水に浸けて塩抜きし、1日乾燥。65℃まで温度をかけ燻煙は4時間。料理に使える上出来のベーコンができた。ことのついでに地元の魚も燻しあげ(上段)、途中で取りだした北海道産プロセスチーズもごらんの通り(下段)。

957 Apechthis sp.

 Apechthis  sp窓際のアジアンタムの陶器の鉢にヒメバチがとまっていた。産卵管を伸ばしているが、動かない。何を考えているのか。書棚に手を伸ばし、図鑑をめくる。この属には多くの種が含まれていて、これかなという種もあるが確かな種名は分からない。ヒラタヒメバチ sp. 止まり。Web 上で探ってみたが、その分類の微に入り細を穿つ奥の深さに脱帽するのみ。撮影後は高く澄んだ秋空へ返却。

950 洞爺湖饅頭島

洞爺湖饅頭島洞爺湖中島の南に300m離れて浮かぶその名も饅頭島。直径は200m。地形図で見ると湖底60mから急傾斜で持ち上がった山の頂上に当たる。当然、小さな火山の山頂で、噴火は約5万年前の話だ。中島から少し離れているので、シカは泳いで渡れず、植生は豊富だという。蛇が多い島だという噂があるが、ならば餌は何か、怪しい話だ。東側の切り立った深みで巨ゴイを見たことがある。

944 シダクロスズメバチ

シダクロスズメバチ近所のおチビさんの母親から緊急の電話。「3か所ハチに刺されたみたい」。踵と両手の親指の付け根が赤く腫れて痛みをこらえている。母親に退治された個体を調べたら、頭部の斑紋からシダクロスズメバチ。ジバチだ。刺された現場はアカマンマの生えた斜面。巣があるらしく数匹が飛び交っていた。少したって確認したら痛みは引いたという。安心。ハチに手向けのモモの上で撮影。