1031 北の佃煮

北の佃煮旨い佃煮を北海道自慢の海の幸で作った。昆布巻きや鱈子製品など、市販品は仰山あるけれど、すべて保存料などが入っていて、特に化学調味料の喉元に纏わりつく後味がいただけない。生(き)のままで食べても充分に美味しいのに。厚手の昆布とお馴染みの身欠き鰊。7月に摘んだ青い実山椒と裏庭の唐辛子、すべて地のもの。濃い味に仕立てて、これでどうだ。

1030 シメ

シメ窓際で新聞を読んでいたら、突然ガラスに音がして、瞬間細かい羽毛が飛び散った。枯れ葉の上にシメが落ちている。毎年のことだが、北から渡ってきて間もないこの時期、不憫でならない。経験少ない若鳥なのか、何かに追われてなのか。音の瞬間を聞き分けて、ここをなわばりにしているハシボソガラスがこちらに向きを変えた。シメの体はまだ暖かく、眼には明るい空が映っていた。

1028 ブリコ・ハタハタの卵塊

ブリコ白老町のポンアヨロ川の河口で、打ち上げられた海草に混じるハタハタの卵塊を見つけた。ブリコだ。10匹分位か。煮魚の卵は納豆のように糸を引きとろみがあるが、いったん海中に産卵された卵塊はゴムまりのように丸く硬く、弾力もある。随分むかし、浜で拾い集め茹でてバリバリと音を立て食べた。資源保護のため山形、秋田、青森の各県では採捕、所持、販売が禁止となっている。

1023 隣のキタキツネ

キタキツネ裏庭のリンゴの木の下をキタキツネが横切った。落ちリンゴを鼻であしらって通り過ぎる。カメラを手に裏木戸から飛び出すと待ち構えたように立ち止まって、何か言いたそうな目つきをする。幼さが残る若いキタキツネ。ブログ1005,1012のあの子か。とすると、親からなわばりを譲り受けたのだろうか。健康そうだけれど、-20℃、地吹雪の吹きつのる、長い厳しい冬がやってくるぞ。

1020 カレイ三役、揃い踏み

北のカレイ見事なカレイを三尾もらった。それも、今朝定置網から揚がったばかりの御誂えサイズ。上からヒラメ、マツカワは5枚におろし、刺身、ソテー用に冷凍。腹子のあるイシガレイは煮付けに。冬は魚の旨い季節。マガレイ、ババガレイ、ソウハチ、クロガレイ、スナガレイ、ヒレグロ。みな味が異なり全部美味しい。北海道はカレイの形だと聞いた。カレイ王国であること間違いなし。

1017 北寄貝の燻製

北寄貝の燻製長万部・静狩産の北寄貝を燻製にした。外套膜、貝柱、中腸腺を取り、斧足のみ。贅沢極まりない。素材の味を生かそうと余計な味はつけず、濃い塩水で瞬間ボイルして一日室内で乾かした。ついでにフクラギ。これは此の辺りの呼名で、ブリの幼魚だから脂も旨みも薄い。ふり塩、一夜干しだ。75℃に設定し1時間の軽い燻製。海の滋味が燻香となって口から鼻へと抜ける。旨いぞこれは。

1016 回帰するいのち

シロザケ豊浦町貫気別川にあるインディアン水車。川の流れを利用してサケを捕獲する方法だがここでは電動。採捕後採卵され、孵化、放流、4、5年後に母川回帰となる。回帰の生理学的メカニズムは単純なものではないようだ。耳石や遺伝子解析などをもとにオホーツク、ベーリング、アラスカ湾を巡る回遊ルート明らかになってきたとのこと。壮大な旅の最終章。この面構え、ただ者ではない。

1015 エビガラスズメの幼虫

エビガラスズメ丸々太った芋虫が道路を横切ってゆく。人差指くらいで8㎝もある。二匹に道端まで御出で願って撮影。色にはバラエティがあるらしい。蛹になる場所を模索中だったのかもしれない。見事な生き物に出会った。親もまた迫力を持った蛾で、夕方耳元近く風を切って「ブーン」と小気味よく飛ぶ。揚げて食べると美味しいと読んだことがあるが、食指は動かない。昆虫食の草分け。本当かな。

1012 子ギツネ

子ギツネこの春、親の後をコロコロついて回っていた時は、遠目には犬の子。こうやって藪の切れ目からこちらをじっとうかがう姿は、もう立派な野生のいのち。単独行動は独り立ちへの予行演習だが、今日、餌に有り付けたかどうか。無事成長して縄張りをもてるのは、10頭に1頭もいないだろう。私の日常とは付かず離れず、そんな間柄で一緒に住める環境はうれしい。

1011 エエネソウ

エエネソウ有珠湾の入り口をガードするようなポロモシリ(大きい・島)とモシリ遺跡のありシピタルモシリ(レプタモシリ)との沖合200mの岩、エエネソウ(とげとげのある岩)。海鳥の糞で白く目立ち、Google Earthでも確認できる。潮位が低いので潮間帯の生物が観察でき、見事に成長した粒よりのイガイの群落がみられた。藻類が生育した褐色部分は潮間帯で満潮時には水面下となる。