150 ベニテング一家勢ぞろい 投稿日時: 2012年10月31日 投稿者: nizaemon ベニテングタケの赤ん坊から壮年までの勢ぞろい。前出のは老年だろうからこれで一族総出演ということだ。紅色の傘の上の白点は傘を包んでいた「つぼ」の名残りだ。昔はハエの捕殺に用いられたと言うが、毒性は激烈ではないと言う。でも毒キノコのサンプルみたいな蠱惑的な色は、何を意味するのだろうか。虫を呼ぶ誘因のための色なのか、動物への警戒色なのだろうか。
149 アカミヤドリギ 投稿日時: 2012年10月31日 投稿者: nizaemon 洞爺湖岸の月浦にある森林公園に出かけたら、大風で落とされた色とりどりの落ち葉の中に、アカミヤドリギの一枝が落ちていた。近くには宿主となっていたイタヤカエデの黄色い葉を付けた太い枝もある。荒れた後の見つけもの。果実はヒヨドリ、レンジャクなどの野鳥が好み、未消化の種子は粘液の糸を引いて鳥の肛門から樹の枝へと絡まり、そこで発芽し根を張ることとなる。
147 釣りの情景 投稿日時: 2012年10月27日 投稿者: nizaemon 日本全土で四季折々、釣りごころある老若男女が釣りに呆けける。いや釣果で糊口を凌いでいるのかもしれない。北海道室蘭の港。ここではワカサギの10倍も質量のある「チカ」と言う、旨い魚を釣る。「唐揚げだけさ」と謙遜するけれどその香ばしい味はなかなか。三枚にし干して炙って食すれば、キスの旨さをも凌ぐ濃厚な旨味が戻り香となって鼻孔に伝わる。釣人はそんなことなど考えず、一心に釣りをする。今日は南の強い風。北国の和みの一日。
139 キノコのお家 投稿日時: 2012年10月20日 投稿者: nizaemon 洞爺湖中島の博物館桟橋近く、土が流れてむき出しになった木の根の穴の中に、小さなキノコが肩を寄せ合ってうずくまっていた。これはキララタケ。若い個体はきらきら光る白い雲母片のような粉を付けていてこう呼ばれる。命短いヒトヨタケの一種。この島の植物は増えてしまったシカにやられて壊滅状態だ。このキノコ、シカの好みは知らないが、このシェルターの中なら安心だ。空っ腹のシカも可哀そうだが、逃げ込んだキノコも哀れ。
136 ニッチの神様 投稿日時: 2012年9月27日 投稿者: nizaemon 8本脚だから昆虫ではない。クモ・蜘蛛(ちちゅう)類の、これはオニグモ。北国を代表する親指の頭ほどの体躯の大型のクモ。子供の頃一人でいるときは良くこれで遊んだ。転がして丸くすくんだのをカニを捕まえるように剛毛の生えた肢ごと摘まみあげ眼を近づけて観察した。そう言えばこいつは蟹類に近い。毛ガニほど大きなクモなら美味しいかもしれない。空を飛翔したりはしないが、想像もしえない中空と言う空間に生活の場を獲得した偉大なる覇者。
135 トルコ玉の秘密 投稿日時: 2012年9月26日 投稿者: nizaemon この実が食べられないことは誰に教えられることなく、子どもの頃みんな知っていた。いつもある野生の色としては群を抜いて違和感のある色と思っていた。トルコ玉の色を知ったのはずいぶん後のことなのだが、いまでも草むらで見つけてハッとする。この植物、ノブドウ本来の果実は小さく緑色だが、タマバエ類の幼虫が住み付いたことで出来た虫えい(虫こぶ)に由来する。こんなに目立つ色を持つ理由は生態系の中でどのような意味を持つのだろうか。
130 先史を釣る 投稿日時: 2012年9月24日 投稿者: nizaemon この小さな流れ込みは法的にはサケが遡上する川とは認められてはいないらしい。禁止区域の規制がないため、季節になるとサケとそれを狙う釣り人は毎年忘れずにこの川へ集まる。知里真志保・山田秀三「室蘭市のアイヌ語地名」(1960)にはチマイペッ・オッ・イ(焼乾鮭・多く・有る所)とある。小屋掛けして冬の食料を得た時代があったのだろう。水源は深い森にあるが河口の水量は少なく昔日の面影はない。遠く有珠山、昭和新山が望まれる。
128 夏の終わりに 投稿日時: 2012年9月24日 投稿者: nizaemon 保健センターのたたきの上にスズメバチの死骸が落ちていた。家の庭にはこの夏一つだけ咲いたヤマボウシの実がぶら下がっていた。湖で潜ったときに拾った錆びたスプーンにのせた。 斜めからの陽が影を作った。
124 ドッキリ眼(まなこ) 投稿日時: 2012年9月11日 投稿者: nizaemon 子どものとき天井板の節穴の模様が妖怪の眼に見えた。眼の模様は力を持っている。蛇の目模様は良く目立つ。瞬きなしの爬虫類の眼はすべての生きものにとって脅威だ。肉食の眼である。したがって大きな眼は人の心をひきつける。トチノキの実を見に行って葉先の釣り糸を撚り合わせたようなクスサンの繭を得た。重いので中の蛹は生きていると思ったら翌日見事に大きな蛾に羽化していた。前翅を持ちあげると立派な蛇の目。おれは肉食だ、近寄るな。
122 いずこへ 投稿日時: 2012年8月30日 投稿者: nizaemon 壮瞥温泉の湖岸で出会ったワカサギの群れ。幅1m位で全く途切れずに同じ方向へと延々といつまでも続いていた。膨大な量だ。私が今回たまたま出会ったのであろうか。いつものことで、驚くに足らないことなのだろうか。このような豊かさを洞爺湖で見られた悦びは、この湖への私の認識をがらりと変えてしまった。これだけの数の生きものは何かによって養われているのだし、何かを養っているのだ。潜ってみなけりゃわからない世界。