384 うたた寝カラス 投稿日時: 2014年7月2日 投稿者: nizaemon わが家の近くにテリトリーを持つハシボソガラス。庭先、5m程の所で居眠りをしている。10分ほどこの状態。暑くって口をあけ、羽を伏せ、眼は半眼、意識も覚束ないようで、瞬膜(白目)を閉じたり開いたり。毎年何度か目にするが、このカラス確か7歳くらいの雄。彼らの寿命からして働き盛りの年代だ。夏の日の水浴び、砂浴びの延長にあるリラックス状態なのだろうか。
382 マーダーは喪服で 投稿日時: 2014年6月30日 投稿者: nizaemon エゾマイマイの殻を拾っているうちに現場に出くわした。肉の入ったマイマイの殻に長い首を突っ込んでいるのはその名もまさしくエゾマイマイカブリ。べつにエゾマイマイだけの天敵ということではないのだが、マイマイカブリというカタツムリ類を好む肉食昆虫の北海道型でこの名が付いた。蒼い光沢のオサムシに近い洒落者。殻の中から出て来たのは他にクロヒラタシデムシ。そして死の香りに目のないニクバエ。役者は揃った。
381 エゾマイマイの身に何が起こったか 投稿日時: 2014年6月30日 投稿者: nizaemon ブログ380の、トクサ群落を登る細道100m程の間でエゾマイマイの殻、15個ほどを拾った。それもほぼ成体の大きさ。次々と見つかり、特異な感じがあったので拾い集めてみた。軟体はすでになく、肉の干からびた臭いがする。古い殻ではない。この辺りではサッポロマイマイも普通種だ。肉食の昆虫のことがよぎったがそれにしても数が多すぎる。猟奇的なにおいがする。殺戮者は誰だ。382へ続く。
377 言葉も少なく 投稿日時: 2014年6月25日 投稿者: nizaemon わが家の周辺をテリトリーにしているハシボソガラス。確か7歳か。つがいになって1年目は2羽子を育てた。3年目は3羽4年目は4羽だった。昨年は途中で巣を取り払われて子育ては失敗。今年も抱卵していたようだが子ガラスはついに見えなかった。数日前、向かいの屋根にいるつがいを見つけた。寄り添うように、小雨に濡れる二羽。何を話しているのやら。
372 見返りタヌキ 投稿日時: 2014年6月5日 投稿者: nizaemon 壮瞥滝の上キャンプ場は伝統ある景勝のスポットであったが、時流の趨勢で今は休止となり国有林として返却してしまったという。私には身近な散策の場として頻繁に出かけるお気に入りのフィールドだ。湖岸に沿って進んでふとエゾタヌキと目があってしまった。尾もふさふさしていて健康そうだ。キタキツネとのテリトリーの按分は上手くいっているのだろうか。生きもの達との思いがけない出会いはなぜか懐かしさがつきまとう。
370 いのちを繋ぐ 投稿日時: 2014年5月31日 投稿者: nizaemon カワガラスが気になって(ブログ368)再度足を運んだ。3年ほど前から継続して観察中のポイントだ。親の給餌の回数がぐっと減ったのは独り立ちの時を迎えたからだろう。いつものフキの根元でもう当てにできない親を待ちながら、無数に飛び回る蚊や流れてくる虫をついばんでいる。年老いたハシブトガラスがこのヒナを狙っている。老獪なやつだ。一気に飛び込んで引っさらうつもりだ。でも、雛には水中へ潜る手がある。
368 カワガラス 投稿日時: 2014年5月26日 投稿者: nizaemon この辺りでは丁度育雛期で親鳥は餌さがしに余念がない。清流に潜り流れの底を探しては石の上で息を整えている。クロカワムシを口もとに下げて飛び込んできたが、足元の繁みには巣立ったばかりの雛が隠れていた。フキの葉の下のまるっこく小さな食いしん坊な泣き虫。ツグミのような色の羽毛、短い尾をミソサザイのように立て、好奇心に満ちた眼だった。覗きこんだ私の視線とぶつかって時間が止まった。
365 目覚めのサラダ 投稿日時: 2014年5月19日 投稿者: nizaemon 暗く湿った落ち葉の下で半年の冬を越し、やっと目覚たサッポロマイマイ。だがここ数日の北風に身をすくめてしまったか。春の気候は気紛れだ。オオウバユリの軟らかなサラダ模様に身を預け、あとひと眠りしたいのか。角出せ槍出せ、目覚めよ、春だ。
361 おかしいぞこの標識 投稿日時: 2014年5月16日 投稿者: nizaemon 北海道で出会う道路標識。よく見ると角の向きが逆だ。調べたら北米・中米に分布するオジロジカ(Whitetailed deer)の角が特異的にこの形だ。シートンの動物記に自筆の彩色画が載っている。日本のシカではないよ。基準となる国土交通省の道路標識一覧(214の2)がこの図柄だ。誰かがはなから間違った。種類ごとに角の形はちがうよ。飛び出して轢かれたシカの角をよく見てごらんなさい。シカがかわいそうだ。
356 蒼い空 投稿日時: 2014年4月28日 投稿者: nizaemon 近くの家で輓馬が保養している。本当に大きな馬で、人の頭くらいの大きさの蹄を持っている。私を見てくれている。近寄ると顔を持ってくる。優しく穏やかな眼だ。頬を撫で頤を掻いてやる。瞳を動かさず、私の眼をじっと覗き込んでいる。数秒、私の心は洗いざらい見透かされてしまったと思った。眼には蒼い空と有珠山と私が映っていた。あとひと月もすると、この眼にはどこまでも広がるタンポポの原っぱが映るはずだ。