781 クサグモの幼体 投稿日時: 2017年7月7日 投稿者: nizaemon セイヨウツゲの生け垣の棚蜘蛛の巣が光っている。良く晴れた朝で露が下りた。光る水滴を跨ぎながらせっせと巣を増改築中。この時期はまだ体が飴色の幼体だ。成体は毛深く縞がある。子どもの頃には細かく小さなものまで良く見えたので、毎日のように観察したし、アリを巣に落として戦いをさせ遊んだ。アリはいつも負けてロートのような巣の奥に引きずり込まれた。
776 流れクジラ 投稿日時: 2017年6月26日 投稿者: nizaemon ポンアヨロ海岸の灯台の下にクジラが打ち上げられていた。10日前には無かった。今は大潮なので満ち潮で運ばれたのだろう。7~8mの髭クジラ。種名は分からない。ここはよく人の集まる景勝地。近くにはホテルもある。大潮のうちに引きずり出さねば、腐敗が始まるとこの夏、大変なことになる。自然にはよくある、ごく当たり前の置き土産。
773 ポンアヨロ海岸 投稿日時: 2017年6月15日 投稿者: nizaemon 白老町のアヨロ鼻灯台。アイヌの伝承の地「神々が遊ぶ庭」に接し、縄文時代から継続している遺跡がある。 今は干潮時で潮下帯のコンブ、スガモ、潮間帯のアオサ類、ウミトラノオや飛沫帯のカサガイなどが種類を異にし、色を変えてすみ分けている。 砂利浜の上の岩盤はクッタラ火山から溶結凝灰岩で、押しつぶされた軽石が見られる。褐色のバンドは地質図のポンアヨロ浮石層に相当するようだ。
769 六月の魚 投稿日時: 2017年6月1日 投稿者: nizaemon 早朝、知人が魚を持ってきた。漁師さんを手伝っているという。身の細やかなで上等なババガレイと腹卵の美味しい大振りなアサバガレイはもう鍋の中で煮付。ここで気が付いて残りの撮影。マガレイとソウハチで15枚。ヤマメの親のサクラマスと手ごろな大きさのエイ(カスベという)。魚があると米がいらない私にとってこんな幸せが。庭の脇の特設流し台。ここも私のお気に入り。
768 キタキツネ 投稿日時: 2017年5月28日 投稿者: nizaemon 夕食の洗い物をしていた女房が、「あら、キツネ」といった。カメラをひっつかんで30秒ほどの出来事。たそがれ時、ISO4000、1/6秒のピンボケ写真。尾も太く、痩せてはいない。キツネは音をたてずに歩く。夕闇のなか滑るように軽く、ふっと息を飲む間に向うの麦畑へ姿を消した。10年も前なら良くやって来ていた。小さな町だが少しだけ家が建て込んだ。野生が懐かしい気がする。
755 私はカモメ 投稿日時: 2017年4月19日 投稿者: nizaemon Я Чайка 。チェーホフも書いた。テレシコーワも使った。チャイカはカモメ。写真はオオセグロカモメ。北海道野鳥図鑑にはТихоокеанская чайка となっている。 訳すると「太平洋カモメ」だ。4月18日、春の嵐は荒れに荒れた。強風は植え付けたばかりの野菜に被害を与えた。翌日有珠の砂浜へ出かけると、大波で打ちあげられたホタテをオオセグロカモメたちが争って食べていた。
754 エゾアカガエル 投稿日時: 2017年4月19日 投稿者: nizaemon 林道わきの根雪が水溜りになって残っている。そんな環境を見つけ出し、エゾアカガエル(Rana pirica)が集まって産卵する。足元に生き物たちの春を実感する一瞬だ。トノサマガエル、ダルマガエルを含む Rana 属の北海道産はこの一種のみ。種小名 pirica はアイヌ語の「美しい」からきている。 静寂の中、ゆっくりとしかし確実に時は刻まれている。樹の芽は動かず、地表を動き回るものは見つからない。私の思考もすでに純化されてしまって、ただ佇んでいるだけだ。春浅い冷たい水で、いのちは復活する。卵塊のブツブツを見ていると「生命は泡から誕生」した、春の生き物は「枯葉から蘇る」と思ってしまう。
750 アカゲラの春 投稿日時: 2017年4月5日 投稿者: nizaemon 雪が少なかった分地中深くまで凍てついていて、土に埋もれていたサクランボの古い薪を掘り起こすのに苦労した。上に積み上げて置いたら、目敏く見つけたのが雄のアカゲラ。この冬は一度もやってこなかったのに、何を目印にここに辿り着いたのか。腹が空いていればこその、しかしあたり前の鋭い感性で、長いくちばしで朽ちた材を弾き飛ばしている。春の光のなかの眩しい命。
744 エゾイガイ 投稿日時: 2017年3月16日 投稿者: nizaemon イガイを道南地方ではヒヨリガイという。大型で安かったが産卵期が終わったのか身は痩せていた。左上がエゾイガイ Crenomytilus grayanus 左下は殻が細身でイガイ Mytilus coruscus と考えたがエゾイガイ。右2個は エゾヒバリガイModiolus modiolusで属が異なる。イガイ科 Mytilidae の大型3種同時に買えたと思ったが残念ながら2種だった。産地は白老産と表示されていた。
741 山へ帰るキタキツネ 投稿日時: 2017年3月11日 投稿者: nizaemon 早朝、道を横切り根雪の残る麦畑を通って山へと向かうキツネに出会った。月の夜、長流川の川岸で餌を探していたのだろう。明け方は-10℃まで下がった。腹は満たされたのだろうか。痩せてはいないから詮索はしないでおこう。向こうの斜面は立香の山。少し上には新しいバイパスの工事が進んでいる。彼らの住む世界がだんだん狭められてゆく。