827 時代の風景

カムイチャシ豊浦町礼文華の岬にあるカムイチャシ。アイヌの人々の祀りの場であった。1万数千年年前の氷河期には噴火湾全域は陸地だった。向うに見える有珠山は若い火山だったろう。氷河期が終わり、縄文海進期(6,500年前-6,000年前)の温暖な時代の海水面は5mほど上昇していたという。この海にハマグリが生息していた時代、今の東北地方の植生がここにあった頃の風景を想像してみる。

824 ハクチョウが帰ってきた

ハクチョウ11月11日。伊達市上長和町、道央自動車道の長い橋梁の下の刈田にハクチョウを見つけた。遠目でオオハクチョウが見えた。コハクチョウは?灰色の亜成鳥も含め50羽。シベリアから帰ってきたこのグループ、何処に落ちくのやら。例年の通り、長流川の河口を塒にするのだろうか。今年はどんな冬鳥に出会えるのか。オジロワシ、オオワシはどのくらいか。マガンの群れに出会えるか。

 

813 シータテハの秋

シータテハ秋になって誰も遊ばなくなった裏庭のブランコにシータテハが止まっていた。似たチョウのキタテハはこの地方にはいない。裏面のCの斑紋を見ようとしたが、暖かい陽ざしの中、快活に飛び去っていった。エルタテハはよく見るが、裏庭でのこのチョウは初めて。このまま冬を迎え、どこかの木の洞で眠りながら-20℃を耐え忍ぶ。次の春、またどこかで巡り会えるだろうか。

812 ハイタカがやってきた

ハイタカがやってきた朝、この辺りに住むつがいのハシボソガラスの動きが激しい。鳴き方は緊張した警戒心の表れ。カラスに混じって素早い動きのハイタカが目に入った。向うに見える秋色を増した昭和新山の裾野からこの冬の下見にやってきたのだろうか。縄張りが重なるハシボソガラスも加わって、追いつ追われつの終わりのない攻防戦が小半時続き、やがてゲームは山の方へ移動していった。

811 コルウスくん

Corvusコルウスはカラス座のこと。春の大曲線、アークトゥルス、スピカに続くCorvus がそうだ。Corvus はそのまま分類学上のカラス属でもあり、ハシボソガラスは Corvus corone となっている。このコルウス君、時々眼を開き翼には星が瞬く。伊達市カルチャーセンターのロビーに住む。伊達市出身の彫刻家、渡辺元佳さんの作品だ。昨日私は、向こうの扉のホールで「カラス」についての長生大学の講義をさせていただいた。

807 誰そかれ

黄昏カラスカラスが塒(ねぐら)へと急ぐ。一日が終わる黄昏どき、カラスたちはそれぞれの縄張りや行動圏から寄り集まって群れて帰る。ヒトはこのような薄暮、「誰そ彼」と声かけ、返事の声を聴き分けて相手を知ったという。カラスも呼び交わしながら、互いに確認し合っているのだろう。

800 ヒシクイ

ヒシクイ8月30日、ウトナイ湖に立ち寄って居残りのオオハクチョウの写真を撮っていたら、足元にとても大きなガンがうずくまっていた。慌てながらも写真に収めてそっと後ずさりして離れたが、いささか驚いた。傷んだヒシクイとも見えて、ウトナイ湖野鳥保護センターに聞いたら「羽を痛めてこの夏留まっているのが1羽います」とのこと。快復してこの秋仲間たちにあえるとよいですね。

799 怪鳥・カイトタカ

s-kDSCN2191稲穂も充実して夏も極まった壮瞥町の田圃に、タカの凧(カイト)が翻っている。いつもの年なら「鳥獣害予防爆音器」の音がするのだが。のんびりあぜ道を歩いていて、あれにやられると獣ならずとも心臓が止まるくらい驚く。 カラスやスズメたちは、タカの凧にはすぐに慣れるだろうからその効果は分からないが、風を受けて自由に舞う姿には嫌悪感がつき纏うだろう。「嫌な感じ」そのあたりが狙いだ。

794 スズメがコスズメを

スズメとコスズメ5令幼虫スズメが壁のツタの葉の茂みに飛び込んだ。ややあって大きな緑色のイモ虫を咥えて出てきた。敷石に叩きつけ内臓を抜き、そのまま持ち去った。スズメも生き物、餌の確保となると野生そのままだ。餌食となったのはツタを食草にするコスズメというスズメガの5令幼虫。私の好きなベニスズメやオオスカシバの仲間だ。夜、ブ~ンと羽音を立て高速で飛ぶ生きのいいやつだ。

789 ニシンのサンショウ漬け

ニシンのサンショウ漬けサンショウの若葉をたっぷり使って、会津地方の伝統的保存食サンショウ漬けが出来上がった。醤油、酢、味醂、酒が漬け汁。漬け込んだ容器は15年前に買った会津本郷窯のニシン鉢。身欠きニシン専用の重厚な陶器で、ニシンが40枚が入る。細工は流々仕上がり上々。美味しいのが出来上がった。二回目の漬けこみは枝先の新芽とサンショウの青く若い実。あと10日間待てばよい。